これまでソフトウェアのPMとして、不具合が出れば当日〜翌日にはパッチを当てて解決する世界にいました。Eneliverに入って、EV充電器や太陽光の設置支援ツールに関わるようになって最初に面食らったのは、技術の難しさより「スピード感の違い」でした。
ハードウェアの現場や施工業者とのやり取りは、ソフトウェアの感覚では回りません。機器の入荷には数週間、施工には現地調整とスケジュール確保が必要で、「今日中に直します」が通用しない。こちらが良かれと思って早めに仕様変更を投げても、現場では「来月の工事日程にはもう間に合わない」と返ってきます。
最初は正直、じれったさもありました。でも次第に気づいたのは、自分が動かしているものの重さでした。ソフトウェアの意思決定は画面の中で完結しますが、ここでの一つの判断は、誰かの家の駐車場や屋根の上に実際に置かれる機器につながっています。仕様変更ひとつが、誰かの生活の中にあるものを動かすことになる。
その重みに気づいてから、スピードを求めるより先に、自分の判断が現場やその先の生活にどうつながるかを考えるようになりました。地味な変化ですが、今のところ一番効いています。
派手な技術の話ではありませんが、ソフトウェアだけをやってきた人間が初めてIoT・ハードウェアの現場に触れて、一番学んだのはこの「自分の仕事の重み」でした。