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「英治出版ってどんな会社?」オンライン会社説明会での代表取締役 原田英治の話

3月10日、3月16日にオンライン会社説明会を開催しました。参加いただいた皆様、ありがとうございました。

弊社への理解を深めていただこうという思いで企画した、英治出版初の「オンライン」会社説明会。まずはチェックイン(アイスブレイク)。その後、代表取締役の原田からは創業ストーリーや経営理念についてお話しし、プロデューサーからは事業の状況や募集職種であるプロデューサーの仕事内容についてご説明しました。後半は、参加者と英治出版メンバーが3つのグループに分かれてQ&Aセッションを実施し、さまざまな立場のメンバーと直接お話しいただきました。

当日ご説明した採用選考の資料はこちらに掲載しましたので、よろしければご覧ください。本記事では、会社説明会でお話しした「英治出版ってどんな会社?」の内容を再構成してご紹介します。(文中の数字は、2021年3月20日現在の情報です)


* * *


こんにちは。英治出版の原田です。

「英治出版ってどんな会社?」ということで、私からは、英治出版の創業の思いなどについてお話ししようと思います。

英治出版は1999年6月22日に埼玉の自宅で、妻と創業しました。創業まもなく妻とランチをしながら、「会社ができたんだから、就業規則をつくりたいよね」という話になったんですが、いざ考えてみると、ルールって作りたくないなあ、と。

「英治出版の社員として、誇りを持って行動すること」
以上。みたいなのがいいなと思ったんですね。

それ以来、英治出版には、必要最低限のルール以外、明確な規則というものはありません。

ルールのない会社を作りたいなと思ったんです。
それはなぜか。

そもそも英治出版を設立した理由が、「社員の夢が大きくならないような会社じゃダメだ!」という思いでした。私は、子どもが一歳半の時に、以前勤めていた会社をやめてしまったんです。社員やそれに関わる人の夢が大きくなって、いろんないいものが生み出される会社がいい!と思っていたけれど、前の会社ではそれが感じられませんでした。だから自分で会社を作ろうと思った。それで英治出版ができました。

社員の夢が大きくなる会社。だから「自律的に誇りを持って行動できる会社」。
それ以上にルールって必要ないんじゃないか、という話になったんです。

さて、社員の夢を応援しよう!
そう思ったんですが、社員がいない!
びっくりしました(笑)。

それなら、ということで、まずは著者の夢を応援しようということになりました。

創業した1999年頃の出版業界では既に、本は売れなくなるとだいたい絶版になっていました。日本で出版された本の8割が、品切れや絶版で買えないんです。2001年頃にアマゾンが日本に進出してきたとき、驚愕しました。今でこそ、アマゾンにマーケットプレイスができて古本が買えるんですが、当時は登録されている本の大半が買えなかったんです。当時はみんなアマゾンで古本を買おうとは思っていなかったかもしれませんが。

それで、ある意味、大手出版社に対するアンチテーゼかもしれないけど、「著者を応援する」出版社、「絶版にしない」出版社を作りたいと思いました。

英治出版は、これまで380以上の本を出版してきました。著者の都合、著者の会社の倒産、版権の都合で絶版になってしまった本もあるんですが、創業当時に出版した本も含めて95.4%の本が今でも絶版にならず稼働しています。

実は、私自身は、あまり本を読みません。読書家ではなくて、本を読んでると他のことを考えちゃって、妄想が始まって、結局読みきれないんです。

どちらかというと、本を読むというより、人と話すほうが好き。そして、人を応援するのが好きです。応援していると、いいことが起こるんですよ。

それを体感しながらできてきた経営理念が、「誰かの夢を応援すると自分の夢が前進する」です。

今はそれを本当の意味で実感しています。1999年に埼玉の自宅で創業したときには、英治出版のオフィスの本棚に並んでいるような、すばらしい著者の方々の本を出版できるなんて思ってもいませんでした。一冊一冊、著者との関係性、人との関係性をコツコツつなげていった結果、自分では想像できなかった夢がかなってきているような気がしているんです。

「仲間とつくる現実は、自分の理想を超えていく」
そう思っています。

「現実が理想を超える」という言葉は、私が26歳の頃、特別養護老人ホームの理事長の方に聞いた言葉です。当時の私には理解できませんでした。「現実が理想を超えるわけないじゃん」と。でも今は、自分なりに解釈できています。実際に、自分の想像力でなし得ることを、仲間との現実が塗り替えていっているんです。

振り返れば、埼玉で思い描いていた「理想の著者」をはるかに超える著者と仕事ができています。

Six degrees of separation: Artistic visualization. by Laurens van Lieshout / Wikipedia

人とのつながりに関する、私の好きな理論があります。”Six Degrees Of Separation”。「6次の隔たり」というソーシャルネットワークの考え方です。

たとえば、私が直接知っている人、たとえば先ほどプレゼンテーションをしてくれた安村さん(英治出版プロデューサー)は、私とは1ディグリー(1次の隔たり)の関係にあります。安村さんの友達と僕とは、2ディグリー。このように関係を2ディグリー、3ディグリーとつなげて、6ディグリーまで広がると全人類がつながる。そんな仮説です。

この話を聞いたとき、いわゆる人脈の広さ、1ディグリーの関係の人が多いわけではない、とふと思いました。全人類と1ディグリーで知り合うことは物理的に不可能ですよね。要するに、多くの人とつながっている人は、2ディグリーや3ディグリーの関係をうまく活用できる人のことなんだと。

昔はパーティーに行って1ディグリーの関係をつくろうと名刺交換をして、それで人脈が広がったように思えていたけれど、それは違っていました。目の前の相手と深く知り合うことで、2ディグリーの関係を引き出しやすくする。つまり、1ディグリーの深さこそが「人脈が広い」ことなんだと思うようになったんです。

たとえば、安村さんのことを「出版社の人」と見ているだけだと、安村さんには出版のことしか相談しない。でも、1ディグリーの関係を深くして、いろいろ知ると、安村さんは「アフリカが好きなんだ!」とか「学生時代に剣道をやってたんだ!」とか、知れば知るほど相手の2ディグリーが見えてくる。

目の前の人を真剣に応援し、その人との関係性が深まることで、2ディグリーや3ディグリーが広がっていくんです。

創業当時、『Yahoo!はなぜ最強のブランドなのか』という本を出版したときの話です。

ある友人から、「Yahoo!創業者のジェリー・ヤンのメールアドレスを教えてほしい」と連絡がありました。でも英治出版は本の日本語翻訳権を買っただけで、創業者のアドレスなんて知りません。ですが、念のためシリコンバレーに詳しい何人かの友人に「ジェリー・ヤンのアドレス知らない?」と聞いてみました。すると、なんと2人から「これがジェリーのアドレスだよ」って返信がきたんですね。たまたまかもしれないけど、Yahoo!の創業者って、自分と2ディグリーの関係にあったのか、とびっくりしました。

そんな経験もあって、誰かを応援するときに、自分の2ディグリーを想像できているかが非常に大切だと思うようになりました。

「誰かの夢を応援すると、自分の夢が前進する」

人の夢を応援することて、巡り巡って自分たちの夢が前進していく。これは決してギブアンドテイクではなく、いわば世の中に貯金をしていくようなイメージで、ものごとが進んでいって、気がつくと自分の夢が進んでいる、そんなふうに考えています。

目の前の好きな人を全力で応援する。
それを大切にしています。

だから、英治出版は嫌いな人とは商売しないんです。儲かりそうでも、嫌いなら仕事しない。社内の企画会議では、全員の共感が企画が決まる前提になっています。みんなが拍手をする企画の著者を、みんなで応援する、というスタイルです。

昔は、夢の「大きさ」がすごく重要だと考えていました。でも、ずいぶん前に、当時パートタイムで働いていた学生に、「大きな夢でなくても、目の前のことを一生懸命やっている人、自分の夢を突き詰めている人は、応援しないんですか?」と聞かれて、ハッとしたんですね。

目の前のこと、自分の実現したいことを深くやっている人も、やっぱり応援したい。自分自身のことや世の中のことを深く知れば、広くなる。自分のやろうとしていることを深めていくと、結果的に広くなる。

英治出版では、「大きく」よりも「深く」がキーワードです。

たくさん本が売れるのは、いいことと言えばいいことですが、How manyよりもHow deepが大事。たくさん売ること以上に、著者としっかり関係をつくれることが重要です。そして、英治出版のメンバーが自分の成し遂げたいことを深く探求できる場所でありたいと思っています。

英治出版は日々変化しています。英治出版は「みんな」によって作られている。
未来の1秒、1円は、私たちが想像力を加えることができるんです。

より良い未来を作り出していく想像力を加えてくれる人と、一緒に仕事をしたい。みんなの想像力で、みんなの行動力で、それぞれにとって「仲間とつくる現実が、自分の理想を超える」ような社会に近づいていければと願っています。

英治出版はそのための一つの実験室でありたいと思います。


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☆募集要項および選考プロセスは、以下の弊社採用ページをご覧ください
http://www.eijipress.co.jp/about/recruit.php

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