(※所属や業務内容などはインタビュー当時のものです。)
こんにちは!2020年の春から 教育と探求社で働く、大学生インターンの香取 美海(かとりみなみ)です。
今回インタビューするのは、教育と探求社で企画営業を担当する関 建(せきたける)さん。創発部という部署で、探究学習を多くの生徒に届けるためのお仕事をしています。
全国各地の中学高校に営業に行ったり、企業と協働して学校に届けるプログラムを企画したり。
普段一体どんなふうにお仕事をしているのか、どんな想いでやっているのか、聞いてきました!
学校に教育プログラムを届ける
ー今、どんなお仕事をしているのか教えてください。
大きくいうと、探究学習プログラムの企画営業をしています。
ひとつは探究学習プログラム「クエストエデュケーション」を学校に届ける仕事。全国の中学や高校にうかがって、授業でクエストエデュケーションのプログラムをやってみないか、学校の先生に提案しています。
そしてもうひとつは企業と協働して独自の探究学習プログラムを企画する仕事。「自社のリソースやノウハウを活かして教育プログラムを作りたい」という企業の声に応えて、オリジナルのプログラムづくりをお手伝いしています。
ーそうなんですね。
まずひとつめの、学校に提案するお仕事について教えてください。提案している探究学習プログラム「クエストエデュケーション」は、具体的にどのようなものなのでしょうか。
クエストエデュケーションには、現在9つのプログラムがあります。
生徒たちが企業のインターンとなって、「パナソニック」「HIS」といった企業からのミッションに取組み自分たちの企画をつくりあげるプログラム「コーポレートアクセス」や、「長嶋茂雄」「水木しげる」などの偉人達の人生を学びながら自分たちでドキュメンタリー作品を作るプログラム「ロールモデル」など、様々なプログラムがあります。
学校や先生によってどんな授業をしたいかが違うので、それにあわせてどんなプログラムがいいのか、どういったことができるのか、プログラムや組み合わせ方などを提案していきます。
企業と関わる授業や、生徒が自らの人生について考える授業ができるのですね。学校へはどのようにアプローチしているのでしょうか?
学校からお問い合わせをいただいて、お話をしに行くことが多いです。
学校の先生が「自分のクラスでやりたい」「関心がある」とご連絡をくださるので、プログラムの詳細をお話ししたり、懸念点や導入にハードルがあれば解決できるように相談にのっています。具体的に授業にどう取り入れるか、先生と一緒に考えて、クエストエデュケーションの授業を学校でできるようにお手伝いしていきます。
もちろん、こちらから学校にご連絡をして、お時間をいただいてお話しにいくこともあります。
学習指導要領の改訂があることもあり、今、先生たちには新しい授業のやり方が求められているんです。そうした中で僕たちのプログラムがきっと力になれると思います。それが必要な方々に届くよう、日々努力しています。
ーわあ、なんだか私が思っていた「売り込みに行く!」「ザ・営業」とは全然違う感じがします。かっこいいですね。
僕はいつも、「相手にとって自分たちがどう役に立てるのか」を考えています。自分たちのプログラムの魅力を語るよりも、相手、学校だったら先生がたのお話を聞いている時間の方が長いですね。ここなら役に立てる!って所を見つけるまで掘り下げて、それで一緒にできることを提案していきます。
企業や地域と協働でプログラムを企画する
ーふたつめのお仕事、「企業と協働して教育プログラムを作る」というのは、どのようなものなのでしょうか?
たとえば、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社と教育と探求社とが共同開発した金融経済教育プログラムの「株の力」というものがあります。「株」の最前線で働く”先輩”社員と関わり合いながら「株」について体験的、主体的に学び、証券市場・証券会社の機能・役割について理解を深めていき、情報収集・活用力、コミュニケーション力など「21世紀型スキル」を養う探究型の授業です。
実際に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員さんが中学や高校に出向き、株について教えてくれるのですが、生徒たちは「株の新聞広告を作ろう」というテーマに取り組むことで、ただ株について知識を得るだけでなく、主体的に株について学ぶことができるんです。
ーとても珍しいし、面白そうな内容ですよね!私も先日「株の力」の授業を見学してきたら、やってみたくなりました。
初め生徒たちは「株って何…?なんで自分たちが勉強するんだろう…」という顔をしていたのに、授業が終わるころにはワクワクした状態で。次回の授業を楽しみにしている様子が、とても印象に残りました。
このプログラムの開発をお手伝いしたということでしょうか?
そうですね。企業から依頼を受けて、このようなプログラムを作っています。ただ知識を伝えるだけではなく、どうしたら生徒が前のめりになる授業ができるのか。どのように伝えたら楽しんでもらえるかを工夫しながら一緒に教材を開発しています。
ただ、プログラムは一度開発して終わりではありません。一度それができたら、実際に授業をする企業人に研修をしたり、学校での授業運営のサポートをしたり、そうして実際にやってみてどうだったか、どうしたらよりよくなるかという話をすることもしています。
ー授業作りから現場運営まで、様々なサポートをしているんですね。
ー企業以外にも、地域と協働して企画を行うことなどもあるのでしょうか?
そうですね、たとえば今、静岡でオリジナルのクエストエデュケーション、「シヅクリプロジェクト」というものを企画、運営しています。
クエストエデュケーションでは、毎年2月に東京でクエストエデュケーションを受講した中高生数百人が集まり、自分たちの企画を発表しあう「クエストカップ全国大会」という発表会を行っています。これを静岡の学校と静岡の企業で実施しよう、というのが「シヅクリプロジェクト」の企画です。
静岡の企業と協働して、生徒たちと企業人が学び合う場をつくる。
静岡の子たちって、大学で東京に行って就職も東京でということが多いのですが、それは地元の企業を知らないからかもしれません。静岡の企業をテーマに生徒たちが学ぶことで、地元の企業に愛着を持ち、静岡からの人材流出を防ぐということも目指しています。
ー地域の課題解決にも関わっているのですね。プロジェクトはどのように始まったのですか?
静岡のとある小学校の校長先生との出逢いがきっかけで始まりました。
その校長先生は、もともと中学校の校長先生を長くされていたこともあり、僕たちのクエストエデュケーションにも大変共感してくださっていました。東京で行われたクエストカップにも参加してくださったのですが、そこで「ぜひ静岡でやりたい!」と言ってくださって。それがきっかけで静岡でのプロジェクトがはじまりました。
ーそうだったんですね。実際にクエストカップ全国大会をみて、静岡でもやりたいと。新しいことが始まるきっかけとなるような、熱い場なんですね。
入社を決めたきっかけは「クエストカップ全国大会」
実は僕も、クエストカップ全国大会をみたのが入社の決め手だったんです。
ーそうなんですか!どうやってクエストカップや教育と探求社を知ったのですか?
それまでの社会人生活のなかで、たまたま教育と探求社に関わりのある人とたくさん縁がありました。プロボノとして所属していたNPOの活動を通して出会った人や、読んでいた本の著者、そして当時お世話になっていた転職支援の人の親友まで、教育と探求社の社員だったり関係者でした(笑)。
そんなことが重なり、とりあえず社員の方とお話をすることになったんです。執行役員の大野さんと話してみたら、とてもいい感じの人でした。「この人と働きたいな」って思ったことが大きくて、そこで直後にあったクエストカップにも参加させていただくことになりました。そうしてクエストカップを見て、入社を決めたんです。
ークエストカップでは、何がそんなに心が動くきっかけとなったのでしょうか?
すごく印象的な発表があって。「コーポレートアクセス」に参画していたテレビ東京からのミッションに挑戦した生徒たちのチームで、「モテバナナくん」という企画がありました。それは恋愛のアドバイスをしてくれるAIのアプリなんですけど、男子高校生が「モテたぁーい!」って叫んでいてちょっとアホっぽくて面白かったんですよ。しかもそうした企画を企業の人が真摯に見てちゃんと評価しているっていう。そんなところが自由で魅力的に見えて、すごく面白いなと思いました。
最初は「クエストカップは、ビジコンみたいなものだろう」と思っていたんです。新商品や新規事業を企画するという事から、実現性とかマネタイズすることに最終的に価値をおいてプレゼンやプランの優劣を競うイメージを持っていました。
でも、実際はそうではなかった。そういう型にはまったものではなくて、生徒たちが「本気でこれを実現したい」って思いで、本気でプレゼンしていたんです。とてもエネルギー量があって、いい意味で予想を裏切られました。
ー生徒たちの自由でアツいエネルギーを感じたんですね!
あとは、「誰でもできる」というところにも魅力を感じています。「全国大会」で活躍する人たちといえば、ある分野で優れた才能を持った一部の人たち、チャンスは一部の人にしか与えられない、といったイメージを持っていました。僕も、高校に入ったときに中学まで部活で頑張っていた野球をやりたかったのですが、とても厳しい部活で、結局野球部には入らず帰宅部だったんです。
でも、クエストエデュケーションは学校の中で全員がやっていて、ちゃんと各々アイデアがあって考えることができる。進学校とか、頭が良いとかは関係なく、誰でもできる。それが良いなって思います。
学びという価値を届ける仕事
ー教育と探求社に出会う前は、教育系のお仕事をしていたのですか?
ええと、前職は教育系の企業ではなかったです。でも、教育には大学のときから興味があったので、前職と並立してプロボノとしてキャリア教育系のNPOで活動していました。
小中高の時は学校が楽しくなくて、行く意味も分からず学校が嫌いだったんですけど、大学で始めた家庭教師のバイトが面白くて、その頃から教育に興味を持ち始めました。生徒の成績が上がると生徒も保護者も喜ぶし、自分のやったことが人の役に立てるっていうことが、目に見える感じが面白かったです。
それで、教職課程をとることにしました。
けれど教育実習に行ってみて、やりがいはあったけど「学校って狭いな」って思ってしまって。僕は新しい人や環境に、どんどん出会いたいタイプなので…だからいったん就職しようと思ったんです。
でも結局、就職しても何らかの形で教育に携わりたいと思って、NPOに入りました。
ー教育に対する想いが、ずっとあったんですね。
そうですね。教育に対する想いはずっとありました。また、NPOで学んだことは、教育と探求社で営業をしている今にもすごく生きています。NPOでは素敵な出会いがたくさんあって、面白い人たちとたくさん出会いました。エネルギーがあってうずうずしていて、どうしても今いる環境から外に目を向けて出ていく姿勢に、たくさん刺激をもらったんです。
営業の仕事は社内で完結しなくて、お客さんがいて初めて成立するじゃないですか。だから、お客さんがどういう風に考えているか、どんな人がいるのか、それを理解するのに「普段見ているものの外に目を向ける」ということはすごく役に立ちます。
ーなるほど~。
教育と探求社にはどのような魅力がありますか?
教育と探求社では生徒・先生・学校・企業と関わる人すべての学びに深く関わることができていいなと思っています。教育と探求社の教育コンテンツは、生徒だけでなく生徒に関わる先生や企業人にも学びを提供している点が、唯一無二だし面白いと思っています。本当に、価値を届けてるんだなって感じます。
それに、そうして関わる人たちがみんな面白くて、毎日刺激があって楽しいです。
ー素敵ですね。私もいろんな方と触れ合う機会があって、その度に自分の学びを助けていただいている感覚もあり、毎日充実しています!!
そうですよね。うちの会社を取り巻く人たちは、人に対して本当に真摯に接するんですよね。協賛企業の人事部の人たちは、その会社の社員のことを真剣に考えているし、学校の先生は生徒のことを心から考えている。それって、とてもすごいことだと思うし、そんな人に囲まれて仕事しているって良いなと思っています。