▶︎▶︎もともとDMMBoostには、MVVがありませんでした。あえて策定していなかったのでしょうか?
はい。DMMBoostの前身であるハッシャダイ時代にはMVVを定めていたのですが、コロナ禍によって人材ビジネス領域が停滞してしまい、事業転換を迫られました。
次は、コロナなどの外的要因に左右されず、世の中から必要とされる強いプロダクト開発を事業の軸に据えよう。その考えから生まれたのが、「DMMチャットブースト for EC」というサービスです。
このサービスがPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成するまでは、あえてMVVとして会社のあり方を言語化する必要はないと考え、成長のためのアクションを打つことに専念していました。……というか、正直にいうと、私個人としては、もともと「MVVは作らない」と決めていたんです。
株式会社DMM Boost代表取締役 横関 秀樹
▶︎▶︎そうだったんですね! なぜでしょうか?
MVVは、「会社としてこういった社会的課題を解決したい」「世の中をこうしたい」という思いを込めるものです。そうすると、おのずと短期的な目標達成ではなく、20年先、30年先を見据えて実現したい未来を描くことになりますよね。
ですが、今の時代は社会の変化スピードが歴史上かつてないほど速く進んでいます。誰もコロナを予測できなかったように、不確実性も増しています。
実際に私たちも、コロナ禍で大きな事業転換を経験しました。これからも、既存の事業に固執しすぎず、世の中に必要とされる新しいプロダクトをどんどん作っていくと思います。
そうなると、今決めた「20年先に実現したい未来」は、そのときの状況や世間のニーズに応じて変わっていく可能性が高いのではないか。ならば、固定の目標を掲げるよりは、時代に合わせて組織や事業をチューニングしていくほうが、社会に対してより“DMMBoostらしく”価値を提供できるだろうと考えたんです。
▶︎▶︎では、なぜ今回「エッセンス」と「コーポレートメッセージ」を掲げるに至ったのでしょうか?
ここ最近、採用候補者や社内のメンバーから、“会社の方向性”を問われる場面が増えたのがきっかけでした。
現在のDMMBoostは、事業がようやく安定してきたフェーズにいます。これまでは、わき目も振らずに「DMMチャットブースト for EC」というサービスの成長だけを考え、メンバーと一丸となって具体的な施策を実行してきました。
しかし今は、もう少し先の未来を見据える余裕が、いい意味で生まれてきたのではないかと感じていて。そこで、2022年夏頃から「会社の未来を示すためのメッセージを、しっかりと発信しよう」と決めたんです。
``働く哲学を「エッセンス」、社会への決意表明を「コーポレートメッセージ」に``
▶︎▶︎改めて、完成した「エッセンス」と「コーポレートメッセージ」の紹介をお願いします!
まず、社内のメンバーに対しては、DMMBoostで働くうえで大切にしてほしいスタンスやコンピテンシーを「エッセンス」として3つ掲げました。
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