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2024年問題について

2024年問題とは、昨年あたりからニュースで頻繁に取り上げられ、注目を集めていた問題です。
耳にされた方も多いと思いますが、その詳細を説明できる方は多くないように感じます。

この問題は、運送業界の「労務改善基準告示」改正に起因しています。
この改正案は以前から存在していましたが、2024年を境に基準がさらに厳格化されることで、運送業界に属する企業全体に影響を及ぼすと懸念されていました。


実際の対応事例:バス会社での取り組み

昨年、大手バス会社グループの運行システムにおける2024年問題対応プロジェクトに携わりました。
このシステムでは旧基準に基づく労務チェックが実施されていましたが、新基準に合わせてアップデートすることが急務でした。

そこで、下記の改修作業を実施しました。

  1. 新基準に基づくチェック機能(月間、年間拘束時間チェック等)の追加
  2. 1日の拘束時間、休息時間における最大値やリミット値の変更
  3. 過去の運行実績データを用いた新基準のテスト

テスト実行の結果を新基準に照らした際、基準超過のエラーが大量に発生する事態に直面しました。
これは、旧基準内のぎりぎりで運行を行っていたため、新基準への移行によりリミット値を超過してしまったことが原因でした。
従来の運行スタイルを続けた場合、労務違反となり兼ねず、会社に罰則が科されるリスクが非常に高くなります。

基準超過のエラーを回避するためには、運転手を増員するもしくは運行便数を減らす等の運用サイドでの対応が不可欠と思われました。
運転手不足と言われる中での増員や利用者に影響を与える減便は、運行会社として厳しい選択を迫られていると実感しました。


今後の課題

労務違反者を検出するためのチェックは確かに重要です。
しかし、システムによるチェックで違反者を見つけることだけでは、抜本的に解決にはなりません。
現場の労働環境を改善しつつ、企業の利益も確保できる仕組みを構築することが必要だと痛感しました。

そのためには、次のような取り組みが重要となり得る可能性があります。

  • 運転手不足を解消させる無人運転技術などの新技術の導入
  • 法整備のさらなる改革
  • ITを活用した業務効率化※DX推進

これらの取り組みによって、より良い社会づくりに一歩近づけるものと考えます。
この問題を機に、業界全体の労働環境の改善と技術革新が加速することを切望しています。私もその一端を担えるよう、エンジニアリングの力で貢献したいと考えています。

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