本日は、18新卒内定者の久本くんの記事です。
「VR×ビジネス」というテーマのエントリーになります。
是非御覧ください!
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はじめまして、久本勇馬です。
私は2018年4月からダズルに総合職として入社予定で、現在はインターンとしてブログを執筆しています。
この連載のテーマは「VR×ビジネス」。
VRがエンタメ分野だけではなく、ビジネスシーンでも積極的に活用されていることを多くの人に届けていきます。
第一回は観光業界にスポットを当て、今だからこそ知っておきたいVRの活用例と今後の可能性についてお伝えします。
あなたの知らないVRの世界
最近巷でVRという言葉を耳にする機会が増えてきたと感じませんか?
「VR、聞いたことあるけど何なの?」という方も多くいらっしゃるかもしれません。
VRとはバーチャルリアリティという言葉の略です。現実世界とは異なる空間を作り出し、今まで実現し得なかった新たな体験を生み出そうという技術なのです。
このVRの世界を体感するためには「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」と呼ばれるハードウェアを装着することが必要となります。近年このハードウェアの技術開発が著しく進められ、装着したときの没入感は、本当に自分が異世界に入り込んでしまったのではないかと思わせるほど進化しています。
このVR技術を活かして現在多くのコンテンツが作られており、ゲーム関連のコンテンツが非常に盛り上がっています。例えば、SONYはプレイステーション4で使える「PSVR」というHMDを2016年に発売し、すでに累計売上200万台を突破しています。(2017年12月8日現在)
またコンテンツもVR対応のものが多数リリースされて充実してきており、今までになかったVRゲームという分野が普及しつつあります。
なぜVRがこれほどまでの人気を得ることができたのか?
その理由は、圧倒的な没入感と臨場感だと言われています。
例えばRPGの場合。今までのテレビやスマホゲームでは、画面の先にいる主人公を操作することが一般的で、第三者としてゲームをプレイせざるを得ませんでした。そのためどうしてもゲームとの距離感を感じてしまい、物足りなさがありました。
しかしVRゲームでは、360°全方位を立体映像で捉えることができます。そして主人公の視点に立つことで、自身と主人公を一体化させてゲームを操作することも可能になりました。その結果、実際にRPGの世界に入り込んでしまったかのような没入感と臨場感のある、近未来的なゲーム体験が実現されたのです。
また、その他のエンタメ分野でもVRの活用は進められています。
例えばスポーツ観戦。
今までは遠方に住んでいたり時間的余裕がなかったりして、好きな試合をスタジアムまで観戦しに行くことは容易ではありませんでした。しかしHMDを装着することで、自宅に居ながらスタジアムで観戦しているような感覚を味わうことができるようになり、スポーツ観戦のハードルが大きく下がりました。
2018年の平昌オリンピックでは、インテルがIOC(国際オリンピック協会)とスポンサー契約を結び、「True VR」というVRを使った競技のライブ配信をすることが決まっています。したがって対応したHMDさえあれば、いつでもどこでも簡単にオリンピックの臨場感を味わうことができてしまうのです!
このようにエンタメ分野ではかなりVRの活用が進んでおり、私たち一般消費者にとっても身近な存在になってきています。
そんなVRですが、一度体験してみたいけど自分でHMDを買うのはちょっとハードルが高いなあ……と考えている人も多いのではないでしょうか?
しかし今、最先端のVR技術を生かしたコンテンツを体験できる施設がいくつも登場してきています。
例えば2017年7月にオープンしたばかりの「VR ZONE SHINJUKU」。国内最大規模のVR体験施設で、マリオカートやガンダムなどのゲームや、スキーや釣りなどのスポーツなど、全16種ものVRコンテンツを最先端のHMDで楽しむことができます。(2017年11月現在)
ホラーコンテンツの「幽霊病棟」では、没入感が強すぎるため恐怖で最後まで続けられずリタイアしてしまう人が続出しているようです。ホラーが苦手な人は心して体験してみてください。
その他にも、現実だと錯覚してしまうほど高いレベルのコンテンツが多数揃っており、年齢関係なく十分に楽しめる施設となっています。友人同士やカップルで一度最先端のVR世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
観光でもVRが使われているって本当?
さて、ここまではエンタメとしてのVRを中心にお伝えしてきましたが、実は今ビジネスシーンにおいてもVR技術の活用が増えてきていることをご存知ですか?
様々な業界企業がVRを活用することで、新たな顧客体験を実現しています。今回はそんなビジネス活用の中から観光業界にフォーカスして、VRの活用事例を3つ紹介します。
①H.I.S.
H.I.S.のハワイ専門セレクトショップである「H.I.S.Hawaii」には、VRを使ってハワイの観光スポットやアクティビティが疑似体験できるブースが設置されています。
このVRブースでは、パンフレットや口頭だけでは伝えきれないハワイの魅力を訴求することができます。例えばハワイの海でサーフィンをしているVR動画。迫力満点の映像で、今までサーフィンに関心がなく面白半分でVRを装着してみた人にも、現地で体験してみたいと考えるきっかけになります。また初めてハワイに旅行する人に対しては、VR動画を通して街並みなどの様子をイメージしやすくし、旅行に対する不安を取り除くことができます。
②東京都
東京都では、2020年のオリンピックに向けてwebサイト「TOHOKU&TOKYO」を開設しました。外国人観光客を対象として東京と東北6県の観光スポット等の魅力を伝えるVR動画を配信しています。
オリンピック開催期間中は、多くの外国人観光客が日本を訪れると予想されます。そのため事前に東京や東北の名所を観光客がイメージできるようにしておくことで、日本に来る際に観光地を訪れたいという思いを掻き立てることができるので効果的です。
③ANA
ANAは2017年の3月から、沖縄の海の様子をVRで360°体験できる動画を配信しています。
このVR動画では、沖縄の綺麗な海をダイビングしながら見ている感覚を味わうことができます。動画はYouTubeに配信されて以来、すでに25万回以上も再生されています。(2017年12月7日現在)
皆さんの中でもすでに沖縄の海が綺麗だというイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし観光地の真の魅力は体験の中でこそ感じられるものではないでしょうか。動画ではサンゴ礁と泳ぐ魚たちが生みだす神秘的な世界観を、まるですぐそばで泳いでいるような臨場感の中で体感することができます。このようなリアルな体験に近いVR映像を提供することで、鮮明に観光地の魅力を訴求でき、観光客は実際に「行ってみたい体験してみたい」と考えてくれるのです。
これらの活用事例はあくまで一例ですが、すでに様々な企業や自治体がVRを活用して観光客誘致の取り組みを始めています。
これからのVR×観光の動向
VRは今後も、様々な観点で新たな観光ニーズを引き出すための有効な手段になると考えられます。
そんな中、すでにVRを活用したことで大きな成果を上げている観光関連の事例もあります。
北海道の美唄市では、全国の自治体の中でいち早くVRアプリによる観光客誘致を行なってきました。インバウンド向けに作ったこのアプリは、町の観光スポットやイベントの風景など全15種類の360°映像を5ヶ国語で紹介しています。
このコンテンツは2016年2月にタイで開催されたTITF2016(Thai International Travel Fair)という旅行博覧会に出展されました。すると前年の10倍以上に当たる220人ものタイ人観光客が美唄市を訪れ、VRが観光客誘致に大きく貢献しました。
VRを活用することで観光地の良さをダイレクトに伝えることができ、魅力をうまく訴求できた一例ではないでしょうか。
一方VR自体の市場成長も堅調です。
SUPERDATAによると、VR業界における2016年度の売上は18億ドルであったのに対して、
2020年には15倍以上の283億ドルに成長すると見込んでいます。またIDCは、VRゴーグルの販売台数が2016年に923万7千台だったのに対して、2021年には6710万5千台に達すると推測しています。
すなわち2020年の東京オリンピックが行われる頃には世界規模でVR市場が急成長し、一般消費者にも広く普及していくと考えられます。
技術的な面に関しても、日進月歩で新たな技術が生み出され続けています。
例えば現在VR業界では、視覚だけでなく匂いや冷温風、湿度を体感できる「FEELREAL SENSORY MASK」という製品が開発されています。映像に加えて嗅覚や触覚も擬似体験できるようになることで、さらにVR空間の現実感がさらに増すと考えられます。この技術によって近い将来、完全に現地にいるのと変わらない空気感を味わいながら、擬似観光体験を行うことが可能になっていくでしょう。そうすると今後、観光という概念自体が変わっていくかもしれません。
このように観光とVRの親和性はさらに高まり、ますます観光客を取り込むための重要な手段となっていくと考えられます。また私たちの思いもよらない新たな観光体験が作り出され、観光客にさらなる満足感を与えるようになることも十分想像できます。
したがって今後数年内に観光業界においてVRを導入する企業は確実に増えるでしょう。そして今がまさに導入のチャンスだと考え、すでに動き出している企業が多いのも事実です。
その理由は主に2つ考えられます。
1つ目は、まだ観光業界においてVRの導入事例が一般的ではないから。
たしかにVRを活用している事例は増えてはきているものの、まだ一部の企業に限られています。
100社以上がひしめく観光業界において、今VRを導入することは他社との差別化を図る上で大きな力となります。
もう1つの理由は、2020年に東京オリンピックが開催されるから。
約2年後に控えた東京オリンピックでは、多くの訪日観光客が訪れると予想されます。
それまでにVRを活用した映像体験ができるような状態を作っておくことで、旅行に行く前に日本のことを詳しく知っておきたいという観光客のニーズを叶えることができます。
またオリンピックがあるということで日本に関心を持ち始めた外国人観光客に、観光地やアクティビティを臨場感のあるVR映像で見てもらうことで、「行ってみたい!行こう!」という意識に変えることもできるでしょう。
最後に
VR×観光の世界についていかがでしたか?
VRと観光の間には、今後も大きなビジネスチャンスが広がっていくと考えられます。