今回のインタビューは新卒で海外に就職し、1年前に当社に入社した最年少メンバー、杢野 亮太(もくの・りょうた) 26歳。若手ながら、台湾の大手企業社長の予約対応や、中国語しか話せないお客様からの貸切予約依頼を受けています。さっそく、転職理由や日々の仕事について聞いていきます!
【大稲自動車・福岡ハイヤーサービスについて】
創業1950年、歴史ある企業でありながら、タクシー業界にイノベーションを起こし続けている。10年以上前から先駆けてプレママタクシー・こどもタクシーを開始。2016年には国内外VIP向けのツアーサービス、行政・地元企業との共同プロジェクトを手掛ける福岡ハイヤーサービスを設立。2018年8月には、国内大手も未だ実現していない米国リムジン会社との資本提携を実現。大稲自動車から福岡ハイヤーサービスへのキャリアアップ以外にも、海外勤務というキャリアルートも確立。
高校時代に台湾の魅力にひかれ、大学4年以降は台湾で過ごす
――杢野さんは当社に入社する前まで台湾で働いていました。その経緯を教えてください。
はい、私はちょうど1年前まで、3年半ほど台湾に住んでいました。
きっかけは高校生の時に、台湾政府が主催した招待旅行。高校生の時から歴史や国際の授業が好きだった私は、九州の高校生を対象にした募集があることを知り、すぐに応募しました。すると、約20名の中に選ばれて、1週間、無料で台湾に行く機会を得られたんです!
ホームステイをさせてもらいながら、現地の高校生と交流したり名所を巡ったり、たくさんの場所で色んな人にお世話になりました。その中で、台湾がとても親日だと始めて知ったんです。歴史的には反日でもいいはずなのに。そこから台湾に興味を持つようになっていきました。
大学進学の際も、台湾に繋がる進路にしたいと思っていて、台湾に留学できることが大学選びのポイントでした。入学後は、大学4年生で台湾への留学を実現。1年間の交換留学で奨学金付きでした。
ただ大学4年生というと、日本では就活時期まっただ中。そこで、貴重な期間を費やして留学しているわけだし、台湾で就職しちゃおうと思ったんです(笑)。日本に帰ってきたのは卒業式くらいでした。
就職先に選んだのは、日本と台湾の架け橋になる、人材エージェント・日本語講師の仕事。
台湾には、日本で働きたい人がとてもたくさんいて、そのような台湾人を日本企業に直接紹介したり、日本のエージェントに紹介したりしていました。時には留学先の斡旋をすることもありました。
また、日本で働くために語学も教えている会社でしたので、3割くらいの時間は日本語講師として授業をしていました。
――夢を叶えるための行動力がすごいですね。台湾での仕事は順調でしたか?
自分で希望した道だったのでとても楽しかったです!社長は日本人で、日本人の社員も数名いましたし。ただ、言葉やニュアンス、文化の違いでうまく伝わらなかったり、それが原因でクレームになったりとても語学力を鍛えられましたね。
教科書で学んだ語学の中で、日常生活で使えるものはほんの少しなので、実際に住む・働くという経験を通して、使える英語・中国語を身に付けられたと思っています。
あとは、友達をたくさん作っていたのでそこでの学びも大きかったです。
海外に、福岡や九州の魅力が全く伝わっていない現状を打破したい
――台湾でのお仕事は充実していたように思えますが、転職の理由はなんだったのでしょう?
台湾では2年半ちょっと働いていたのですが、日に日に「福岡のために仕事したいな」と思うようになったんです。
理由は、中華系の人達と話していて、福岡の人気がないことをとても残念に思っていたから。やはり東京・大阪が人気で、九州は距離が近すぎて逆に興味を持ってもらえないようでした。
私は福岡出身なので、「この現状を打破したい、福岡の魅力を広めたい」と思い、福岡でインバウンド対応の仕事をしたいと思うようになりました。
――なるほど。インバウンド関連の仕事は当社以外にもあると思うのですが、当社を選んだ理由は何だったのでしょう?
そうですね、転職活動は半年くらいしていたので、色んな職種・企業を検討しました。
例えば、空港・ホテルでの仕事も候補に入れていて、実際に選考も進んでいました。ただ、仕事の特性的に、自分で外に出て福岡の魅力を伝えて回ることはできません。待ちの要素が強くなると思い、よりアグレッシブに福岡の魅力を発信できる仕事がしたいと考えました。
実は、添乗員のようなことをしたかったので、旅行会社も少し検討していた時期もありました。ただ、既存の旅行会社は企画・添乗員・運転手と業務がセグメントされていたので、ワンストップでやりたいと思っていました。
そんな時に出会ったのが、大稲自動車のコンシェルジュドライバーだったんです。
当社では1人のコンシェルジュドライバーが、企画からアテンド、運転まで全て担当しますので、不測の事態にも柔軟に対応できますし、お客様に合わせてオリジナリティを出せます。面接のために一時帰国した時に、仕事内容や仕事の意義を聞いて「これだ!」と思ったのを覚えています。
そして去年10月に、4年の交際を経て去年7月に結婚していた台湾人の妻と共に帰国し、翌月11月に入社しました。
程よい緊張感とワクワク感がある、海外VIP対応
――杢野さんは特に、中華圏のお客様から支持を得ています。具体的な業務を教えてください。
現在の業務は、予約対応(週1~2回は海外の方の対応あり)とその準備に加え、空き時間での街中を走りながら一般のお客様をお乗せする「流し」もしています。
――具体的な予約対応のエピソードを教えてもらえますか?
【1】台湾大手企業の社長ファミリー
台湾人で知らない人はいないくらい大成功しているサービス業の社長が、ご家族で観光にお越しになった際、担当させていただきました。日中10時間ほど貸し切りでスケジュールはもともとあったのですが、福岡市内のみにしたいとリクエストがありほぼ予定通りいかなかなくて(笑)。下調べをしていたので、それをもとに付き人の方と相談しながら行く場所、順番、ルートを決めていきました。
ハラハラドキドキでしたが、最後には「中国語できるドライバーがいてくれてとても安心だった。フレキシブルな対応ができるので、本当に頼りになります」とおっしゃってくださって、嬉しかったですね。
【2】香港のご年配セレブ4名
4日間の観光旅行で、空港にお迎えにあがるところから担当させてもらいました。お客様と会ってから観光地やスケジュールを決めるというケースだったので、事前にたっぷりシュミレーションをしておいて、お客さんと直で話ながらプランニングしていきました。
福岡市内でショッピングをしたり、リクエストに応じたランチを案内したり、足が悪い方でも回れる観光スポットにお連れしました。
【3】ビジネスでお越しのVIP
佐賀県のホテル視察で来られていたお客様の案内を担当。1日のご予約だったのでそのままお別れをしたのですが、2日後の夜に「明日迎えに来て欲しい」と携帯に電話があったんです(笑)。さすがに夜だったのでビックリしましたが明朝、佐賀までお迎えに行って武雄、嬉野を経由して佐賀空港にお送りしました。
もちろん貸し切りなので安価ではありませんが、中国語が話せる安心感と対応を評価してくださっていたようで、料金を気にせず依頼くださったようでした。
思わず人に伝えたくなる、口コミの原点になる
――ちょうど入社1年が経とうとしています。最後に、今後に向けて一言お願いします。
今は1人で対応できる範囲が徐々に増えてきて、だんだん楽しくなってきたところです。
一般的なタクシードライバーの仕事だと誤認されることもあるのですが、わたしの仕事はコンシェルジュドライバーであるという意識は常にしっかり持つようにしています。単に、目的地まで運ぶのではなく、プランニング・移動中のコミュニケーション・状況に応じたプランの変更を一気通貫でできるからこそ価値が生まれる仕事なのです。
また、英語・中国語が通じるということは、お客様の安心材料になっていると感じます。誰しも、病院に行きたい、失くしものをしたので警察に行かないといけない、食べ物の好き嫌いやアレルギーを伝えたいという「もしもの場合」を少なからず心配しますもんね。
お客様も楽しかったらSNSで拡散したり、人に伝えたくなるでしょうから、どんどん福岡の評判が広まっていくと思うんです。これからも、その原点になることを目指して、仕事をしていきます!
――杢野さん、ありがとうございました!
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