日本・フィジー・中国で28年間、一貫してホテルマンとしてのキャリアを築いてきた鬼木さん。現在は元ホテルマンのキャリアを活かし、『地上の旅客輸送ファーストクラス』を目指しています。
様々な国の人と触れ合って得たことを聞いてみると、「人間はみんな同じで人に差はないという、当たり前だけど大切な考えを持てた」とのことでした。今回は、『平和と平等』をポリシーに、いくつになっても新たなチャレンジをしている鬼木さんの転職ストーリーをご紹介します!
【プロフィール】鬼木博彦(おにき・ひろひこ)
専門領域は、新規ホテルの立ち上げ・外国人対応。計28年、国内外の6つのリゾートホテル・シティーホテル・ビジネスホテルに勤務。マネージャーや支配人として、サービス開発・仕入れ・財務・従業員の福利厚生にも関与していた経験もある。2015年に大稲自動車に入社し、8ヵ月後にコンシェルジュドライバーにステップアップ。以降、インバウンド対応をメインで担っている。
趣味はバイクで、休日は仲間とツーリングに出かけることも。そしてなんと、現在は750CCの大型バイクの免許取得の真っ最中!
【大稲自動車・福岡ハイヤーサービスについて】
創業1950年、歴史ある企業でありながら、タクシー業界にイノベーションを起こし続けている。10年以上前から先駆けてプレママタクシー・こどもタクシーを開始。2016年には国内外VIP向けのツアーサービス、行政・地元企業との共同プロジェクトを手掛ける福岡ハイヤーサービスを設立。2018年8月には、国内大手も未だ実現していない米国リムジン会社との資本提携を実現。大稲自動車から福岡ハイヤーサービスへのキャリアアップ以外にも、海外勤務というキャリアルートも確立。
転職を前提としたキャリア形成。28年で3ヵ国6拠点勤務
―鬼木さんと言えばやはり、国内外のホテルで28年のキャリアがあることが印象的です。まずは、これまでのキャリアについて詳しく教えてもらえますか?
はい、まず私がどんなキャリアの積み方をしてきたのかからお話しますね。私は企業と2~5年の就労契約を交わし、転職を繰り返して給与やポジション、業務領域を向上させるというキャリア形成をしてきました。ウエスタンスタイルというのでしょうか。特に当時は、終身雇用が日本ではまだ根強かったので、珍しい働き方だったかもしれません。
キャリアのスタートは、福岡のビジネスホテルでした。ホテル業界のイロハを学んだ後に転職し、ホテルの新規立ち上げをゼロから経験。オープン後は、外国人対応の専任として働いていました。
この外国人対応の経験が海外に目を向けるきっかけになり、その後、海外へ拠点を移すことになります。新しいことへのチャレンジは好きなほうであるのと、大学在学中にある程度、英語を喋れていたので海外で働くことに迷いはありませんでした。
まずはフィジーのリゾートホテル「シェラトン・フィジーリゾート」に入社。ジャパニーズ ゲストサービス マネージャーとして、日本からお越しのお客様の接客・観光手配など幅広く対応していました。接するのは日本のお客様ですが、会議もスタッフ同士のコミュニケーションも全て英語という刺激的な環境でした。
5年間の就労契約終了後は、中国の「シェラトン・無錫ホテル&タワーズ」に立ち上げから参画。入社時、ホテルはまだ工事中でしたね(笑)。転職のきっかけは、世界中の求人募集が出ている人事の掲示板でした。行きたいと手を挙げれば、誰でも入社試験を受けられるようになっていたんです。海外での新規立ち上げは貴重な経験になりましたし、この時は就労契約の内容が特に良かったです。海外では珍しく医療保険がほぼ完備で、住居やホテルでの食事も全て無料でしたね。
2003年に帰国してからは、福岡でちょうど新規ホテルの立ち上げがあったので、支配人としてジョイン。立ち上げ後は、サービス開発・仕入れ・財務・従業員の福利厚生など経営にも携わっていました。もう1社福岡のホテルに勤めた後に、2015年に59歳で大稲自動車に入社しました。
最高級のホテル接客を、車内で提供できたら…
―転職を繰り返しながらキャリアアップしていくというのは、まさに海外らしい働き方ですね。では、ホテル業界から当社に転身した理由は何だったのですか?
元々、60歳以降は別のキャリアを歩もうと思っていたんです。ホテルの仕事を続けるつもりは全くありませんでした。28年やってきた大好きな仕事でしたが、十分にやってきたので「もう、お腹いっぱい」というやり切った感覚だったんです(笑)。ただ、英語や外国人対応の経験は活かしたかったので、ホテル以外でインバウンド対応がしたいと思っていました。
実は、専門学校のホテルビジネス科(ホテル業務全般と英会話)の教師のお誘いもいただいていたのですが、英語は好きでも学問として教えるとなるとちょっと違うなと感じたんです。文法などではないニュアンスの部分も大切にしながら直接、英語でコミュニケーションを取りたいなと。
そんな時に、当社のコンシェルジュドライバーの仕事を知ったんです。VIPやインバウンド対応に注力していることを知り、これまで培ってきたホテルの接客を車内でも提供できたら…と考えました。現在のタクシーの概念を覆し、新たな市場をつくるサービスになるのではないかとワクワクしたのを覚えています!
外国人の観光ツアー・VIP送迎など、ほぼ100%予約対応
―確かに、タクシードライバーと混同されやすいですが、ニーズやターゲットが全く違いますよね。入社直後、そしてコンシェルジュドライバーになってからの仕事内容を教えてください。
まずは2種免許の取得や研修からスタートしました。取得費用は会社に出してもらえて、この期間も給与はしっかりいただけていましたので安心でしたね。
そして、8ヵ月間はタクシー運行の基礎をつける期間として、街中でお客様をお乗せする「流し」をメインでやっていました。当社はタクシードライバーでも予約が多いことが特徴で、外国人の空港送迎などはこの頃から担当していました。
そして、外国人やVIP向けのサービスを提供する「福岡ハイヤーサービス」が2016年に設立したタイミングで転籍。コンシェルジュドライバーになりました。現在はほぼ予約対応です。予約がない時は国際クルーズターミナルに出向いて到着された世界各国の方の福岡市内観光をサポートしたり、提携しているヒルトンホテルやホテルニューオータニの玄関に待機し、外国人やVIPの送迎・観光案内をしています。いきなり、ホテルから出て来られたお客様を2泊3日の観光ツアーにお連れしたこともありますね(笑)。
最高なのは、後部座席から口笛が聞こえてくること
―海外での勤務経験、ホテルマンの経験がとても活きているのですね!仕事をする上で大切にしていることってありますか?
大切にしているのは、お客さんの言動から満足度を図ること。そして、お客さんが求めていることをキャッチし、先回りしてそっとサポートすることです。
満足度の例としては、運転しているとお客様の笑い声や会話が耳に入ってきますが、笑い声が聞こえている時はお客様が楽しんでいてサービスにも満足されている状態です。海外の方は本当に心地よく感じてくださっている時は、口笛を吹かれたりもしますね。最高級のホテル接客を車内でも提供できれば、間違いなくお客さんは心地よく感じてくださいます。そんな状態をいつも目指しています。
2つ目の例としては、喉が渇いた・トイレに行きたいという会話が聞こえたら、さりげなく「5分後にサービスエリアありますが寄られますか?」と声をかけるなど、小さな心配りの積み重ねです。その成果か、最長7泊の観光ツアーも行ったことがありますが、だいたい2日目からは打ち解けてお客さんから話しかけてくださることが多いです。
主役はお客さんであり、コンシェルジュドライバーはあくまでサポートする役割です。出しゃばらず、心地よい振る舞いをするという接客は十分に経験してきた分野なので、強みを活かせていると感じますね。
地上の旅客輸送の中で、ファーストクラスを目指して
―最後に、今後の目標を教えてください!
いつも考えているのは、「日本ならではのホスピタリティある接客を提供したい」「お客さんのニーズに素早く応え、満足度を高めていきたい」ということです。
繰り返しになりますが、最高級のホテル接客を車内で提供できたら、『地上の旅客輸送の中で、ファーストクラス』のサービスになると思うのです。キャビンアテンダントを始め、良質な接客サービスが職種として根付いているものもありますが、地上の旅客輸送においてはまだ類似のものは確立されていません。なので私たちが、コンシェルジュドライバーという職種を「良質な地上旅客輸送サービス」として根付かせていきたいと考えています。
また、東京オリンピック・ラグビーのワールドカップなど、福岡は今後さらに外国のお客さんが増えていきます。需要の大きなインバウンドサービスに面白さを感じてくれる人が増えることを願っています!
―鬼木さん、ありがとうございました!
学歴・経歴不問。あなたの強みを活かしませんか?
当社で活躍しているメンバーのバックグラウンドは実に様々。それぞれが強みを活かしつつ、ステップアップできる環境があります。少しでも気になった方、まずは一度ざっくばらんにお話しませんか?
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