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「意図を汲み、形にする」という創作の本質に向き合う日々

こんにちは!dsc採用担当です。
今回は、デジタルコンテンツ事業部で、幅広い競技の映像制作とグラフィックデザインを手がける山口さんにお話を伺いました。
国際大会に関する制作物を手がけ、スポーツ選手の姿と言葉を組み合わせた映像制作を得意とする山口さんは、入社からわずか半年で数々の印象的な作品を生み出してきました。自身の表現の幅を広げながら、新たなチャレンジを続ける創作への想いをお届けします。

1. 国際大会での制作が教えてくれたもの

―― 国際大会の制作において、さまざまな角度から見た競技や選手の様子を伝えるクリエイティブ制作をされたと伺いました。印象に残っているものはありますか?

直近で最も印象的だったのはとあるダンスの選手の撮影です。
子どもたちにダンスを教える様子を撮影させていただき、選手が持つ言葉の力に特に注目して制作を進めました。その選手は言葉の紡ぎ方や伝え方が素晴らしく、その言葉だけで教えていた子どもや日頃からファンの皆さん・視聴者を引き込む力を持っています。その言葉と、目を輝かせて踊る子どもたちの姿を組み合わせることで、より深い映像表現ができると感じました。

私の得意分野は、言葉や音楽と、その瞬間に没頭する姿を組み合わせた映像制作です。この撮影では、選手の言葉一つ一つに込められた想いや、子どもたちとの関わりの中で生まれる自然な表情、そしてそれらの要素が重なり合って初めて、感動を伝えられる作品になったと考えています。ただ、この制作を通じて、まだまだ表現の可能性があるのではないかという思いも強くなりました。

―― 大会終了後には、選手たちへの感謝を込めた画像も制作されましたね。この作品はどのような想いで作られたのでしょうか?

はい、大会後に全選手への感謝を込めた画像を制作させていただきました。この作品は、私にとって大きな転機となりました。多くの方々の目に触れる機会をいただいたのですが、それ以上に「これから生きていく上でも忘れられない」という感覚がありました。

なぜなら、この作品で初めて、制作における大切な気づきを得られたからです。一つ一つの要素に明確な意図を持たせること、そしてそれがクライアントの想いとしっかりと結びついていること。これまでの制作では漠然と感じていた「良いもの」の定義が、この作品を通じて少し見えてきたように思います。

そうして出来上がった作品が、多くの方々の目に触れ、選手たちへの感謝を伝えられる媒体となった時、初めて素直に自分の作品を褒めることができました。この経験は、私のクリエイターとしての経験値を得ることになったんです。


2. クリエイターとしてのこだわり

―― その経験を通じて、改めて見つけた自身のクリエイターとしてのこだわりについて教えてください。

私のクリエイターとしてのこだわりは、『シンプルに良いもの』を追求することです。この考え方の原点には、実は日本の伝統文化との出会いがあります。特に家紋の研究は、私の制作哲学に大きな影響を与えました。

家紋の一つ一つの線や角度には、必ず意味があり、理由があるんです。左右対称性や、全ての要素が他の要素と関係性を持つ様子を見て、大きな気づきを得ました。それまでは派手で独創的なものが良いデザインだと思い込んでいましたが、一見シンプルでも、その中に緻密な意図や理由が詰まっているものこそが、本当の意味で良いデザインなのだと気づいたんです。

この気づきは、先ほどお話した国際大会後の制作でも活かすことができました。一つ一つの要素に意味を持たせ、全体として一つのメッセージを伝える。その過程で、私は自分の中に新しい創作の可能性を見出すことができたように思います。

―― その考え方は、実際の制作プロセスにどのように活かされているのでしょうか?

実は、制作時の私には2つの側面があるんです。1つは徹底的にネガティブな思考で細部までこだわる面。もう1つは、完成後に素直に喜べる楽観的な面です。この2つのバランスが、より良い制作につながっていると感じています。

制作時のネガティブな部分は、より良いものを追求するためのエネルギーとなります。例えば、先ほどお話ししたダンスの選手の映像を編集する際も、本当にこの瞬間が選手の想いを伝えられているのか、もっと効果的な表現方法はないのかと、常に問いかけを続けました。

一方で、そのネガティブなエネルギーを前向きな形で昇華させることで、作品として形になっていく。dscの環境では、先輩方からのフィードバックを通じて、新しい視点や気づきを得られることが多く、それが制作の質を高めることにつながっています。

この経験を重ねる中で、私は次第により深い表現への欲求を感じるようになりました。特に、選手の想いや競技の魅力をより本質的に伝えられる手法について、考えを巡らせることが多くなったんです。


3. より深い表現を求めて

―― より深い表現への欲求から、これから挑戦したい分野が見えてきたそうですね。

はい、様々な作品を手掛けるdscメンバーの方々と会話して考えを知ることで、挑戦への影響を受けました。特にdscメンバーの後藤さんが手がける映像には本当に感銘を受けます。例えばBリーグ アルバルク東京のスローガンを表現した映像は映画のような質の高さで、あんな作品を作れる人間になりたいと強く感じています。
ダンスの選手の撮影を通じて、私の中でその想いはより強くなりました。選手の言葉の力、その瞬間の空気感、そして競技に対する情熱。これらを『シンプルに良いもの』という自分の軸を持ちながら、より深いレベルで表現していく。そんな映像作品を作れるようになることが、今の大きな目標です。

―― そして、そのような表現者として、どのような存在を目指していきたいですか?

将来的には、チームメンバーのアイデアや制作のきっかけを作れるような存在になりたいと考えています。特に同期の大期さんのように、新しい風を吹かせられる存在になりたい。大期さんは色へのこだわり方など、私と似た感性を持ちながらも、独自の表現を追求していて、とても刺激を受けています。

そして最終的には、スポーツの持つ力や選手たちの想いを、より多くの人々に伝えられるクリエイターになることが目標です。それは技術的なスキルだけでなく、人としての深さも必要とされる挑戦です。現在の私を支えてくれている先輩方のように、いつか私も後輩クリエイターの成長を支えられる存在になりたいと考えています。

この半年間、多くの作品に関わらせていただく中で、私は確かな手応えを感じています。それは単なる技術の向上だけでなく、クリエイターとしての軸を見つけられたことへの自信です。これからも『シンプルに良いもの』という原点を大切にしながら、より深い表現に挑戦し続けたいと思います。

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