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文化の違い

ダイレクト出版の社員に向けて書いたレターを転載しています。

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To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋


米国で1つ、これはいいと思うのが、日本との働き方の違いだ。驚くかもしれないが、アメリカ人はほとんど“残業”をしない。17時か18時、終業の時間が来たらサッサと帰ってしまう。

だからといって、彼らがサボってるわけではない。現実には彼らのほうが、われわれ日本人よりも生産性が高い。実のところ、日本人は労働生産性において、先進国では決して高いほうではない(OECD加盟国34ヵ国中、第21位)。

しかし、われわれ日本人は一生懸命、夜遅くまで働く民族である。それなのに、生産性が低い???現実的には、仕事の量なんてほとんど変わらないはず。しかし、一方は6時に帰れて、もう一方は21時、22時、23時まで残業するのも普通……。一体、何が違うのか? アメリカ人はどうやって仕事の遅れを取り戻しているのか?


答えは簡単。文化が違うのである。

つまりアメリカ人の文化では、夜は家族の時間なのだ。18時以降は家族の時間なので、それを死守するために、18時ターゲットで仕事が終わるように工夫しているんだそうだ。んで、遅れた分や仕事が終わらない分をどうカバーするかといえば、朝早く来てカバーするらしい。朝1時間前、2時間前に出社して、そこでガリガリやって、遅れた分を取り戻すと。つまり、われわれは夜にズラし、彼らは朝にズラしている。それだけの違いだったのだ。


しかし、これって重要だと思うのは、ぼくらは夜遅くまで仕事するから、デッドラインが決まってない状態なんだよね。彼らは18時というデッドラインが決まっている。デッドラインが決まってる状態と決まってない状態では、どっちが生産性が高いかといえば、デッドがあるほうが圧倒的に高い。

午後って、時間が無限にあるように感じるじゃない? それが、あと2時間とかになったら、集中力も上がって、どんどん仕事を処理できるのよ。われわれ日本人が18時から21時まで3時間残業するのと、彼らが8時に出社して1時間早く仕事をするのとでは、時間的には「夜の3時間」のほうが長いけれど、内容は間違いなく「朝の1時間」のほうが質が高い。さらには、帰る時間が決まっていれば、常に「あと3時間」「あと2時間」という気持ちがあるから、午後の生産性も間違いなく上がる。


実際、ぼくも夜に用事があって17時に帰らなきゃいけないなんてときは、生産性はめちゃめちゃ上がる。昼飯後、あと3時間ちょいしかないと思って、必死でやる。すると、結果的にいつもより短時間で、多くのタスクを終わらせることができる。

一方、残業すればいいと思っていると、ダラダラダラダラ中途半端に仕事をすることになる。
これは、われわれ日本人が彼らから見習うべき(数少ない)ことの1つじゃないか。


ちなみにアメリカ人にとって、夜は家族の時間だから、たとえば会社で19時から飲み会(むこうではパーティ)などがあると、当然のごとく夫婦で来るらしい。日本人の場合だと、仕事が終わってからも会社の飲み会みたいなのがあって、23時に家に帰ったら家族はみんな寝てる……みたいな。

なので、アメリカ人は仕事にストレスを抱えている人が比較的少なく、日本人と比べて自殺率も低いそうだ(ま、いい加減な性格だからな……というのもある)。


ウチは会社として「家族を大切にしなさいよ」って言ってるくらいだから、こういうのを見習っていったほうがいいのかもなぁと思った。

夜を家族の時間として、もっと家族とプライベートな時間を増やしたら幸せになると思うんだよね、みんな。

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