ダイレクト出版の社員に向けて書いたレターを転載しています。
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To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋
日々の時間を本当に意義あるものにしたいなら、毎日、日誌(ジャーナル)をつけることをオススメする。日誌とは毎日の自分の振り返りのこと。今日よくできたこと、ダメだったこと、自分の仕事に対する考え、仮説、検証、反省、分析などなど、要するに自分で自分をコーチするような感じ。
これを毎日繰り返すと、必ず思考力が上がる(経験済み)。
ぼくはこの習慣をもうかれこれ7年くらいは続けているが、過去の日誌はぼくの思考の繰り返しで、それはぼくの宝物になっている。
人が成長するもっとも早い手段は、フィードバックを細かく受けることだ。ゴルフのスイングの練習をしているときに、1回振るたびにフィードバックを受けて調整を繰り返すと、あっという間に上達するのと同じ。それを毎日、自分自身にやるのが日誌だ。毎日、自分の1日に自分でフィードバックする。そうすることで、改善サイクルがより早く回るようになる。
「なぜこの取り組みは成功したのか」
「なぜこの取り組みは失敗したのか」
そういったことを毎日考えて記録すれば、必ずあなたの実力を鍛えてくれる。
「ビジネスガイド」の後半はノートになっているが、これは日誌をつけるために用意したノートだ。
おそらく誰もが、頭の中ではそういうことを考えているはずだが、頭の中で考えるだけでは十分ではない。十分どころか、むしろ不十分……。
頭というのは、そんなに頼りになるものではないのだ。
明晰に考えるとは、頭の中でモヤモヤすることではなく、紙に書き出すことを言う。
その証拠に、3日前の晩飯に何を食べたか思い出せるだろうか? 結構考えないと思い出せないんじゃないだろうか。そんなもんなのだ。しかし3日前の晩には、これが食べたい、あれが食べたいと考えて、実際に食べて、美味しいと感じていたわけだ。3日前の晩飯でそれだから、半年前、1年前に自分がやった施策がどんなんだったかなんて、覚えてるはずがない。
なので、日誌をつけてみてほしい。そうすれば、知識や経験がしっかりと蓄積する。そしてより深い思考、より高い仮説を持ち、より早く成長できる。
ぼく自身、日誌をつけた週と、疲れていたりして日誌をつけ忘れた週では、その週の充実度というか、進歩の具合がまったく違うように感じる。日誌をつけると、その日のことを振り返り、明日に活かそうとするので、とても毎日が充実してくるのだ。これは言葉で言うよりも、実際にやって感じてみないと分からないかもしれない。
たとえば1年後でも、「今年もあっという間に終わっちゃったなぁ」と思うよりも、「今年はこんなこともやった、あんなこともできた」と、自分の成長を実感することができる。
日誌と日々の計画。これはあなたの成長を加速するツールである。