ダイレクト出版の社員に向けて書いたレターを転載しています。
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To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋
あるメンバーと話していたときのこと。まだ入社したばかりの彼女は、自分の担当する仕事がよくわかってないから、このままやれば会社や部門に損失を出してしまうんじゃないか、ということを心配して
いた。
答え ― 心配ご無用(笑)。
まず、これから仕事を習得しようという人に、失敗したら危機的な状況になるような仕事を任せることはない。ご安心を。
もしそうだとしたら、それは上司であるマネージャーの過失であって、あなたの過失ではない。たいていは失敗しても大丈夫な範囲で仕事をしてもらって、スキルを習得してもらうという形になっている。
大切なのは「失敗」を早く経験することだ。
誰かが言っていたが、成長するために必要なのは、「Focus, Fail Fast」だと。つまり、フォーカスして、その分野で早く失敗すること、たくさん失敗することこそが、学習への最短距離だということだ。これは脳の学習プロセスとマッチしている。
たとえば、スキーを学ぶときに、「ボーゲンに絞り」(Focus)、「たくさん転ぶ」(Fail Fast)ということをすれば、ボーゲンを早くマスターできる。ところが、ボーゲンも練習し、他の滑り方も練習し、果てはスノボまで練習し……とやっていたら、いつまでたってもボーゲンはできないままだ。
ウチの事業のやり方では、すべては「テストマーケティング」と考える。なので、そもそも「失敗」という考え方自体がない。あるのは「実験結果」だけ。
「失敗」とは主に主観的な思い込みで、どこからどこまでが失敗で、どこからどこまでが成功かというユニバーサルな基準などはない。本人が失敗だと思うから失敗、成功だと思うから成功なだけなのだ。
事業やあなたの成長において大切なのは、「実験結果」をたくさん集めること。そして、改善を繰り返すこと。
「実験結果」は、ハードな事実だ。それがたくさんあったほうが、「事実を基に判断」できて、より良い決定ができる。「実験結果」が少なければ、ほとんど勘で、「エイや!」とやるしかない。長い目で見て、どちらが正しいのかは言うまでもないだろう。
「実験結果」の獲得を恐れる必要はない。たとえそれが自分の期待した結果と違っていたとしても、必ずあなたの役に立つ。会社としても、そのような実験をたくさんできるように考えている。
なので、どーぞご自由に、失敗して、実験してください♪