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【永田 和宏|歌人/宮中歌会始選者/JT生命誌研究館館長】
株式会社curioswitchがWEBの記事や映像コンテンツなどの制作を担当している、NPO法人七五。
ここでは、NPO法人七五の活動についてもご紹介します。
七五会員様向けの特別企画として、文化の継承や創造に関わる方々と理事長・近衞忠大との対談「語らひ人」をスタートいたしました。「語らひ人」のトークから、会員の皆さまのお仕事やプライベートにおいて、何らかの気づきやヒントを見出して頂けましたら幸甚です。
第3回目の今回は、宮中歌会始(以後、歌会始)や朝日歌壇の選者を務める歌人・永田和宏先生をお招きしました。実は、NPO法人七五・近衞理事長も、講師( ※1)として関わる歌会始。対談の日は令和5年歌会始前日でした。白熱したお二人の和歌談義をお楽しみください。
※1 講師(こうじ)は、節を付けずに全句を読む役。歌会始は、この他にも、司会役の読司(どくじ)、第一句から節をつけて詠じる発声、第二句以下を発声に合わせて詠じる講頌(こうしょう)などの諸役が進行する。
目次
1.選者のお仕事
2.若者による和歌
3.和歌と現代短歌
4.歌会始の意義
5.耳で聴く短歌
6.歌との出会い
7.科学者と歌人の両立
8.海外で気づいた伝統の大切さ
9.天皇陛下と和歌
10.次世代に繋ぐ
11.現代短歌に対する希望と危機意識
12.和歌をユネスコ無形文化遺産に
13.残っていることの意味
14.日本語の美しさ
選者のお仕事
近衞:改めて今日はよろしくお願いします。始めに、永田先生と歌会始のご縁についてお聞かせください。
永田:歌会始に関わり始めてから、今年で20年になります。ある日、岡野弘彦さんからお声が掛かって。その時のメンバーは岡井隆さん、安永蕗子さん、島田修二さん。一番若い岡井さんと島田さんは昭和3年生まれで、僕より19歳上です。なんで自分がこんなところに紛れ込むんだと思いましたけどね(笑)。ただ、岡野さんは本当に色々お世話になった方でもあって、尊敬できる歌人でもあるんで、お引き受けすることにしたんです。
近衞:選者として参列された最初の歌会始が平成16年(2004年)ということは、前年の9月には3万首ほど集まるわけですよね。それに全部目を通すのはさすがに難しいですよね?
永田:それが、全部目を通すんです(笑)。毛筆で書かれた短歌を宮内庁が全て活字にして、それを我々に送って来ます。一度に3,000首ずつ見て丸を付けて送り返す。何回かに分かれて来たものをそれぞれの選者が送り返して、500〜1,000首になって。それをまた全員に戻して、今度その中から最終20首くらいに丸を付けて送り返すと。そうすると大体、全体で100首余り残るので、最後は選者全員が宮内庁に集まって選びます。
近衞:なるほど。じゃあ正味何ヶ月くらい......。9月の終わりくらいに締め切りですよね。
永田:そうですね。ただもっと早くから集まるので、7月くらいから始まります。
近衞:毎年半年くらいにわたって......。恐れ入ります。
永田:でも、今では朝日歌壇の選者もしていて、そちらが毎週約2,500首あります。多分歌壇の中で一番たくさん歌を見ていると思っていて。年間20数万首くらいですかね。
近衞:20数万首。それはすごい量ですね。
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