1
/
5

<CEO Talk> なんで起業したの?「情熱をアイデアに、アイデアを形に」 前編

堀川の話に頻繁に入ってくるワードに「魔法みたいな体験」というものがある。彼はどうして「魔法を作りたい・アトラクションを作りたい」と思ったのか。そのことについて、話してみた。

CEO 堀川 隆弘
東京大学理学部数学科卒。大手SIer・モバイルコンテンツ会社勤務を経て2012年に渡米。aeria games, 米Yahooでモバイルアプリ開発に従事し、帰国後にcuriosityを創業。シリコンバレーの技術者NPO団体、JTPA共同代表も務める。2008年に個人で開発・公開した携帯シミュレーターFireMobileSimulatorは、日本全国のモバイルサービス会社で広く使用される。ロボット、アプリ、web、画像処理、機械学習、ハードウェアなど幅広い分野に精通している。
https://www.wantedly.com/users/12352

ひとまず「創業前」って何していたんでしたっけ?

ずっとエンジニアしてました。どこまでさかのぼればいいかなぁ。
WEB、ソーシャルゲーム、App、とか、ソフトウェアエンジニアとして担当できる範囲の仕事にはほとんど関わっていて、それらソフトウェアの仕事ももちろん全力で取り組んではいたんだけれど、いっぽうでリアルに動くものへの憧れというか、リアルなものって楽しいなというのがあって、
余暇のプロジェクトで、空中に絵を描いたり、裸眼で空中像が見られるデバイスを開発したり、
かめはめ波出せるようなやつとかを開発していたんだよね。

そんな感じで、いろいろ作っている中で、ロボットもチームで作って、Google主催のカンファレンスに出品したりしていました。やってみて、ロボット作るのも結構面白くて。こういうのもそのうちやってみたいな、と頭の片隅に思ってはいたんですよね。
その後、いろいろあってシリコンバレーから帰ってきて、別の会社作ったりやめたり、日本で1年くらいフラフラしていて、割と暇な時間もあって、それでまたロボットづくりのプロジェクトを、はじめたんですよ。

なるほど。私の印象なんですけど、堀川さんっていわゆる「ロボットの人」ではないのかなと思っていたのですが、 ロボットがつくりたい!っていう感じだったんですか?堀川さんの趣味的な開発って、空中映像や裸眼VRのデバイスとか、俗にいうインタラクティブ系(?)が多いイメージがあって。

おお、まあ、確かに。個人で作っている作品は割と、「ITを使ったすごいもの」を作りたいと思っていて、空中を指差ししたら絵が描けるやつとか、ジェスチャーしたら絵をかけるやつとか、なんかそういう、俺個人で完結できるものを実験したいと思っているんだよね。
他の人が入っても特にやることないというか、「俺ひとりでなんとかなるプロジェクト」を個人作ではやりたいんだけど、ロボットは、造形や電子工作、設計、とかめちゃめちゃやることが多くて、そういうのは仲間とやりたいって思ってるんだよね。
もともとロボットを最初につくったきっかけは、GoogleのAndroidが出た時に、Androidと繋いで簡単に電子工作ができるよ、みたいなキットをGoogleが出してたんですよ。
それをみて、あれ、これ使えばモーター回してなんか物理的なものを動かすとかも簡単にできるじゃんって思ってやりはじめて。
それまでは、俺ソフトウェアしかさわってないし、モーターを動かすとかはめちゃくちゃ難しい世界っていうか、遠い世界だったんですよ。
でまあ、そのGoogleのADKっていう技術なんだけど、ちょうどそれを使ったプロジェクト募集みたいなやつが開催されるっていうから、出てみようってなったんです。

あ!それがオフィスに転がってるドロイドくん!そういえば、あれはどんな機能がついてたんですか?

あれは「自分だけの友達」っていうテーマで作ったやつなんだよね。
当時仕事ではAndroidのAppとかも開発してたし、なんか、自分が使っているAndroidの中の情報を読み込んでくれて、賢くなるAIを持った「Android Robot」がいいかなあって思って、めちゃくちゃかしこくなるAIを搭載するっていうもくろみをはじめて。


じゃああのドロイドくんは、めちゃ賢くなるはずだった?(※現在は破損していて動かない)

・・・の予定だったんだよね。
端末の中にはいろんな情報があるから。例えば、どんな音楽が好きだとか、どんな趣味があるとか、誰と頻繁に連絡をとるか、とか、そういう情報をロボットが学習して、「俺だけの友達」みたいなのが作れたらいいなあと。
までも、なかなか難しかったんだよね当時。文書を学習するとかは、もちろん今みたいにはできないし、そこまでのことは難しいから、「音楽をかけて」っていうと、勝手に端末の中から選んで曲をかけてくれるみたいな感じになったんだけど。
あ、あと、電話帳に写真が登録してあれば、その顔を勝手に認識してくれて「さとう」っていう人の顔と名前が登録してあれば、実際に さとうさんにあった時に「さとうさん、こんにちは」って言ってくれるみたいな。[ ※ 当時の説明サイト ]

え!スマートスピーカー!? AWSハッカソンもそうだけど、
割とちょっと先めのことやってますよね。早すぎるというか。それいつの話ですか?

2010年か11年くらいかなぁ、結構前だよね。

なんで それやめちゃったんすか?

まあ、やめちゃったっていうか。やめちゃったっていう意識は特に、あんまりないんだけど、とりあずプロトタイプ作れたし、展示会に出展して。満足した、みたいな。
もちろん商品化までこぎつけるのは難しいっていうのもあったと思うんだけど。当時別に起業しようとか思ってなかったのが原因かもなぁ? 新しい物つくって、発表できれば満足って感じ。

えー、もったいないなぁ。じゃあ起業しようと思ったのっていつ頃からですか? AWSハッカソンの時には「あわよくば会社にすんぜ」っていう感じをうけたけど。

うーん、なんか、そうだな、アメリカで色々自分でもの作って動画をあげたりとかしてたんだけど、なんか、作りたいものを世に出せてないみたいな焦燥感が溜まっていたっていうのはあるかも。

それは、趣味開発してる人ってシリコンバレーだと起業する人が多いからっていうのはあるんですか?

それはまあ、どうなんだろうな。あんま関係ないかもしれない。
それよりは、こんな面白い技術が沢山でてきて、面白いものが作れそうなのに、なんで世に出てないんだろうって思ってて。こんなに道具が揃っていて、自分でもちょこちょこ作ってはいたんだけど、全部プロトタイプどまりになってたから、これはなんか、ちゃんとやりたいなと思って。
当時、誕生日か年始、どっちか忘れちゃったけど区切りに、目標を立てたんですよ。

「情熱をアイデアに、アイデアを形に」っていう言葉なんだけど。

なんか、もやもやしている作りたいものを、はっきりと言語化して、それを形にしたいなって思い始めたのが、起業するきっかけかもしれないなあ。



(後半へつづく)
curiosity, Inc.'s job postings
4 Likes
4 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Acari Neco's Story
Let Acari Neco's company know you're interested in their content