今回のインタビューは、弊社の創業初期からインターンとして治療アプリの開発に携わっていただいている、医学部生の高 彬良さんにお話を伺いました。
どうして医学部に進んだのか、そして忙しい学生生活の中でもキュア・アップにジョインしたのかをお聞きしました。
医学部に進学しようと思ったきっかけは?
生い立ちが関係しているのかな、と思います。生まれる前「羊水過少症」と診断されていて、「この子は腎臓がないかもしれない」と親は言われていたんです。実際は腎臓はちゃんとあったので大丈夫でしたが、そういう生い立ちを聞いていて漠然と医療に、学部では医学部に興味があったので目指すようになりました。あとは、中学の時に膝を怪我していて病院に行く機会が多かったんです。診察以外にもリハビリなどで医師と接する機会が多く、そういうところで医師という職業に親しみと憧れを抱いていたことも理由の1つです。
キュア・アップに入ったきっかけは?
スイスのWHOの本部に行った際、そこで佐竹さん(弊社CEO)の同期の方にご紹介いただいで、初めて佐竹さんとお会いしたんです。そうしたら、“テクノロジー・アプリを使って、病院にいない、医師が診れない患者さんにも、医療として必要なサポートを提供したい”という発想を持っていて、すごい面白そう!と思ったんですよね。
その時ちょうど、エボラがパンデミックのときだったんですが、途上国でもみんな携帯は持っているのに、正確な情報にアクセスできない・正しい情報が伝わらないというディスカッションをしていたんですよね。だから例えば、携帯などを通じて医療として正確な情報を送ったりできれば、そのパンデミックに対しても混乱をコントロールできたんじゃないかな、ということはWHOにいたときに思っていました。
それから実は佐竹さんと僕は、小中高が一緒なんです。同じ小学校、中学校、高校出身っていう縁もあって、医学部生から臨床医という道以外に広がる、新しい医療の世界に関わって見たいと思いました。
高さんの仕事内容は?
第1弾の「治療アプリ」である禁煙治療アプリの「中身」を作っています。医学的な標準手順や、どういう風に治療をしていきますという方針を示した書籍・書類はたくさんあるのですが、非常に専門的で理解や実践が難しい部分が多くあります。
それを患者さんに分かりやすく、必要な時に必要な情報を届けるために、アプリという媒体の特性を最大限活かしたアプローチを考えています。
仕事をしていて感じることは?
医学生って一番中途半端な立場だと思うんですよね。医者でもないけれどなんかちょっとだけ医療の知識がある。でもだからこそ、医者の言う専門的な部分を “普通の人の目線から”見やすいと思うんです。このプロジェクトに関わっていなければ、将来そのまま医師として医療を提供する側にいたと思いますが、今この仕事をしていて医療を提供する立場と提供される立場から感じるこの感覚をアプリの開発に活かせたらと思っています。
高さんから見たキュア・アップの雰囲気は?
キュア・アップの雰囲気はとてもいいと思います。多分みんな聞かれたら同じことを言うと思うんですが、エンジニアや薬事臨床開発、デザイナー、医師、看護師など多くの職種が一緒に働いている環境で、お互いを理解し合おうとする土台が自然とあるんですよ。“わからないこと”や、“その観点からみてどうなの?“っていうことがとても聞きやすい環境なんじゃないかなと思います。あとは一人ひとり穏やかな雰囲気を持って話しているけれどそれぞれの専門性も高く、一言で言うと仕事ができるんですよね。お互いのバックグラウンドに無い暗黙知を聞いて、理解を深めようとする意識がとても強く、仕事に対しては情熱を持ち、理想とするところから現実への落としどころを探っていけるような土壌があるっていうのが成長にも繋がるし、一番の理想ですよね。
あとは、やりたいことがあればガツガツ言える環境だと思います。
キュア・アップ創業時と今の違いは?
“でかくなったな”という印象ですね。大きくなったことで“色んなことができるようになってきたかな”と思います。それがやっぱり、アプリという新しい形でも医療に真面目に3年も取り組んできた成果なんだろうなと思います。
会社の人だけじゃなくて、会社の外の人も巻き込みながら色んなことができるようになってきたなっていうふうに思います。可能性もどんどん広がっているので、これからが楽しみですね。
仕事で大変だったことや初めて体験したことは?
エンジニアの方との会話ですね。何言ってるかわからないんですよ、ほんとに。何かを作ってほしいからエンジニアさんにお願いしようとするじゃないですか。そのお願いの仕方がわからないんですよ。つまり、共通言語がないんですよね。例えば、医者と話すんだったら、自分が医学の知識が足りていないだけだから勉強すればいいんですが、プログラマーの人たちに医学用語で説明しても結局理想的なものは出来上がらないので、具体的に言語化して相手に伝えるのが難しかったですね。プログラミングの知識がなかったので基本情報技術者というシステムエンジニアの資格を取得したのですが、その勉強も大変でしたね。
卒業後の進路は?
佐竹さんと同じく、MPH(公衆衛生学修士)という公衆衛生の修士を取りたいなと思っています。デジタルヘルスの分野で医療をビジネスの側面から攻めていきたいなと思うようになりました。
MPHの修得はキュア・アップに入ってから思い始めたのですか?
そうですね。元々はWHOとかに興味があり、WHOでのインターンも面白そうだな…なんて思っていたのですが、 ガイドラインの作成など文章ベースで、実際の現場からは少し距離を感じていました。“現場に近いところでやりたいな”、“もっと新しいアプローチから生まれる可能性があるのではないかな”というモヤモヤが、キュア・アップでのプロジェクトに関わることでビジネスサイドからも医療現場で実際に使用するものを作り出せることがわかり、面白さにはまってしまいましたね。今は“現場で実際に何かをする”というのが面白いと思っています。
趣味や学生生活でおこなってきたことは?
海外に行くのが結構好きで、バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアとかタイとか台湾とか好きで行きました。他にも、『TABLE FOR TWO』という学生団体に所属していました。例えば100円で売っている水に+20円を頂いて販売し、その20円分を途上国の小学校の給食費用に充てるという仕組みです。様々な大学の学食などにも取り入れられているので色々なところにお世話になりましたし、プロジェクトに関わっている学生の学部も様々でした。フィリピンなどの支援先に行ってホームステイ視察をしたり、企画を立てて寄付を募ったり。貴重な経験でした。
これからの医療について思うことは?
僕らが今やってることは、医療をよりきめ細かく「個別化」してることになると思っています。時間的にも場所的にも、今までそこまで細やかにフォローできなかったことを可能にできるようになってきていると思います。
今後は様々なテクノロジーが医療を提供する中で活用されていって、いまある時間的・距離的な制約がどんどん解消されていくと思うんですよね。かつ、社会全体としても高齢化が進み、人工構造が変わり、求められる医療が刻々と変化していく。そんな中で「アプリケーションで医療を提供する」ということは、今まで介入できなかった部分・不十分だった部分に対する一つの方法論を提示できるかもしれない、という意味で大きな意味を持つと考えています。それに、僕らの世代は変革点に居て、一番面白い世代なんじゃないかと。倫理的な問題やデータの扱い方などまだまだクリアする必要がある課題は沢山あるけれど、変化の緒をつかむことが出来る、最高の瞬間に居ると僕は思っています。
これからインターンをする学生に一言
“病院の外で活躍している医学部出身の人がいっぱいいる”のだと知ることができるとても良い機会だと思うんですよね。医学部ってすごく均質的ですが、外に目を向けてみると医師の知識を生かして違うことをしている人っていっぱいいるんですよね。それを知ることができただけでもいい機会だったと思います。
あとは “これからの医療業界に何が入っていくのか”を見られるのは一番いい部分じゃないかなと思っています。その他にも、キュア・アップは、テストや実習などの予定を相談しながら進められるのも魅力の1つです!最後にはやっぱり、勉強を頑張ってください! (笑)ですね。
今回は医学部生として日々忙しく学業に励みながら、キュア・アップ創業時から開発に関わって頂いている高さんにお話をお聞きしました。
医学部生だからこそわかる医師と患者様の気持ちが開発にも活かされ、さらに医学以外のプログラミングについても学ぶ意欲と環境が今後の高さんの可能性を益々広げていると思うと、将来がとても楽しみなインターン生の1人です。
キュア・アップは医学部生のインターン、学生インターンも多く積極的にプロジェクトに関わっています。また、社内でもインターン同士の集まりがあるなど学生ならではのコミュニティ活動なども積極的にとっているそうです。
キュア・アップでインターンをしてみたいと興味のある方は、是非一度オフィスにいらしてください。
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