僕(榊巻)が所属するケンブリッジは、毎年「働きがいのある会社」でBestカンパニーに選ばれている。
正式名称は、働きがいのある会社ランキング~Great Place To Work(GPTW)。毎年2~3位だったのだけど、今年は少し落ちた...。
実は、少し前からそこで知り合った会社5社と一緒に勉強会をやっていた。
SAPコンカー、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ、gCストーリー、freee、マルケト、の5社だ(あいうえお順で記述)。
「働きがいのある会社ランキング」中規模・小規模部門で上位に位置している5社だ。集まったのは本当にたまたまで、知り合いがいるとか、GPTWの会場で声を掛けたとか、企業間で取引があったとか。
この5社での勉強会に「QOWLクオール(Quality of Work Laboratory)」と名前を付けて、ワイワイ議論している。日本語にすると「働きがい研」という感じだろうか。
このQOWL勉強会は全7回で、各社の働きがいに関する取り組みや、会社として大事にしていることなどをざっくばらんに紹介し合う取り組みだった。
働きがいに関して、各社でやっていることを共有しながら、自由にディスカッションを重ねていく。各社のオフィスに実際にお邪魔して、その会社の雰囲気も含めて感じていくのだが、その中で極めて興味深い事実がわかったのだ。
色々議論をしていくと、各社独自の施策や取り組みは山のようにあり、一つとして同じ仕組みは無いということが見えてきた。要するにバラバラなのである。
(やっぱり「働きがい」の考え方は人によって違うしな...やることも変わるよね)なんて思っていたが、回を重ね、よくよく観察してみると共通項が見えてきた。
一見バラバラに見える各社の取り組みや施策は、どうも「4つの状態を作り出すためにやっている」という点で共通している事がわかってきたのである。
各社が共通して大事にしていた4つの状態
他社の状況など全く気にせずに取り組んできたはずなのに、気付いたら各社とも同じ「4つの状態」を大事にしていた。というわけ。その4つがこれである。
- 経営理念が伝播・共感された状態を保つ
- カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と言う環境を保つ
- インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ
- 社員のやりたい!を推奨しサポートする環境を維持する
偶然にしては出来すぎだと思ったし、この事実がわかった時はちょっと鳥肌が立った。
(あ...、同じじゃないか...)とビビッときた。
また、「そのための手段が、個社毎に異なる」というのも、僕としてはとてもしっくりきた。
例えば、gCストーリーが採用して効果が上がっている施策でも、「それはケンブリッジだとうまくいかないだろうな...」というモノも沢山あった。強引にそのまま取り入れたら、むしろ、働きがいが低下する可能性すらあると思える。
結局の所、「働きがいを高める4つの状態」を実現するために、「自分たちに合った施策」を選択しているということだ。
他社の猿真似をしても、働きがいは向上しない
最終的に目指す状態は同じだが、他社がやっていることを単に真似てもダメ。あえて極端に言うと、フリーアドレス、在宅勤務、時短勤務、など「よくある取り組み」であったとしても、会社の状況によっては働きがいが悪化する可能性もゼロではないと思う。
フリーアドレスにすることで、インターナルコミュニケーションが悪くなるかもしれない。フリーアドレスにすることで、カルチャーの浸透に悪影響があるかもしれない。
結局の所、「うちの会社がフリーアドレスを導入すると、働きがいを高める4つの状態を作るのにどう寄与するのか?」を徹底的に考えないとダメなのではないだろうか。
「4つの状態」を実現するための「手段(施策)」は、それぞれの会社の規模や、ビジネス形態、カルチャーによって、実に様々になるはずだ。
言い換えると「4つの状態」を意識して、自分たちにあった打ち手をひねり出せれば、自然と働きがいが高まっていくのではないかと思う(検証したわけでないので、少ないサンプルでの仮説だが)。
4つの状態を作り出すために、独自の打ち手を
つまり、こういうことだ。
- 「4つの状態」を作り出すことが、働きがいを高める秘訣である。
- 「4つの状態」を作り出すための打ち手は、自社にあった独自のものを採用する。
あくまで仮説だが、かなり有力な仮説である気がしている。(あくまで榊巻個人の私見なので、受け取り方はお任せする)
次回以降、本ブログで「働きがいを高める4つの状態」がなぜ大事なのか、その状態を目指して各社でどんな取り組みをしているのかを書き残していきたい。
同じ状態を目指していてもやり方は色々ある、という事がわかるだろうし、自社に合いそうな取り組みも見つけやすくなるだろう。
基本的にはQOWL活動の備忘録という位置付けだが、読んでくれた方にとって自社の働きがいについて考える機会になったら嬉しい。