未経験ITエンジニアの履歴書・経歴書は何がOK?何がNG?採用担当が見るポイント! | 株式会社シーエスコミュニケーション
前回の記事では「未経験ITエンジニアの募集要項のチェックポイント」についてお伝えしました。今回は、企業に応募する際の履歴書や職務経歴書についてお話しします。近年、Webエントリーのみで履歴書や職...
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前回は、履歴書を書くときのポイントについて採用担当者の目線からお話しました。
今回は、いよいよ面接でのポイントについて取り上げます。
IT業界未経験者を採用する場合、面接官はどこをチェックしているのか? これを事前に知っておけば、適切な対策を立てることが可能です。
さらに、事前対策をしっかり行うことで、必要以上に緊張せず、本来の自分のポテンシャルを十分に発揮できるでしょう。
これらのポイントは、ITエンジニアに限らず、未経験の業界に挑戦する際にも共通しています。ぜひ、この機会に確認して、面接に備えてください。
ぶっちゃけた話、会社として目の前の利益だけを考えれば、未経験エンジニアよりも経験者を採用して即戦力として活躍してもらいたいというのが企業の本音です。
しかし、現在の市場では経験者の採用が難しい状況もあり、企業は未経験者でも積極的に採用し、エンジニアとして育成しながら成長を期待することで、長期的な利益を見込んでいるのです。
つまり、企業は未経験者の中でも将来的に成長し、仕事で活躍できる可能性が高い人物に入社してもらいたいと考えているということです。
では、どんな人物が成長し活躍する可能性が高いと感じるのでしょうか?
もちろん様々な要素がありますが、企業が特に重視するのは、例えば次のようなポイントです。
・一般常識
・素直さ
・コミュニケーション力
・責任感
・学習意欲
未経験者といっても、業務経験がないだけでITの勉強をして知識やスキルを身につけている人もいれば、全くITについて無知な人もいます。
しかし、どちらにしても上記の要素は面接で重要なチェックポイントとなります。
これらの要素は、一つの質問だけで明確にわかるものではなく、面接の中で話をしながら総合的に判断されます。
同じ答えであっても、人によって違う印象を受けることがあるため、企業はその人の言動や態度、全体のコミュニケーションを通して評価しています。
では、未経験エンジニア採用の面接で、面接官がどのようなポイントを見ているのか、要素ごとに掘り下げてみましょう。
●一般常識
「一般常識」という言葉の定義は曖昧ですが、最低限TPOに合わせた言動ができるかを確認します。
例えば、面接に遅刻する、時間ギリギリに到着する、または早すぎるなど、時間管理ができているかどうかは、常識を測る一つのポイントです。
これはオンライン面接でも同様です。どうしても遅刻しそうな場合、連絡なく遅れてしまうと、その人の人間性が疑われます。
また、服装や身だしなみも重要な要素です。面接という場にふさわしい格好をしているか、TPOを意識できているかを見ています。
現在では、インターネットで面接時の服装やマナーに関する情報が簡単に得られるので、それを参考にすれば対策はしやすいはずです。
そんな便利な環境がある時代なのにもかかわらず、「自分が見られている」という意識がない場合、常識に欠けていると判断されてしまうでしょう。
「ありのままの自分」を受け入れてくれるのは、親しい家族や恋人といった親密な人たちです。面接の場では、その考えは通用しません。
●素直さ
新入社員を企業の型にはめて育てるべきではないと私は考えています。言われた通りに動くのではなく、自分の考えを持って行動できるようになってほしいからです。
とはいえ、組織で働く以上、一定のルールや方針に従う必要がありますし、それは育成においても同じです。
にもかかわらず、自分が常に正しいと考え、他者の意見や助言を聞かない、あるいは自分の欠点や失敗を認めない態度は、成長やコミュニケーションを妨げます。
会社では一人で完結する仕事はほとんどなく、必ず他者との協力が必要です。そのためには、自分が未熟であることを理解し、謙虚さを持って先輩や上司の意見を受け入れる素直さが必要です。
面接において、面接官に反発したり、自己主張が強すぎたりする場合、素直に人の話を聞けないタイプだと感じられてしまいます。
加えて、自分をよく見せようと誇大な発言をするケースもありますが、これもマイナス印象を与えかねません。
●コミュニケーション力
「コミュニケーション力」は「素直さ」にも近い部分がありますが、IT業界でも協調性が求められるため、非常に重要な要素です。
ただし、誤解してほしくないのは、コミュニケーション力とはおしゃべりが上手な能力ということではありません。プライベートのコミュニケーションと、仕事におけるコミュニケーションには若干違いがあります。
仕事においては、「相手の話を聞き、それに応える力」の方が重要です。
何か質問された場合、まずその質問に対して適切に回答することが大切です。
例えば「昨日の晩御飯は何を食べましたか」と聞かれたときに、「友達と遊んでいて帰りが遅くなって……」と答えてしまっては、「何を食べたか」という質問に対しての答えが返ってきていません。
プライベートな場では問題ないかもしれませんが、仕事では自分が伝えたいことではなく、相手が求めている情報を的確に伝えることが求められます。
独りよがりなコミュニケーションではなく、相手の目線に立った言動が、良好なコミュニケーションに繋がります。
●責任感
仕事や与えられたタスクに対して、自分ごとと捉え、責任を持ってやり遂げられるかどうかは、非常に大事な部分です。
「誰かがやってくれるだろう」と思ったり、「できなくてもどうにかなる」と考えるようでは、周囲からの信頼を得ることはできません。
さらに、そうした態度はチームに悪影響を与え、自己成長も阻害してしまいます。
失敗やうまくいかなかった理由を他人や環境のせいにする人は、他責的だと判断されてしまうことがあります。
自分の課題をどのように受け止め、どのように行動したかで、その人の責任感がわかるのです。
●成長意欲
どれだけ優れた講師がいても、学ぼうとしない人を育成することはできません。
ITエンジニアも、ただIT企業に入社すれば自動的に技術や知識が身につくわけではありません。新人研修があっても、自ら学ぼうとする意欲が必要です。
成長しようとする意思があるかどうかで、その人の成長スピードは大きく異なります。
面接でIT技術の学習状況や資格について質問するのは、その人の成長意欲や学習意欲を知りたいからです。
また、ITエンジニアになりたい理由や、興味を持ったきっかけを聞くことで、さらに深く成長意欲を確認します。
技術職である以上、自ら成長する意欲がないと判断されてしまうと、人手不足の企業であっても採用される可能性は限りなく低くなります。
当たり前ですが、責任感があるか知りたい人に対して「あなたは責任感がありますか?」なんて聞き方はしません。
その方の自己紹介、前職までの経歴、ITへの関心、プライベートについてなど様々な話をするなかで総合的に判断します。
時に「どうして面接でそんなことを聞くのだろう?」と疑問を持つような質問が面接官からあったとしても、その返答内容や態度などで求職者の人となりをみており、決して無駄な質問ではないと考えています。
面接の前から、選考はすでに始まっていることを知っておいてください。面接のための連絡のやりとりを始めた時点から選考は始まっています。
例えば面接の希望を伝えるメールに、挨拶文もなく日程と時間だけが箇条書きで送られてきたら「この人は常識を知らないのかな」と感じられてしまいます。
採用活動をしていると意外といます。そういう人。
確かに、日程調整が目的なのであれば、希望の日程と時間だけを伝える方が合理的かもしれません。
しかし、社会的な一般常識やマナーを考えると、挨拶のないメールは不自然ですし、もしそれがわからないのであれば、その点から教育しなければならないということになります。企業にとって、これは大きなデメリットです。
特に未経験者採用の場合、その人の人間性が自社と合うかどうかが採用の大きなポイントです。最終的に「この人と一緒に仕事をしていけそうだな」と思えるかどうかが、重要な判断材料になります。
就職活動を初めて行う方は、この話を聞いてハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、最初から完璧を求めているわけではありません。
「相手の目線に立って考える」ことは簡単ではないかもしれませんが、意識し続ければ少しずつでもこの姿勢が身につくでしょう。
逆に言ってしまえば、そういったことの重要性を理解できない人や理解する気がない人を自社に採用しないことも、採用担当に求められる仕事だと私は思います。
今回は採用担当が見るポイントとして、私の主観も含めてお伝えしてきました。
ぜひ未経験ITエンジニアとして面接を受ける際には参考にしていただければと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。