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バーコード不要!最速0.2秒で画像識別ができる「AIレジ・Truly」のエッジコンピューティングってどんな技術?

シーエスコミュニケーションは、2023年10月に幕張メッセで開催された「第4回AI・人工知能EXPO」にて、「AIレジ・Truly」のデモ機を公開しました。EXPO当日は、「AIレジ・Truly」についてWebページやプレスリリースで事前に知ってブースに訪れた事業者様やメディアも多く、終了後も多くのお問い合わせをいただいています。今回はIT初心者や学生さんにもわかるように「AIレジ・Truly」についてご説明させていただきます。

■「AIレジ・Truly」はここが違う!他のレジとの比較

多くの製品はバーコードが添付されており、それを読み取ることによって製造元や商品情報が特定され、金額と結び付けられてお会計へ進むことができます。ご存知の通り、既に一般的に普及している技術ですが、商品やパッケージに必ずバーコードを記載する必要があります。そのため、物によってはデザインを阻害したり、食品など本体に直接付けられないような商品も存在します。

近年の大手衣料品販売店では、カゴに商品を入れて指定の場所に置くだけで、お会計に進める事ができるレジが導入されています。そちらはRFIDという技術を使っており、商品タグに商品情報を登録した小さなICチップを埋め込み、レジで電波を使って読み取ることによって商品を判断します。

便利な技術ですが、RFIDのチップ自体の値段が1つ2~5円ほどかかるうえに、RFIDをタグに取り付けたり、そのタグを商品に取り付ける手間や人件費がかかってしまいます。大きな企業であれば生産ラインに組み込むことはたいした問題ではないかもしれませんが、小規模な事業者にとっては大きなコストがかかり簡単に導入できないという課題があるため、あまり普及していません。

今回私たちが公開した「AIレジ・Truly」は、カメラが撮影した映像をAIが画像解析し、学習した情報から商品を判別することができるという仕組みになっています。つまり、人が野菜を見て「この形と色はナスだ!こっちはキャベツだ!」と知識に基づいて判断するのと同じように、AIがカメラで捉えた物体を判断をしているというわけです。AIに商品を学習させるという行程が必要となりますが、AIが商品自体を見て判断するので、バーコードやRFIDを取り付ける必要がありません。そのため「人手不足なんだけど既存の無人レジが高額すぎて導入できない」と悩む小さな小売店や、バーコードが添付できないようなイベントグッズ、食料・飲料などを取り扱う店舗での活用が期待されます。


■AI✕エッジコンピューティングが生み出すメリット

この「AIレジ・Truly」にはエッジコンピューティングという技術を利用しています。エッジコンピューティングとは、簡単に言えば情報をクラウドに上げて処理をせずに、端末に近いネットワーク内の環境で処理する手法です。それにより従来のAIレジと比べて下記のようなメリットがあります。

1.低コスト

高額な新しいAIカメラを購入する必要はありません。例えば既存の設置カメラや、市販のネットワークカメラを「AI実装」できるため、低コストで導入・運用が可能です。「AIレジ・Truly」の場合、市販のWebカメラと画像処理のための小型のモジュール、レジ用のタブレットのみでカメラの「AI実装」を実現することができます。

2.高速度

クラウドに映像データをアップロードしAI処理を行うには、重たいデータのやりとりが必要となります。ネットワーク技術の進化により通信の時間は改善されてきていますが、タイムラグが発生したり、通信環境が悪いと接続ができません。エッジコンピューティングを使えば商品を撮影するカメラと同じネットワーク内でAI処理を行うため、環境にもよりますが、最短0.2秒ほどで物体の認識を行うことができます。

3.強セキュリティ

クラウドへの映像アップロードが必要なく、個人情報などの情報の送信も最低限で済むため、セキュリティ上の強化にもつながります。。画像処理はエッジ側で行って、必要な数字や情報だけを後でインターネットを介してクラウドに連携させるという事もできます。

精度についても人が見てわかるものは基本的に問題なく判別できます。「AIレジ・Truly」は商品の色、形状、大きさ、質感など、あらゆる因子を組み合わせて画像認識をおこなっています。複数の因子を組み合わせて分析することで、高い精度で物体を認識することが可能となります。今までの検証では、醤油ラーメンと塩ラーメンを見分けたり、牛・豚・鶏のひき肉を分別することができました。


■「AIレジ・Truly」の今後と私たちが目指す未来

現在、4月の製品リリースに向けて、プロジェクトチームが全力で開発に取り組んでいる状態です。まだ詳しくは言えませんが、既にとある環境で実証実験を行っており、「AIレジ・Truly」を利用したお客様からのフィードバックを開発に生かしていくことになります。

またAIレジだけでなく、エッジコンピューティングとAIカメラをかけあわせることで、物流や製造業での物体検知、人流解析や在庫管理など、様々な用途で活用することができます。お客様や現場のニーズを元に、新しい課題解決の手法としてこの技術を広めていきたいと考えています。

一部の限られた企業だけAI導入が進んだとしても、それは社会がAIによって発展したとは言えません。全ての企業や人がAIの恩恵を受けることができる状態こそ、「真のAI社会」だと呼べるのではないでしょうか。「AIレジ・Truly」はそんな「真(True)」の価値を届けたいという想いを込め命名されました。

シーエスコミュニケーションは、すべての人がAIの恩恵を受けられる社会を目指し、「AIレジ・Truly」を始めとした「AI実装」に関わる事業をこれからも展開していきます。

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