マネジメントは「役割」。CTO・VPoE・VPoPが3頭分立する、Gunosyのエンジニア組織
〜マネジメントを分離し、組織を立て直す!「ミドルマネジメントの擁立」「1on1の導入」「現場の小さな意思決定」...
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部門という表現がいいのかわかりませんが、メンバーの数が50人を超えてきて、プロダクト・チームやエンジニア・チームの人数がどんどん増え、全社や小さなチームのマネジメントに加えて、社内で大きなチームのマネジメントを行う必要がある方も増えてきていると思います。
その中で、個人的に(まだ自社で採択したことの無い仕組みもありますが)参考にしている部門マネジメントの仕組みを3つ、こちらでご紹介します!
クラウドクレジットですでに、グノシーさんのエンジニア・チームでとられたという仕組みを参考にして、プロダクト・チームで導入したのがこの仕組みです。
CXOは全体的な方向性を示す、突発的なリスクの高い事象への対策本部長を務める、新しい方向性を決めるためのリサーチを主導する、などに専念して、VP1人が部門の人のマネジメントを行いもう1人が本業そのもののテクニカルな部分のヘッドになる、というものです。
クラウドクレジットではプロダクト・チームであるファンド運営チーム(ファンド組成、(融資後の)投資管理、(市場分析、計数管理を行う)運用の3部署から成ります)でCIO(Chief Investment Officer)は私が務めていますが、私がCEOも務めていることもありもう日々の運営をみることはできないためまさに上記のCXOの役割に専念して、VP of Investmentのメンバーがファンド運営を行う3部署にまたがってチーム・マネジメントを行ってくれています。
(どういう分野でもそういうものかもしれませんが)金融は分野ごとに必要とされるバックグラウンドがかなり異なるため、クラウドクレジットの場合は本業そのもののテクニカルな部分を全部統括するVPはおいておらず、3部署の部長3人がその役割にあたるというかたちにしています。
2つめの仕組みは、CXO+本部長+部長という、縦に3人前後のマネジメントが並ぶというものです。
旗艦ファンド「ひふみ投信」をはじめとして9000億円を超えるお金の運用を行っていらっしゃるレオス・キャピタルワークスさんは、社長兼CIO(Chief Investment Officer)、取締役運用本部長、運用部長の3人がマネジメントとして縦一線に並んでいらっしゃいます。
(運用会社における運用部は、事業会社におけるプロダクト・チームに当たります。)
この仕組みの意味をご本人にお聞きしたことがあるわけではないのですが、刻々と価格が変動する金融市場に向き合われる中で、交通事故に遭おうとも一瞬たりともヘッドに連絡がつかないという状況はあり得ないので、この人に連絡がつかない時はこの人がトップとなって意思決定を行う、という意味があるのかなと思います。
プロダクトが命なのはどの会社でも変わらないと思うので、金融市場と向き合っていなくても、こういった3人前後のマネジメントが縦一線に並んでの仕組みがワークするケースもそこそこあるのではないかと思っています。
(クラウドクレジットでは、2019年2月現在はこの仕組みは未採用です。)
3つ目の仕組みは、あるCXOポジションに2人いるというものです。
マネーフォワードさんがこの仕組みを採用されており、CFOポジションに取締役執行役員Co-CFO、執行役員Co-CFOの2人の方がいらっしゃいます。
これもご本人にお聞きしたことがあるわけではないのですが、業容の拡大に伴い、特定の分野でCXOクラスのマネジメント力を発揮する方が社内に2人いて、2人の得意分野を分担しながらのマネジメント、ということかと思います。
(クラウドクレジットでは、2019年2月現在はこの仕組みは未採用です。)
サッカーでよく「選手ありきか、フォーメーションありきか」という論争があります。あくまでサポーターの間で勝手に議論しているだけなので、プロサッカーをされているご本人たちの間では別の論理があるかもしれませんが、おもしろい論点です。
個人的には、まだ人数が1000人いるわけではないベンチャー企業では、まだまだ1人の優秀なメンバーが企業価値に与える影響は多大だと思っており、あくまで部門マネジメントの仕組みも仕組みありきではなく、その部門を一番うまくマネジメントをできる人たちが実力を発揮できる座組みを選択するのがよいのかなと思っています!