先日、コパイロツトがオンボーディングの一環で渡す「会社本」について紹介しました。「会社としてありたい姿を伝え、共通言語をつくる」という目的のもとで行っている取り組みですが、実際に「会社本」を読んだメンバーは、どんなことを感じているのでしょうか?
2022年4月に入社し情報発信チームに加わった山田東子さんに、「会社本」という取り組みの感想を聞いてみました。
「会社本」で働き方のギャップを埋める
―― 当時5冊だった「会社本」については、内定後に入社手続きを進めるなかで知らされたかと思います。初めて聞いたときは、どう感じましたか?
山田:「考えていることや目指すものを、本で共有してくれる会社があるんだ!」と驚きましたね。前職は大学の研究機関で広報をしており、そのときも先生方に取材をする事前準備として研究関連の本を読んでいたので、本を読むこと自体には全く抵抗がありませんでした。
「会社本」は、入社後1ヶ月を目安としてスライドに感想をまとめ、社内に共有するまでがセットになっています。「それまでに5冊読めるかな?」とは少し思いましたが(笑)、多少読みきれなくても大丈夫と伝えられていたので、少しずつ読み進めていきました。
―― 実際に読んでみて、いかがでしたか?
山田:「こんな仕事の進め方、したことがない」と思う内容がたくさんありました。もちろん、アジャイルやティールなどの考え方は情報として知っていましたが、これまでの職場で実践されていたかというと、必ずしもそう言い切れない部分があります。前職での働き方とギャップがあるのではと不安を感じていたからこそ、読めてよかったと思います。
「会社本」として選ばれている本は、抽象的な概念や理論の説明だけでなく、わかりやすい図や具体例も載っているものがほとんど。ある考えを実践しようとしたときにどんなことが起こりうるのか、ケーススタディも多く挙げられており、どれも理解を助け、実践で役立つ本だと感じました。
ただ、私の場合は異業種からの転職だったので、IT企業など近い業界から転職したメンバーはどんな感想を持つのか気になり、「会社本」の印象を聞いてみました。「初めて得る知識もあったし、コパイロツトの文化を理解する入り口になった」と言っていましたよ。
―― 特に印象に残った本はありますか?
山田:『みんなではじめるデザイン批評』です。成果物をよくするための質の高い意見の出し方などが書かれています。広告制作会社での勤務経験もあるのですが、デザインに対するコメントの仕方を体系的に学ぶ機会ってなかったんですよね。この本でよくないとされていることを自分がやってきたと知り、衝撃でした(笑)。
読了後も、仕事でコメントを入れる際に「まだ身になってないな」と感じることがあって。読んで実際にやってみて、失敗して、またやって……という、試行錯誤を重ねて身につけていくスキルだと実感しています。
コパイロツトには、小さく試せる土壌がある
―― 仕事をするなかで、「会社本」が生きた場面はありましたか?
山田:コパイロツトならではのミーティングを活用した仕事の進め方を理解するのには、『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』が役立ちました。入社後は、メンターとの毎日15分のスタンドアップミーティングなど、前職では行われていなかった形式のミーティングに複数参加することになったんです。「もしかして、今読んでいる『会社本』よりこれを先に読むべきかも」と急いでこの本を開いたら、そのとき自分が参加しているミーティングの役割や仕組みをより理解できました。
また、『シェアド・リーダーシップ』の「分化と統合」など、「会社本」に出てくる言葉や考え方は普段のミーティングでも使われているんですよね。異業種から転職した私にとっての「会社本」は、仕事でよく使う用語や考え方を身につける機会にもなりました。
コパイロツトでは、新たな概念に触れる機会も多いので、インプットの習慣は大切だと思います。
―― 「会社本」に取り組んでみて、コパイロツトという会社の印象に変化があれば教えてください。
山田:募集記事にある通り、「ティールやホラクラシーといった組織論を参照しながら、フラットな組織を目指して」いることをあらためて感じました。たとえば、ある社内制度を改善しようとするときに「『ティール組織』の助言プロセスを参考にしてほしい」といったコメントが出ていたんですよ(※)。
「目指す」と言っても、現実は具体的なアクションに至らないことってあると思うんです。でもコパイロツトでは、「会社本」にある有効な手法やメンバーがシェアする知見を取り入れて、どんどん試してみようとするんですよね。そういった小さな実践の土壌が、本からのインプットや業務を進めるなかでの学びを通じて、できているのかなと思いました。
入社後には全メンバーとオンラインで1on1ミーティングをしましたが、そこでも本を読んだり学んだりすることに貪欲なメンバーが多い印象を受けましたね。会社としても、さまざまな制度で学ぶことを支援していますし。募集記事に「書籍からインプットすることが好き」とありますが、それはまさにコパイロツトの1つの特徴なのではないかと思います。
(※『ティール組織』は、かつて全員に配布された「会社本」。現在も『[イラスト解説]ティール組織』が「会社本」となっています)
おわりに
コパイロツトとして目指すものや、知っておいてほしいことを伝える「会社本」。山田さんのお話からは、その運用目的はおおよそ達成できており、オンボーディングの1つとしても適切に機能していると考えられそうです。今後もよりよい形を探りながら、「会社本」を運用していきます。
「会社本」のラインナップや背景については、こちらの記事をご覧ください。
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