経営戦略研究所 株式会社は、医療業界ではかなり知られたコンサルティング会社です。
歯科医院に特化してコンサルティングを提供しており、医院の業績向上だけではなく、院長やスタッフ、患者さん全員を幸せにすることを目指しています。会社としての最大の特徴は、売上目標もノルマもないこと。求められるのは、クライアントの成果を出すことだけです。
今回は、代表取締役の岩渕達正に、どのような思いで医療コンサルティングの道に進んだのか、これからどのようなコンサルティング会社になっていきたいのかを聞きました。
いくつもの壁を突破し、医療コンサルティングのメソッドを確立
――まずは、歯科に特化したコンサルティングを始めた経緯から教えてください。
前職は大手コンサルティング会社だったのですが、そこで医療コンサルティングを始めることになりました。と言っても、当時の医療業界にはコンサルティングを依頼することはタブーという風潮がまだ色濃く残っていたので、会社としても医療は前例のない試みでした。なので、まずは私が1人で挑戦することになったのです。医療分野の中でも数の多い、歯科から取り組むことにしました。
最初は本当に手探りで……。というのも、医療のコンサルティングは、一般企業でのセオリーが全く通じないんですよ。
例えば、一般企業では定番手法である、顧客を10名ほど集めてヒアリングするモニター会や競合店調査などは全く意味がなく、チラシを作るにしても、医療広告規制を配慮した内容にする必要がありひと苦労。その上、何万部も刷ってポスティングしたのに、近所の他院からクレームが来るばかりで肝心の患者さんが全然来ない……なんてこともありました。
まさに八方塞がりで、途方にくれたこともあったのですが、ある時、一般企業にはない“良さ”に気付いたんです。
――一般企業になくて、歯科医院にある“良さ”とは、何なのでしょうか?
それは、大都市は別ですけど、ほとんどの医院が“街の小さな歯医者さん”だということ。
歯科医院は、院長とスタッフ数人で回しているところがほとんど。一般企業は100人以上という規模がザラですから、そう考えると、人数がこれだけ少ないというだけで組織を変えることがかなり容易だというのは想像つきますよね。
だって、院長が「明日からこれをやります」って言ったら、即日変わるんですよ。つまり、トライアンドエラーがしやすいということです。
前職で歯科医院のコンサルティングを始めて2年くらい経ったころには、トライアンドエラーによる経験値と知識が十分に蓄積されて、独自のメソッドを確立できました。
クライアントの成果を追求し、全ての関係者を幸せに導く
――前職にいながらでも医療コンサルティングはできたと思うのですが、なぜ岩渕さんは独立したのでしょうか?
前職では、クライアントの成果を出すことよりも会社として売上を上げることの方が重視されていました。上司から問われるのは、「今月の売上は?」「その取り組みは会社の利益になるの?」ということばかり。
でも、こうやったら成果が出たとか、逆にこれはダメだったとか、そういう情報こそ上司に報告して、みんなで共有するのがコンサルタントのあるべき姿なんじゃないかっていう違和感をずっと抱えていたんです。
そのうちに、「クライアントの成果に集中して、焦点を当てたコンサルティングがしたい」という思いが強くなって前職を離れました。その時からコンサルティングへの想いは変わっていませんし、だからこそ当社には売り上げ目標もノルマもありません。社員一同「より良い歯科医院を一緒につくっていく」というスタンスで、日々コンサルティングに取り組んでいます。
――「より良い歯科医院を一緒につくっていく」コンサルティングをする上で、大切にしていることは何ですか?
その歯科医院にとって、1番幸せな状態をつくることですね。業績が上がって忙しくなる=幸せではないですから。
例えば、1日30人だった患者さんが45人になった場合。何の対策もしていないと、院長をはじめスタッフは忙しくてイライラ、患者さんは待合室で待たされてイライラ、挙げ句の果てには診察を断られる……なんてことになりかねません。そうならないためには、スタッフを増やしたり、スタッフの技術とモチベーションを上げたり、院内環境を整える必要があります。
つまり、本当に大切なのは業績を上げたあと。
患者を集めるというマーケティングも重要ですが、その後の現役スタッフの状態チェックや新規採用、育成、定着といったマネジメントができていないと医院は成長できません。けど、そういったマネジメントが苦手な院長も多いので、その部分を私たちがフォローしていく必要があります。
医院の業績を上げるだけでなく、院長はもちろん、働く全てのスタッフと患者さんの幸せを追求してクライアントの成果を上げることが、私たちコンサルタントの本来の役目なのです。
1人立ちを急がない。独自の育成スキームで、説得力のあるコンサルタントへ
――次に、どのようにコンサルタントを育成しているかを教えてください。
はい、最初の半年間は一切実務はせずに、独自のカリキュラムに沿ってひたすら勉強してもらっています。ちなみにこのカリキュラムは、私自ら各社員のスケジュールに合わせて組んでいます。
ベースは、私が講師を務めるオリジナルのDVDを観てもらって、週に1度その内容からテストを受けてもらうというもの。そこに、課題図書やお勧めのDVDに対する感想文の提出、社外セミナーに参加、先輩コンサルタントに同行、先輩からの直接レクチャーなどを組み込んでいきます。
また、10日間にわたる歯科医院での現場研修もありますね。朝礼から参加して、患者さんの案内や歯科衛生士のアシストなどを現場スタッフと一緒におこなうことで、歯科医院のリアルな姿を知ってもらうのです。
DVDを観るだけ、私からのレクチャーを受けるだけだと机上の空論になってしまいます。現場のことをきちんと知った上でコンサルティングするためには、実際に経験してもらうことがすごく大事です。なので、コンサルタントデビューする前に必ず行ってもらっています。
――コンサルタントデビューまでに半年くらいかかりますよね。
そうですね。当社では、入社後少しでも早く1人立ちほしいとか、売上を上げてほしいとかは一切思っていないんです。それよりも多少時間がかかってもいいから、クライアントのパートナーとして、信頼されるコンサルタントになってほしいと思っています。
正直、ここまでやるコンサルティング会社はほかにないでしょう。ですが、ここまでやらないと、クライアントの成果を出して、スタッフと患者さんみんなを幸せにできるコンサルタントは育たないんです。
コンサルタントは経営に直接的に関わります。そうであるからには、説得力がないといけません。説得力のある言葉は、知識と経験を積み上げることで生まれます。この半年間のカリキュラムは、医療コンサルタントとしての説得力を身に付けるためのものなんです。
こうして育ったコンサルタントは医院から信頼され、時にはサプライズで誕生日を祝ってもらうなんてこともあるんですよ。クライアントを幸せにできている証ですね。
全ての人が幸せになれる未来のために、できることを増やしたい
――売上という数字での目標はないと思いますが、今後の展望や目指している未来といった意味では、何か目標はありますか?
何かあった時にクライアントに迷惑をかけないため、それから社員がやりたいことをできるようにするために、人数を増やしていきたいですね。具体的には、「コンサルタント20人体制」を実現したいです。
一般的に、人数を増やしたい、規模を大きくしたいと言うと、売上や会社の規模拡大、あるいは上場を目指しているのかと思われるかもしれませんが、それは違います。あくまで、ある程度規模がないと実現できない未来があるから、人数を増やしたいのです。
2019年2月現在、当社には14名のコンサルタントが在籍しています 。この人数だと、新しいことを始めたくてもそこに割く余力がないんですよ。せっかく社員が育ってきて、彼らならやれることがもっとあるのに、させてあげられないのがもどかしいと思うことも出てきました。
――新しいことというと、例えば何でしょうか?
私たちは現状、歯科専門の医療コンサルティング会社ですが、今後はほかの医療分野にも進出していきたいと考えています。実際、当社が開催しているセミナーには耳鼻科や心療内科の院長先生が参加してくださることが増えており、そのニーズに対する実感は日ごとに増すばかりです。
また、歯科分野でもまだ介入できていない領域があります。それは訪問診療と技術指導。今後のことを考えると絶対にカバーしていきたい領域です。
となると、やはり人数が必要ですが、絶対にコンサルティングの質は落としたくありません。いまの質を維持したままでやれることを増やし、社員全員がここで働いていることに誇りを持てるようにしたいと思っています。
その先にあるのは、社員とクライアント、そしてその先にいる人たち全員が幸せになれる未来だと信じています。そんな未来の実現に向けて、これからも走り続けていきます。
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