――アグリアワード2025の一日
2026年5月31日。AGRIE主催の全社表彰式「アグリアワード2025」が、東京駅近くのホールで開催されました。
医療法人AGRIEが設立されて11年目。社員全員が一つの会場に集まるのは、今回が初めて。会場には、スーツやドレスに身を包んだ総勢130名近くの参加者が、各地から続々と集まりました。
集まったのは、AGRIEを動かす人たち
在宅医療を軸に、医療や介護の事業を展開するAGRIE。
医療の会社の表彰式、と聞くと、患者様と直接向き合う職種が中心になる場を想像するかもしれません。ですがこの日集まったのは、各拠点で働く医療職だけではありませんでした。
相談員、介護職、総務、営業など、さまざまな立場から日々の仕事を支える人たち。そして、一年をともに歩んできたパートナー企業の方々にも参加していただきました。
普段はそれぞれの拠点や部署で働いているため、名前は知っていても、直接顔を合わせる機会は多くありません。この日は同じ会場に集まり、仲間の仕事に耳を傾ける貴重な時間となりました。
入社直後に任されたのは、イベントを動かす仕事
アグリアワードの準備期間は、約2か月。進行台本の作成、同時配信の中継準備、ケータリングの手配、動画やノベルティの制作、当日の演出。営業マーケティング部のメンバーが中心となり、企画と運営を進めてきました。
その運営メンバーの一人が、新入社員・ジェイクさん。台本を書き、配信の準備をし、当日の段取りを詰める。動画もノベルティも演出も、全てをより良いものにするためにこだわり続けていました。「参加してよかったと思ってほしい。AGRIEで働いていてよかったと感じてほしい。」その一心で2カ月間を駆け抜けました。
そして迎えた当日。会場のドアが開き、各地から仲間たちが入ってくる。その光景を見たとき、言葉にし難い感情が込み上げたといいます。「みんなが頑張れる場所をつくるために、自分も頑張ってきた」と。
いつか、あのステージへ
当日の表彰は、10部門13賞。
新規個人宅の獲得実績をもとに選ばれる「Best New Residence」
患者数の純増を称える「Best Growth」
看取りの実績に光を当てる「Be with Life」
医師一人あたりの患者数を評価する「Best Protect Clinic」「Best Protect Doctor」
最優秀院長を称える「Best Medical Director」
これからのAGRIEを担う若手の挑戦を称える「Best Newcomer」
さらに、社員から寄せられたエピソードをもとに選ぶ「彩りエピソード部門」では、理事長賞、彩り賞、アグリ賞が贈られました。数字で示される成果も、患者様と向き合ってきた時間も、若手社員の挑戦も、日頃の仕事への姿勢も。同じ会場で、一つひとつ名前が呼ばれていきます。
その中で、若手に贈られる「Best Newcomer」を受賞したのは、入社3年目の今井さん。2023年に新卒で入社し、半年後には事業所のマネージャーを任されました。現在は2つの拠点を兼務しています。
名前を呼ばれて壇上に立つ今井さんへ、会場から拍手が送られます。新卒で入り、任され、応え続けた3年間が、この一つの賞に重なって見えました。任せる会社と、それに応える若手。その関係のつくり方が、壇上の姿に表れていました。
会場がひときわ沸いた瞬間
賞の発表が進む中、拍手の音がひときわ大きくなった瞬間がありました。最もホスピタリティを持って仕事に向き合った個人へ贈られる「Best Hospitality」と、全社の仕事を足元から支えてきた人に贈られる「緋鯉賞」、別名「黒子賞」の発表です。
緋鯉賞を受賞したのは、総務部の保坂さん。新規開業に伴う細かい作業、物件や営業車、備品の管理。相談員が患者様とのやり取りに集中できるのも、マネージャーが拠点の運営を進められるのも、その環境を全社的に整える人がいるからです。名前が呼ばれた瞬間、会場にいたメンバーから自然と大きな拍手が送られました。保坂さんたちの仕事に日々助けられていることを、みんなが知っていたのだと思います。
受賞後、保坂さんはこう話していました。「神田オフィスの代表として受け取らせていただきました」
「神田オフィスの代表として」という言葉。
自分だけの成果として受け取るのではなく、同じ場所で働く仲間の存在も一緒に壇上へ連れていく。7年間続けてきた仕事への向き合い方が、その一言に表れていました。
表彰は、伊藤理事長から一人ひとりに手渡されます。受賞理由の紹介では、「依頼を受けたら即日で動く横須賀」「常勤医一人あたりで、より多くの患者を診てきた川越」と、拠点ごとに、どのように動き、誰がどんな仕事をしてきたのかを添えていました。
社員は130名近く、拠点は全国に広がります。それだけの規模でありながら、伊藤理事長は一人ひとりの仕事を語っていました。長く働いてきた人には創業期の頃の話までさかのぼり、時にやわらかい冗談も交えながら。数字だけでなく、そこに至るまでの積み重ねまで見ている。その一言一言の言葉のあたたかさに触れて、AGRIEという組織の信頼がどこから生まれているのかが少し分かった気がしました。
「彩り」という言葉の、はじまり
AGRIEが大切にしている「彩り」。患者様一人ひとりの人生にも同じものはなく、だからこそ決められた枠で進めるのではなく、その人が過ごしたい時間や、迎えたい最期に、医療の形を合わせていく。どこで生活したいのか、誰とどんな毎日を送りたいのか。その答えの数だけ、医療の形がある。そんな「彩りのある医療」の実現を進めています。
また、その彩りある医療が患者様のもとに届くまでにも、多くの仕事が関わっています。診療を行う人。日々の相談を受ける人。拠点を運営する人。車両や備品を整える人。働く人たちをつなぎ、組織全体を支える人。一つでも欠けると、医療は患者様のもとまで届きません。それぞれの仕事がつながって、はじめて一人ひとりの生活を支える体制が実現します。
だからこそ、お互いの仕事を称え合う時間が良いものになったのだと思います。拍手を受けた人が、また次の日の仕事へ向かう。拍手を送った人も、自分の仕事をもう一度頑張ろうと思える。アグリアワードは、そんな時間になりました。
入社したばかりの社員にも、当日の運営という大きな役割を託す。任せる側にも、引き受ける側にも、簡単なことではなかったはずです。それでも実際に役割を渡し、最後までやり切る機会をつくる。患者様一人ひとりに合わせて医療をつくるように、働く人一人ひとりの力も信じて託していく。同じ会場に集まった130名近くの一人ひとりが、それぞれの色で、AGRIEを彩っていました。
彩りは、一人じゃ生まれない。第一回アグリアワードは、その言葉の意味を改めて教えてくれました。
取材後記
表彰式の後には、参加者全員が加わる懇親会が開かれました。壇上で名前を呼ばれていた人も、各拠点から参加した人も、パートナー企業の方も、同じテーブルを囲んで言葉を交わしていました。
普段は離れた場所で働く仲間たちと、肩を並べて話す。仕事中とは少し違う表情で笑い合う姿を見ていると、日々の連携は、こうした人と人との関係の積み重ねから生まれているのだと、あらためて気づかされました。
医療や介護の仕事には、言葉だけでは語りきれない難しさがあります。それでも、目の前の人に正面から向き合おうとする真剣さと、仲間の仕事を称え、笑い合う明るさが、伝わってきました。
誰か一人の成果として終わらせず、その仕事を支えた人たちにも目を向ける。簡単ではない仕事だからこそ、互いの働きをきちんと見て、言葉にして伝える。アグリアワード2025を通して、AGRIEという会社が大切にしているものを、改めて実感する一日でした。