今年は新卒採用を行ってはいませんが、2018年~2021年まで4年間、バケモノは毎年新卒採用を行っていました。
2年目、3年目となるにつれて採用活動に慣れてくるかと思いきや、毎年少しずつ採用フローをマイナーチェンジしていっているため土壇場でバタバタしてしまったり、コロナが到来して急遽会社説明会・面接のスタイルを変えざるを得なかったり……。
新卒採用を行っていた4年間、毎年3月~7月頃は慌ただしく過ごしていた記憶です。
そんなバケモノの初めての新卒採用時の超バタバタ裏話を、元採用担当のC.Aこと私が振り返りたいと思います。
■はじまり
始まりは多分2017年の秋頃だったと思います。
バケモノにマイナビさんから「新卒採用しませんか」のお電話が来て、採用云々の話題というよりも、電話相手が新人であることに興味を持ったうちの社長はその話を聞くことにしました。
それまでにハローワークで求人を出していたことはあったのですが(バケモノでは2017年初春にハローワークで求人を出したのが採用活動としては初めてで、私はそのタイミングでアルバイトとして入社した)、新卒採用は初めてです。
とりあえずものは試しということで面白がった社長は、天から地まで幅広くある採用プランの中から一番低いプラン(検索しても一番最後にヒットする)で新卒採用を行ってみることに。
マイナビ担当者のYさんも「年間100人エントリーがあれば良い方だと思う」とおっしゃっていて、「じゃあ、いっちょのんびりやってみますか!」と始めたのが最初です。
新卒採用サイトを作り、マイナビに載せる企業情報を埋めて、2018年4月。さあはじまりです。
■年間100人だって?嘘だろ?
バケモノへのエントリーが解禁されて数日で、はや数人ほどエントリーがありました。
その頃は1人2人のエントリーで一喜一憂していて、新卒採用開始と共に採用窓口に就任した私(翌年から採用担当に昇格)は数日おきにYさんと電話をして「今日●人エントリーありました!」「やりましたね!」っていうやりとりを行っていました。
2018年度、当初予定していた採用フローは以下のような感じでした。
①エントリー → 1対1での会社説明会
②1次面接
③2次面接
④最終面接+適性検査
もしこの記事を2019年度以降にバケモノを受けてくださった方が見ていたら驚くかもしれませんが、当初は説明会希望してくれた学生1人1人とやりとりを行い、社内のMTGスペースで学生と社長との1対1の会社説明会(という名の面談)を行っていたのです。
そして話を聞いて良いなと思ってもらえたらその場で履歴書を出してもらって、そして履歴書を出してくれた学生全員に対して1次面接を行っていました。
エントリー数は少ないだろうと思い込んでいたため、そもそも書類選考なんて設けていなかったんです。
が、ここらで思わぬ事態に気付き始めました。
なんか……、エントリー数、多くない……?
日を増すにつれて徐々に増えていくエントリー数に、私と社長はザワザワし始めます。
「これ、全員に対して1対1の説明会できるんかな?土曜日もやったほうがいい?」
「土曜日やっても追いつかなくないか……?」
そして1ヶ月ちょっと経った頃にはエントリー数が100目前になり、1対1での会社説明会は、4対1での会社説明会にスタイル変更することとなりました。
私「年間100人来たらいい方だって……Yさん言ってたじゃないですかぁ……」
Yさん「私も、すごくびっくりしてます……」
しかし、まだ事態は終わっていませんでした。
新卒採用初期の採用フローとその後の採用フローはどう違うの?と疑問に思った方。
以下2つを見比べてみると分かるかと思います……。
2018年時の採用フロー(採用までの流れ の段落)
2020年時の採用フロー
■加速するエントリー数、集団説明会へ
バケモノにエントリーしてくれた学生に対して「すみません!説明会の仕様を変更します!」と謝罪のメールを一斉送信したのもつかの間、4対1でも対応しきれなくなってきたため、貸し会議室を借りて5月30日に数十人相手に説明会を開くことにしました。
急遽会場を借りたり、直前まで参加者名簿を作ったり、近所のスーパーから水を手配したり、色々とバタバタしましたが、何とか説明会は無事終了。
提出してもらった履歴書、数十枚。一度にこんなに多くの履歴書が手元にやってくるのは初めてです。
これまでは履歴書を出してもらった人全員に対して面接をしていましたが、この集団説明会を行う上でもうそれは無理だと判断・告知し、ここでようやく書類選考が採用フローに入ってくるのでした。
そして、この説明会でもって募集受付は終了。残すは面接のみです。
説明会(1対1、4対1スタイル)に来てくれた学生に対してお茶を出していた時の紙コップ。
紙コップ1つ1つに違うバケタンの絵を手描きしたもの。
私が勝手にやり始めたことだが、この頃のTwitterを遡ってみると計75個描いていたことが判明。
よくやったな…私……。
集団説明会ではこれを振る舞うのはさすがに無理なため、スーパーで水を箱買いして学生に配りました。
■実は裏で並行していた面接
残すは面接のみ、と言いましたが、実は1対1、4対1の説明会を随時行っている裏で面接も進んでいたのでした……。
「1次面接の面接官は皆にもやってもらうな」
の社長の宣言通り、社長だけでなく、私やN.Tさんなども1次面接の面接官をやりました。
初めてこのセリフを聞いた時はバケモノスタッフ一同「!?!?」でした。
とはいえ、バケモノの採用スタイルは
・面接で質問する項目リストは事前に学生に共有する
・当日はその質問リストに沿って質問する
を、新卒採用初年から貫き通していたため、
「面接で何を聞いたらいいんだろう……」ということはなく、全員が全員に対して平等に同じ質問をすることが容易でり、そこまで問題ではありませんでした。
(初めての時はめちゃくちゃ緊張しましたが……)
面接は1人あたり1時間ほど時間を掛けていたのですが、スタッフも面接ばかりできるわけではなく、通常の仕事もこなさないといけません。
その日は誰が時間が空いてていけそうか、毎日相談し合いながら交代交代で面接官をやり、誰かが面接官をしてくれている間に自分の仕事をし、更に説明会の準備をし……と忙しい日々でした。
1人で面接を3件、1日の間にこなしていた日もありましたね……。
この当時のバケタンのTwitterを見返していると、説明会&面接をしている期間に2回も展示会に出展していました。(そんな時期に展示会出たんだっけ!?)
確かに今よりも仕事の絶対量が少なかったとはいえ、展示会に向けてチラシとかサイトとかタペストリーとかオリジナルポロシャツとかも作ってたんだし……、こんなの狂気でしょ……。
加えて難しかったのが、説明会も、1次面接も2次面接以降も、全て同時並行で進んでいたことです。
翌年から反省を踏まえて、説明会、1次面接、2次面接、最終面接と各フェーズに合わせて、このフェーズはいつからいつまでと期間を定めて段階的に進めていっていましたが、初めての年は早く来た人から次のフェーズに行けるようになっていました。
そのため、まだ説明会を受けている最中の学生がいる裏で、すでに1次面接、2次面接まで進んでいる学生もいた訳です。
この各個人のフェーズがバラバラな状態での日程調整と連絡が、また、大変でした。
この人は次1次面接で、質問リストはこれを送って、1次はスタッフが対応するからここの時間帯に入れることができて……
この人は次最終面接で、質問リストはこれを送って、最終は社長が対応するからこの日この時間なら大丈夫で……
ああ、そろそろ私もこのコーディングに取り掛からないと業務が終わらない……!
みたいな。とにかくてんやわんやしました。
そして全面接が終わり、内定発表です。
募集人数若干名、応募者数100余名(エントリー数、説明会参加数とは別)。
一体誰と働くことになるんだろうか……!?
ワクワクドキドキしながら、直前までN.Tさんと社長と色々と話をしていました。
学生本人と会社との相性はもちろん、新卒同士同期となる人間との相性も考えながら、7月大安、いよいよその答えが発表されるのでした。
■最後のどんでん返し
社長「皆さ、募集人数若干名って書かれてあったら何人くらいかなって思う?」
他「んー、2-3人とかですかね」
社長「まあだいたいそんな感じ」
というやり取りが4-5月くらいにありましたが、結果は何人だったのでしょうか?
5人です。
「5人!?!?!?」
私もN.Tさんも驚愕のビックリです。
その時バケモノのメンバー数は社長を入れて6人。
そこにほぼ同じ数だけの人間が一気に増えると、この人間は申しておるのか……!?
(一体何を考えているんだ、、、、、、)
はっきり言って、この年の社長は浮かれていました。非常に浮かれていました。
初めて恋人ができて1週間、デート前日の少年みたいな浮かれ具合で、予想をはるかに上回る数の学生が来てくれたことが嬉しいようでした。
その胸膨らむ嬉しさに、どうやら内定数も膨れ上がったようでした。
新卒採用は、入社してからデザイン・コーディングの研修を行うため未経験でもOKという触れ込みでしたが、さすがにそんな人数教えることになるとは、私もN.Tさんも予想していませんでした。
そんな大人数の後輩を抱えて研修しながら通常業務もこなすことができるのか、逆に研修が終わった後はこの人数全員にきちんと行きわたるだけの仕事の量があるのか、などなど。抗議の声も上がりました。
が、内定がでた5人全員がバケモノを選んで来てくれたので、もうそこはやるしかありません。
翌年も新卒採用を行うのですが、採用フローの改定、さらにそこに新入社員の研修も同時並行で加わって、更にてんやわんやしながらも3月-7月を乗り切るのでした……。
初めての新卒入社である5人の中には今もバケモノにいる子、バケモノを辞めていった子もいますが、当時はとにかく必死のあっぷあっぷだっただけに、皆立派に育ってくれてよかったです。