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【社外対談(後編)】今の時代に求められる組織のあり方とは?(w/シグマクシス社)

前編に引き続き、シグマクシスの常務執行役員である柴沼さん、同社アシスタントマネジャーの小川さんとファーメンステーション代表酒井の対談をお届けします。(聞き手:COO北畠)

前編では、主にこれからの時代に求められる事業のあり方とファーメンステーションという会社に関してお二人からの見立てをお話しいただきました。

【社外対談(前編)】これからの時代に求められる事業のあり方とは?(w/シグマクシス社) | 株式会社ファーメンステーション
ファーメンステーションは先日第三者割当増資によって資金調達を行いました。 今回新たに株主として参画いただいたSXキャピタルのファンド出資者である、コンサルティングファームの シグマクシス ...
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後編では、小川さん(世代)のキャリアに関する考え方やファーメンステーションで働くことの意味、今後のファーメンステーションのチャレンジや期待などについてお話を伺いました。

※左から、シグマクシス柴沼さん、ファーメンステーション酒井、シグマクシス小川さん

「パワー」が必要だと思った新卒時代、今は「エコシステム」「コラボレーション」を大切に

――ここからはキャリアの視点でお話を伺っていきたいと思います。是非、新卒でプロフェッショナルファームで仕事をされ、転職の経験もされた小川さんの話を伺いたいのですが、大学院で生物学の研究をされている中でマッキンゼーに就職された際にどういう軸で就職活動をされたのですか。

小川さん:
結構ランダムに見ていましたね。コンサルティング、化粧品や食品等の研究職、あとは金融などです。今思うと、シグマクシスへの転職ほど自分に向き合ってはいなかったため、本当に迷っていました。社会の大きさも感じていて、それを変えるにはすごくパワーが必要なんじゃないかという感覚があり、自分自身がトップダウンで変えられる力を身に付けられるかを重視していました。

――マッキンゼーで3年くらいお仕事されて、その辺の感覚に変化はありましたか。

小川さん:
「前職は、クライアントファーストがすべての基本、クライアントの課題解決に向けて何でも答えます」というのが仕事のあり方でした。目の前にある課題をファクトに基づいて解いていくため、自分の考えによって曲げてみたり捻ってみたりはなく、良くも悪くも自分たちの思想でのポジションはない。だから組織としての軸も品質もぶれないのですが、私が目指す取り組み方とは、少しズレがあると感じ始めていました。大企業はパワーを持っていますから、それを動かすための助言をする限り、自分なりの考えと確信を持っていたかったのです。もちろん、押し付けるのはおこがましいことですが、企業の課題に助言をするという責任を伴う仕事だからこそ、それをやり遂げるための自らのポジションやスタンスを求めていたのだと思います。

――自己紹介の際に、シグマクシスに転職された時に、NPOや国際機関など幅を持って考えられたという話がありましたけど、その時に大事にしていた軸はあったのでしょうか。

小川さん:
シグマクシスに出会うまでは、何が正しい社会への貢献なのか、自分の答えを見つけられず悩んでいました。コンサルタントはハードに働く職業ですが、そうした中で折れずに仕事をしてきた自負はありますし、苦境にあっても自分が本当にやりたいことならできるという自信はありました。ですから国際機関という難度の高そうな世界でも、自分が信じた道なら大丈夫、たとえお給料が減ったとしても信念さえあれば耐えられるだろう、と思っていました。
転職するならば自分の気持ち、自分が本当にやりたいことに嘘をつかずに、本当に自分の信じたことだけをできる場所を選びたかったのです。

――その時には、新卒で就職する際に念頭にあったパワーの話とか、トップダウンに動かしていくんだという話はどうなっていましたか。

小川さん:
消えていましたね。シグマクシスのアプローチは、コラボレーションとエコシステムでして、これはトップダウンのパワーとは全然違うんですね。エコシステムというのは信念が共鳴する人どうしの繋がりが連鎖して拡がっていくもので、気付いた時には多様な能力が集まり巨大な力になっている。力関係で物事を動かすのではなく、共感で互いが動くのです。以前と完全に考え方が変わりました。

――柴沼さんが採用を担当される時に、世代で区切るのは良くないのかもしれませんが、小川さんくらいのミレニアル世代の方とそれ以外の方で何か違いなど感じることはありますか。

柴沼さん:
20代の方の中には、「社会に価値を生む事は当然で、それを持続するためのビジネスにするにはどうすればいいのだろう」という悩みを抱えている人が結構いらっしゃいますが、「だったら騙されたと思ってうちにいらっしゃい」と私は言います(笑)。この世代は、生まれながらにして社会課題の解決や社会価値の追求が普通であるという感覚の人が多い印象ですね。30代以上になると元々そういう感覚を持っているというより、経験の中から「このやり方ではどうやら上手くいかないようだ」と左脳で理解し、同じような問題意識に辿り着く人が多い印象です。そういった意識を持つ20代には、話をする前になんとなくビビっとくる感じがあるんですよ(笑)再現するのが難しいのですが。

――社会課題ネイティブとでも言うのですかね。小川さんの周囲の方はどうですか。

小川さん:
SDGsネイティブとはよく言いますよね。私の世代ですと、半々くらいですかね。意外とそういった社会価値とか社会課題解決に興味のある人は、まだそれほど多くないかなという印象です。

酒井:
私もなんとなくそういう印象持っているんですよね。最近意識的に若い人たちと色々と話す機会を持つようにして聞いたりしているのですが、以外と他の世代と一緒というか。

柴沼さん:
日本にはZ世代がいない?

酒井:
そう、幻。探しているけど、意外とまだまだだねって思います。確実にそういった意識を持つ人がいるのは分かるのですが、でも以前からそういう人は育った環境によっては多かったりしたので、すごく増えているっていう印象も無くて。

小川さん:
海外で住んだ経験がある人はそういった意識を持っている確率が高いですよね。一発で話が通じる感覚があります。

※素敵なシグマクシスさんのオフィスエントランス(木立のプロジェクションマッピングがありました)

パーパスでつながるという新しいファミリー的組織のあり方

――小川さんのようなキャリアや年代の方から見て、ファーメンステーションで働くことについてどのように考えますか。

小川さん:
まず、ビジネスのあり方やビジネスモデルにはすごく惹き付けられます。考える事がすごく多いじゃないですか。難しい問題だったら何でもいいわけではないですが、私自身はハードルの高い取り組みにモチベーションが湧くタイプなんです。ファーメンステーションさんの場合は、社会、環境、文化といった様々な側面で問題解決をしている点が魅力です。それぞれが持つ本来の力を復活させてアップグレードしているイメージです。
また、ファミリーな印象も持っています。酒井さんのお人柄が組織全体にも浸透しているのだと思うのですが、自分が求められている実感や、誰かとともに取り組むやりがいを持てる環境なのでは。そこは訴求ポイントなのかなと思います。

――今までの世代の人が組織に求めていたことと、今の世代の人が会社に求めることに、変化は感じますか。

小川さん:
大きく変わってきていると思っています。企業のネームバリューや終身雇用、報酬などではなくなってきていますよね。育ってきた環境でそう思う人もいれば、コロナがきっかけで変わったという人もいますが、全般的に今の20代は、やりがいを求めているように感じます。毎日決まった仕事を繰り返すのではなく、大小にかかわらず日々新しいことにチャレンジしたり、自分の創造力を引き出したり、仕事を通じた達成感や成長を求めている人が多いなと感じています。

――そういった方々が会社に求めることに変化はあるのでしょうか。

小川さん:
これは直観ですが、つながりを求めていると思います。以前は「仕事は仕事、家庭は家庭」のように割り切ることが多かったと思うのですが、オンラインが浸透して業務とプライベートの境界が曖昧になりましたよね。だから仕事と割り切らない人とのつながりができてきた。
一方で、SNSのようなコミュニティで多くの友達と繋がっているけどなんだか孤独、という感情を持っている人も増えていて、単なる繋がりではないものを求めていると思います。たとえば、私にとってのライフワークの繋がりの中には価値観や考え方を尊重し合える人が多いので、それが職場の上司とか部下であろうと嬉しいものは嬉しい。人と人の関わり方が変化していて、それが働く場にも求められるようになったのではと思います。

――面白いですね。昔は家族的でウェットな関係が良しとされて、その後にプロフェッショナリズムや成果主義が出てきて、今はより個人が重視されるようになって、一方では組織に属したり、一方では属さなかったりがハイブリットになってきている流れが一般論としてありますよね。そういった中で、仰っている、ライフワークのような何か特定のミッションにコミットしたいという思いがある人は、意外と何かに属したいとか、家族的なある種ウェットへの回帰みたいなことが起こっているのでしょうか。

小川さん:
それはあると思います。毎日お昼ご飯食べたり飲みに行ったりみたいな繋がりよりも、自分と同じ信念を持っているという繋がりを求めている。それって多分、会社に入ると毎日顔を合わせる仲になるので見つけやすい。信念がぴったりはまるところに入れたらすごく幸せな環境ですよね。

――昔のファミリー的というのは、ウェットな付き合いベースの家族、今は何か共通の軸に対して集えるような意味合いになるのかもしれませんね。

酒井:
すごくファーメンステーションが大切にしていることと一致する気がします。家族という言葉をステークホルダーという意味合いに捉えたのですが、事業を行う上ですごく多くの人と関わっていますが、皆さん共通の信念というかパーパスを持つ人が多いです。それは会社の中の人だけではなくて、バックグラウンドの違う農家の方、協業する事業会社の方、商品作りでお手伝いするブランドの方、皆さん一つの信念みたいなものを共有していて、そこでのつながりはすごくあると思います。生きている実感を持てる環境ですよね。私もフィジカルにウェットというか、毎日一緒に飲みに行かないといけないとか土日も一緒にどこか行こうとかは本当に無理ですし弊社はそういうことはないですが、価値観の近い人たちと一緒に仕事ができるという環境は提供できると思いました。

※ファミリー?なファーメンステーションの面々

インパクトの「枠組み」をグローバルに社会実装するフェーズに求められる人材とは

――ありがとうございます。最後に、改めて柴沼さんから今後のファーメンステーションへの期待やどういうチームになってほしいなどをお伺いできればと思います。

柴沼さん:
ファーメンステーションは第二フェーズに入ってきていると考えています。一気通貫に上流から下流までつなげるビジネスとしてのモデルは一つできあがりつつありますが、これを社会の中に「枠組み」として取り込むフェーズに来ている。事業、そして小さくても完結しているこのモデルを大きく広げていくには、行政、需要者としての消費者、廃棄物や未利用資源を出して商品にする企業といった、全てのプレイヤーが乗れる枠組みがそろそろ必要だろうなと思います。日本だけではなく世界の国々にも、社会を変えながら企業にも消費者にもインパクト与えられる「新しい常識」を作る。これが、ファーメンステーションがやるべきこと、私も一緒にやりたいと思っていることです。

――どういった人材がそういう取り組みを仕掛けるにあたり合うと思いますか。

柴沼さん:
全体構造を読み取りながら、目の前のやるべきことに細かく丁寧に取り組める人でしょう。そういう人財が増えていくと、いろいろなことが変わっていくと思います。

――それは共感しますね。最近(聞き手の北畠が)酒井さんと話していて、これまでファーメンステーションが頑張ってこられている理由は、酒井さんがビジョンやパーパスといった一番トップの譲らない部分と、一番ボトムの現場の色々なこと、例えば技術や関係するステークホルダーやビジネスの機微の両端を知っているというのが鍵なのではないかと話していたんですよね。そのトップとボトムを事業や技術の側面で実装する、繋げられる人が入ってくることが大事なんじゃないかと話していたところでした。

柴沼さん:
はい、そういった人が伝道者として様々な人を巻き込みながら、枠組みを作っていくといいのではないかと思いますね。

――ありがとうございます。小川さんからも、ファーメンステーションへの期待や、今日色々お話していただいて、改めてファーメンステーションのこういうところは面白そうだと思ったことなどありましたら教えてください。

小川さん:
私は今、農業に関するプロジェクトに取り組んでいるのですが、畑を耕して何かものを作り、命をつむぐ農業とは、まさに生きることに直結している仕事だと実感しています。ファーメンステーションさんは、その形がより洗練された形になっていると思います。プロダクトは必要性だけでなく美しさもある。また、これまでの農業と違って廃棄物等を出さずに循環させている。今まで人間が営んできた尊い営みを、さらに高い次元で事業として再現しているのが稀有で、個人的に深く刺さっています。
あとは個人的なバイアスがありますが、素敵な女性を発掘してもらいたいなと思います。日本はトップレベルの大学に行く女性がまだ3割未満で、世界的に大変遅れています。これは日本にとって損失だと思っていますので、学歴だけで判断されずに優秀な女性が活躍できる企業に育てて下さると、より価値のあることではと思います。

――ありがとうございます。では、最後に酒井さんからメッセージをください。

酒井:
女性の話をしていただけて良かったと思います。私としては、新卒で金融機関に入ってから、すごく不条理だなと思う場面を何度も経験してきていますし、本当に活躍している女性はまだまだ少ないですよね。大学まで普通に男女同じように来ているのに、就職の時点で色々なことを諦めろって言われて驚いて、私自身は何とか進みましたけど、本当に不条理な環境で、でもだんだん慣れてきてしまうんですよね。男性社会の中で数少ない女性は、やっぱり目立つし、不条理と思いつつまあいいかって思ったりしてしまうこともありましたけど、今何十年も経ったのにあまり変わっていないことにすごく衝撃を受けています。だから、それに対して少し遅かったのですが自分自身ももう少し声を上げてもいいのかなって思っていたので、改めてそう言っていただけてすごく良かったなと思います。

小川さん:
化粧品も商品としてやっているわけですし、女性が担える役割もすごく多いですよね。

酒井:
そうですね。採用のときに男性に有利な採用はそもそもしませんけど、もう少しアファーマティブアクション(積極的格差是正措置)の考え方を入れることはあってもいいのかもしれませんね。あとは、今日お話を伺って、今まで無我夢中でやってきたことの意義や、世の中に与えているインパクトについて、自覚がない部分も含めてそこにどうやら意味がありそうで、もっと強くこれを進めることが自分たちの責任だと思うんですよね。どうやらこれはすごいインパクトにつながることのようだから、もっとちゃんとやらないといけないと自覚させていただきました。そのために必要なのは、圧倒的に優秀で、同じ方向を向いてくれる仲間だと思うので、そういう人を探したいですね。どこにいるのか、教えてください(笑) 面白さは保証付き、解の無い問いが山ほどあります。まだまだ弊社は知られていないし、気付いてもらえたら面白いって思ってもらえる自信はあるのですが、認知がされていない。あの手この手で会社や取り組みを知っていただけるように頑張っていきます。

いかがでしたでしょうか。前編・後編を通じて、色々な事業や組織を普段から見ているコンサルタントのお二人から、これからの時代の事業や組織、ファーメンステーションへの期待についてお話しいただきました。

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