目次
はじめに
ITソリューション部(以下ITS部)とは
Q.おふたりの自己紹介をお願いします。
Q.ITS部の立ち上げから現在に至るまでのストーリーを聞かせてください。
課題山積のスタートと基盤整備
全社効率化の課題
Q.今のお話でいうと、渡邊さんはどの段階でジョインされたんですか?
Q.DXを推進する上で、他社にはない特有の難しさや課題はありますか?
Q.構想を進めている「事業支援システム」とはどのような内容でしょうか。
導入の背景にある2つの大きな課題
事業支援システムの目的
事業支援システムの概要
Q.どのような方にジョインしていただきたいか、求める人物像について教えてください。
Q.最後に、今後の展望と目指す姿についてお伺いします。短期・中期・長期でタームを切り分けてお聞かせください。
Q.最後に、ご応募を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。
はじめに
こんにちは!
株式会社ベター・プレイスで採用担当をしている名取と申します。
本記事では、ITソリューション部の「これまで」と「今」、「未来」について、
CTO原田さんとVPoE渡邊さんにお話を伺いました。
「ITエンジニアの視点から見たベター・プレイスの成長と課題」
「今後目指すべき方向性」
「DX推進における求める人物像とは」
少しでもこのトピックにご興味をお持ちなら、是非最後までご覧ください!
ITソリューション部(以下ITS部)とは
現在ITS部は、2つの課に分かれております。
システム開発課:
自社システム「はぐONE」の開発・運用、はぐくみ企業年金事務局の委託に基づいて開発した業務システム等、チームで役割分担をして開発に取り組んでいます。
情報システム課:
IT資産管理。IT統制。全社セキュリティを徹底し、情報資産を脅威から守りながら、事業の継続と生産性向上を根底から支えています。
Q.おふたりの自己紹介をお願いします。
原田:
CTOの原田です。
私がCTOに就任したのは、今からちょうど3年前の7月のことです。
それまでの経歴について、手短にお話しさせていただきます。
高校時代から独学でプログラミングを学び、ユーザー向けに自分でサービスを提供することを始めていて、Twitter関連サービスやCGMなどの個人サービスを多数開発していました。大学時代には学生ベンチャーを立ち上げたり、代表を務めるなど、2社経営しましたが、残念ながらどちらもクローズしています。
その後、メディア系の会社でエンジニアとなり、次にデジタルマーケティングの会社に転職しました。当社へのジョインが3社目となります。
ジョインしたきっかけとしてはスカウトをいただいたことですが、「はぐくみ企業年金」のビジネスモデルが非常に魅力的だと感じたことが大きいです。
それだけではなく、当社の理念にも深く共感しました。
何よりもすごいと思ったのは、その理念をちゃんと体現していることでした。
「子育て世代と子どもたちのために」「やさしい人がやさしいままでいられるように」というところを体現しつつ、自分たちにも利益がある。
そして、加入者と企業にもメリットがちゃんとあるという、まさに「三方良し」の形が、ビジネスとして本当に素晴らしいと感じました。
入社を決意したもう一つの大きな要因は、当時のITS部が抱えていた課題です。
面接で「IT部門は立ち上げたばかりでエンジニアが不足しており、システム開発に課題を抱えている」と伺いました。
特に、自社システムの「はぐONE」の開発がうまくいっておらず、プロジェクトのリリースが度々リスケジュールになるなど、非常に困っている状況とのことでした。
それを聞いて、「自分がジョインすることでIT部門が抱える課題を解決し、会社の成長スピードを加速させるお役に立てるのではないか」と思い、入社を決めました。
渡邊:
VPoEの渡邊です。
私は元々バンド活動をしていて、その頃に働いていたお好み焼き屋さんの常連さんに誘われたことがきっかけで、IT業界に入りました。
その後銀行系のシステムやweb開発を経て、当時黎明期だったソーシャルゲームのバックエンドを10年程作成していました。
コロナ禍も落ち着き、子供も大きくなってきたタイミングでもっと面白い仕事がしたいなと考えていたところベター・プレイスの求人を見つけたんです。
最初は原田さんと北井さん(人事担当者)の面接を受けました。
北井さんは非常に朗らかでニコニコされていたのですが、原田さんがすごく大変そうなお顔をされていたのが印象的でした(笑)。
そこで、「私がお手伝いできることがあるかもしれませんね」という話になったんです。
当時は医療関係のホームページを扱う会社とベター・プレイスの2社で入社を迷っていたのですが、最終面接で森本さん(当社代表)とお話しし「面白そうな会社だな」と感じて入社した、という経緯です。
Q.ITS部の立ち上げから現在に至るまでのストーリーを聞かせてください。
原田:
私が入社した当時、エンジニアは私を含めて5名という体制でした。
「はぐONE」の開発を中心に業務を進めていましたが、「はぐONE」に加え、基幹システムや各種サイト、社内のIT資産管理など、人手が圧倒的に足りない状況でした。
全員がジョインしたばかりだったこともあり、非常に多忙で混乱している印象でしたね。
そもそも「はぐONE」は、エンジニアがいない状態から外注で開発をスタートし、その後オフショア開発に移行するなど、紆余曲折を経て、多くの苦い経験をしたと聞いています。
その反省から、やはり内製化を進め、自分たちで責任を持ってシステムを面倒見られる体制が必要だという結論になりました。
私がジョインしたのは、内製化に動き始めた初期の段階でした。
課題山積のスタートと基盤整備
当時、「SS統合プロジェクト」という大きなプロジェクトが動いていました。
これは、はぐくみ企業年金への届出を行う既存システムと「はぐONE」を統合するものでしたが、プロジェクトは難航しており、リリースの延期が繰り返されていました。
色々と問題はあったのですが、まずはシステムを着地させることを目的にしました。
そもそも、立ち上がったばかりのチームだったため、チーム開発の仕組み自体が整っていなかったのです。例えば、ソースコードの管理体制が不十分だったり、検証環境が整っていなかったために、デグレ(不具合)が発生してしまったりといった状況でした。
そこで、まずはこうした開発環境の整備から着手し、システム開発が着実に進むための仕組み作りから行いました。
これと並行して採用を強化し、一緒に動いてくれる仲間を集めました。
その結果、徐々に仕組みが整い、優秀なメンバーが入ってきたことで、開発が可能になり、今に至るという流れです。
全社効率化の課題
現在運用している基幹システムは、各部門の業務ニーズに即して迅速に構築・運用されてきました。これにより、現場のニーズに合致した機能が提供されてきましたが、その結果、現在は特定の部門や業務に最適化(個別最適)された状態となっています。
また、SFA(営業支援システム)についても、ビジネスのスケールに伴い、基幹システムとの間でのシームレスなデータ連携と、全社横断的な業務フローの標準化が喫緊の課題です。
今後当社がさらに成長していくためには、これらの各システムと、それらをまたぐ業務フローを抜本的に見直し、効率化を加速させる必要性があります。今後は、整理された業務フローを基に、あるべき姿を考え、システムに落とし込んでいくというフェーズに進んでいきたいと考えています。
Q.今のお話でいうと、渡邊さんはどの段階でジョインされたんですか?
渡邊:
私は8人目のエンジニアとしてジョインしました。
原田さんがCTOに就任してから1年経っていない頃ですね。
当時は、まさに「はぐONE」がツギハギで作られた直後で非常に混乱していて、毎日発生するバグに対し、みんなが手当たり次第、もぐら叩きみたいに修正対応していました。
根本的にアーキテクチャ(設計思想)が整っていなかったため、まずはそのソースコードの構造を整備するところから着手しました。
その後、品質向上委員会と銘を打ってユーザビリティの悪い所や負荷の高い処理の作り直しをしていたのですが、そのうち「これはもう小手先の修正でどうにかなるレベルではないかもしれない」という話がでまして、DB(データベース)構造から抜本的に見直すことをおこなってきました。
現在入社して2年半程経っていますが、組織形成やバグや負荷と向き合っていたらあっという間でしたね(笑)。
Q.DXを推進する上で、他社にはない特有の難しさや課題はありますか?
原田:
一般的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際、経営層の指示で情報システム部門が動いたときに、それによって業務が変わってしまう現場からハレーションが起きるというパターンが多く見られます。
そのため、DX経験者は、現場と密にコミュニケーションを取り、要望を反映させることでハレーションをなくす努力をします。
当社にもそうしたハレーションがないわけではありませんが、ベター・プレイス特有の課題があると感じています。
当社の特徴として、各部門の社員1人ひとりが、自分の仕事に対する改善意識や、生産性を向上させようという意識が非常に強い会社です。
そのため、メンバークラスからも「このツールを使いたい」「この作業を自動化したい」といった要望が活発に出てきており、中には自ら手を動かして改善に取り組んでいる社員もいます。これは非常に良い点だと感じています。
しかし、それが進むと、どうしても局所最適な仕組みが様々な場所に生まれ、それがツギハギになってしまう…という新たな課題が生じています。
ベター・プレイスでDX化を進める上では、単にハレーションを抑えるだけでなく、この熱量が高い社員たちの「改善したい」という思いもしっかりと受け止めた上で、全社横断的に業務フローを整理し、データとシステムに落とし込んでいくことが必要になります。
こうした高い熱量があるのは面白い点ですが、同時に一般的なDXとは少し違う観点からアプローチする必要があると考えています。
Q.構想を進めている「事業支援システム」とはどのような内容でしょうか。
原田:
ベター・プレイスは、直近の2025年9月期も前年対比43%増の売上で予算達成するなど、順調に事業成長しています。
しかし、IPOに向けて努力を続ける中で、これまで通りの延長線上の努力だけでは達成が難しい、より高い目標が見えてきました。
導入の背景にある2つの大きな課題
まず1つは、高い目標達成へのブレイクスルーが必要だということです。
各部門が全力を尽くしていますが、先ほども申し上げた通り、これまでの延長線上の努力だけでは目標達成が困難な局面に入ってきています。
そしてもう1つは、超人手不足時代への対応です。
世の中全体が労働人口の減少時代に入っており、採用に苦労している状況は当社も例外ではありません。ありがたいことに理念に共感して入社してくださる方はいますが、それでも採用が追いついていないのが現状です。
今後、事業を拡大していく上では、人を増やして拡大するだけではない方法を模索していく必要がある、という強い危機感があります。
事業支援システムの目的
こうした状況において、私たちはITの力を使って、今ある業務の生産性を向上させることが重要だと考えています。
特に、営業やカスタマーサクセス部門の方々が、事務作業にかかっている時間を極力DX化によって圧縮し、より多くのお客様と向き合える時間を創出することが急務です。
これを実現するために、現行の基幹システムを含めた周辺システムの全体的な整備を行うことで、現場部門が生産性高く働ける仕組みを作る必要があります。
事業支援システムの概要
この全般的な取り組みを、事業支援システムと総称しています。
その中身は、主に以下の2つです。
①基幹システムと業務フローの再構築:
基幹システムに関わる業務フロー、データフローを再整備し、データの再設計を行った上でシステムに落とし込みます。必要に応じて既存システムのリプレイスも手段の一つとして考えています。
②戦略的データ活用の基盤構築:
今後、より戦略的な営業活動を行うためのデータ分析を実施できるよう、その仕組み作りの一環としてデータウェアハウス(DWH)の構築も進めていく予定です。
Q.どのような方にジョインしていただきたいか、求める人物像について教えてください。
原田:
当社のような事業会社のエンジニアは、通常のソフトウェアデベロッパーとは少し異なります。
仕事のメインは「開発すること」ではなく、「業務課題を解決すること」です。
生産性の向上など、私たちが直面している課題に対して、「まずソフトウェア・システムを作る」ではなく、どのような解決方法があるのかを、広い視野で考えられるタイプの方が適しています。
合わせて、現場の業務を理解しなければなかなか解決策は見つけられないため、業務に対して自主的に興味を持って深く入り込んでいってくださる方を求めています。
こうした背景を踏まえ、エンジニアではありますが、コミュニケーションが好きな方、人と関わるのが好きな方に来ていただけると、チームとしても非常に心強いです。
渡邊:
前項の質問と少し被ってしまうんですが、今、ベター・プレイス内で稼働しているシステムは、基本的に「目先の問題にどう対応するか」に注力してきた結果作られてきたものです。
そのため、各部署が当時の最適解を突き詰めた結果、様々な「文化」がシステム上に出来上がり、それが分断されているというのが大元の問題です。
これをリード(見込み顧客)から契約完了までを一気通貫で1つのシステムに載せましょうというのが事業支援システムになるんですが、これはそれぞれの部署がこだわりを持って作ってきたものから「何かを抜く」「何かを足す」という調整を伴うため、色々と難しいところがあると思うんです。
そこでまず求められるのは、全体を鳥瞰する視点です。
1つの部署だけではなく、全ての部署の業務フローを俯瞰的に見て「今、どこがボトルネックになっているのか」を見極めなくてはいけません。
そして、見極めた後には理詰めで説明し、納得させる力が必要です。
「なぜこのデータが必要で、今のやり方ではいけないのか」を、感情論ではなく理論整然と説明し、現場の方々に納得してもらわなくちゃいけない。
最後に、最も重要なのは、ハレーションを恐れない粘り強さです。
各部署のこだわりを尊重しつつも「最終的なゴールにたどり着くためには、今はこう変える必要があります」という調整を、摩擦を恐れずに粘り強く行える交渉力が重要になります。
ハレーションは必ず発生するだろうと思っていますので、そこをいかに粘り強く交渉していけるか、というところが、事業支援システムを推進するにあたって最も重要な要素だと考えています。
Q.最後に、今後の展望と目指す姿についてお伺いします。短期・中期・長期でタームを切り分けてお聞かせください。
原田:
まず、我々ITS部の基本方針として
「ITの力でベター・プレイスの事業を加速させ、我々の思いをお客様に届けていく」
という大きな目標があります。
これを実現するためのロードマップを、各タームに分けて説明します。
短期的な展望(入社直後~)
まず短期的なところでは、入社してすぐに、現行の基幹システムに深く向き合っていただき、事業支援システムに取り組んでいただきます。既存のシステムと業務の流れを理解し、現在の課題を正確に把握することが最初のミッションです。
中期的な展望(2~3年程度)
システムの見直しには2〜3年程度のスパンが必要だと見込んでいます。
この期間で、強固なIT基盤を構築することに集中的に取り組みます。システムのリプレイスも選択肢に入れて検討を行います。
長期的な展望(5年またはそれ以上)
長期的には、この強固な基盤を基に、全社の事業をよりスムーズに進められる仕組みを完成させます。
目指すのは、皆さんの事務作業などの仕事を楽にし、その分生まれた余白をより多くのお客様に向き合う時間に充てる、DXを進めていきたいです。
そのためにも、長期目線でDXを推進する専門チームを立ち上げていくことで、全社のデジタル変革を牽引する活動を続けていきたいと考えています。
やっさん(渡邊)はどうですか?
渡邊:
ほぼほぼ原田さんが全体像を話してくれましたが、私の視点からもコメントします。
ここ2、3年で言うと、やはり「分断されたものたちを、いかに1つにまとめられるか」という点が最も重要になってきます。
これが直近の課題であるので、ここにどうアプローチしていくのかというのが、目指す場所かなと思いますね。
5年という長期スパンで見ると、恐らく状況が変わることはあると思いますが、変わらない部分としては、「ミスを減らす」のではなく、「そもそもミスができない仕組み作り」を追求することです。
あとは、マーケティング部門などが戦略的にアプローチしやすい環境を整備することです。どういうターゲット層に、何の根拠をもってアプローチするのか、その判断をサポートできるようなデータ基盤まで普及していく必要があると考えています。
5年先まで見据えると、最近もどんどん台頭してきていますが、AIとどううまく付き合っていくかが大きなテーマになると思います。
社内にAIを活用する文化をどうやって浸透させていくのか、というところまでが、私たちが取り組むべき「社内DXの全体像」に含まれてくる可能性があるんじゃないかと考えています。
Q.最後に、ご応募を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。
原田:
正直、やることは大変だと思うのですが、急成長している会社でIPOを目指す中で、会社のシステムにおけるコアな部分に深く携わっていけるというのは、滅多にできない非常に面白い経験になるのではないかなと思っています。
この挑戦を「一緒にやりたい」と思ってくださる方に来ていただけると、大変嬉しく思います。私たちと一緒に会社の、そして「やさしい人がやさしいままでいられる未来」を築いていきましょう。
渡邊:
原田さんが仰る通り、簡単な仕事ではないので、困難や大変さは折り込み済みで来ていただくことになると思います。
ただ、幸いなことに、これまでジョインしてくれたITS部のメンバーを含め、ベター・プレイスにはすごく業務に協力的な社員がたくさんいるので、ぜひ、こうした素晴らしい仲間たちと一緒に、事業支援システムをどう進めていくのか、未来の形を共に考え、実現してくれる方に来ていただけると嬉しいです。