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「人がまた来てくれる場所ってなんだろう?」について、改めて考えてみた

最近ずっと「人がまた来てくれる場所ってなんだろう?」ということについて考えています。

せっかく鳥取県内にキャンプ場やサウナを展開しているので、「鳥取県をアウトドア横断しませんか?」という新しい楽しみ方の提案もしてみています。

僕たちが掲げる「Enjoy Outdoor Life」。鳥取の大自然を味わってもらうためには、TOTTORI‐CAMPPARKでの体験をこれまで以上に最高のものにしたい。

では、どういう場所なら来たいと思ってもらえるのか?

僕らに求められていることはなんなのだろうか?

僕たちがするべき仕事について、突き詰めて考えています。

自然は、人にとって必要不可欠で心地いい

先日、鳥取に移住して地域おこし協力隊をやっている方とお話したときに言っていました。

「改めて鳥取ってなにもないんですよね。」

なにもないというのは語弊がありますが、正直にいうと「足りないもの」がかなり多いんです。若い人が遊びに行く場所や娯楽がない。大型ショッピングモールやスーパーも遠い。大山や砂丘、海岸といった自然はたくさんあっても、やっぱり不便さや日常的な生活の中での物足りなさを感じざるを得ないんです。

自然があっていい!という「なにもなさ」をいいなと思ってくれる方もたしかにいらっしゃいますが、実際に移住してきた人だと都市部との違いを肌で感じると思います。僕自身も一移住民として、県内外から人が来る場所をつくる経営者として、そういう「いいな」と思ってわざわざ来てくれた人たちの意見や感じたことを汲み取っていきたいと思うんです。

こうも言っていました。

「だから鳥取って、多拠点生活をするにはもってこいの場所なんじゃないかなと」

都会にあるものが、ない。でも都会にないものがあって、それを定期的に必要とする人がいる。改めて自然は、人が生きていくうえで「必要不可欠なものなんだな」と思うんです。

まず働く人に「また来たい」と思ってもらえるか

世の中には自然やアウトドアが好きな人がいます。

彼ら彼女らは「田舎」に行くことが日常であり、さらには飛び込んで移住してしまい人もいるくらいです。

豊富な経験があるので「都会にあるもの、ないもの」「田舎にないもの、あるもの」を理解していて、ある程度の不便さを最初から受け入れています。

当初の僕はこう思いました。

そういう移住希望者とつながって移住してもらったり、一緒に働くために、どうやって地方に来てもらおうかーー、と。

ただそれは結果的に難しいことだな、ともわかりました。

それは「実際に田舎で”生活”することは、ときどき田舎に来て自然を感じる、遊ぶこととはまったく持って別物」ということでした。

たとえば、僕らが運営するキャンプ場やスキー場で働くだけなら、今までの仕事内容とは変わるかもしれませんが、働くということを切り取れば同じなのである程度は問題なくできるでしょう。その人の経験やスキル次第で、最高の仕事をしてくれるはずですし、その人自身も楽しいはずです。

でも田舎で暮らすことは、先にも書いた不便さが半永久的に続くことを意味します。あるいは地域とのつながりというものが都会よりも圧倒的に増えます。自治会とか、消防団とか。地域おこし協力隊の人たちもそれを痛感しているはずです。

いい部分はいいけど、すべてを背負い込むことができるのか……。

当然ながら、それを苦なくできてしまう人もいます。来る前から理解していて順応すればそれはそれで楽しい生活になってくれます。ただ全員が全員ではなくて、それを「こんなはずじゃなかった」と結局は離れてしまう人もいる。

仮に移住してきてもらえても、合わなかったと帰ってしまいかねない。それでは、また来たい場所にはなれません。

前も書きましたが、TOTTORI‐CAMPPARKが提供したいのは「Enjoy Outdoor Life」です。「アウトドアを楽しむ人生」であり、一回きりではなく「人生の中で、また”自然で遊びたいか”どうか?」です。

その基準で考えて「わざわざ鳥取に来てもらうには?」「またここに戻ってきてもらうにはどうあるべきなのか?」

僕らに本当に求められているものはなんなのか?

あらためて考える必要がありました。

テクノロジーの進化による働き方の変化

僕は昔、都内で営業の仕事をしていました。(今でもしていますが笑)

直接会って、直接やりとりをして、相手の温度感や熱量を感じて、自分自身の想いも伝える。そんな体温が感じられるやりとりが好きです。仕事をしていくうえでも、「対話」が何より大事だと思っているので、本音で話すやりとりが楽しかったんですね。

でも、時代は流れて今だとオンラインでミーティングや仕事ができるようになると「あ、これめちゃくちゃ便利じゃん」と思うようにもなりました。

これって、どっちがいいとか悪いとかではなくて、「テクノロジーの進化による働き方の変化」だと思うんです。

もちろん今でも直接会うことを大事にしているし、楽しいけれど、オンラインであれば、まずは話してみて、これまでは出会えなかった人とも話せるようになりました。採用の部分では、候補者と直接まずは話ができてお互いにフィーリングが感じられていいなと思っています。

コロナがおさまった今でも、やっぱりこの快適さ、便利さは捨てがたい。こういうことがいろんな業界で起こっています。

出社が当たり前ではなくなった今、打ち合わせをすべてZOOMで済ませられている人もいて、直接会ったこともなくともずっと一緒に仕事をしている人も少なくない。

遠方でもどこでも仕事ができるなら、たとえば7月〜9月の一番忙しい時期はキャンプシーズンはキャンプ場での仕事をする。それ以外はリモートで別の仕事をして、また12月〜2月にスキー場で仕事をする。

アウトドアが好きで、好きを仕事にしたい人なら、好きなことを仕事にしながらも、ずっと同じ場所に住み続けなくてもいいやり方を選ぶこともできるようになりました。

これも「テクノロジーの進化による働き方の変化」と言えます。

そういった意味での「鳥取は多拠点生活をするにはもってこいの場所」なんだなと改めてその可能性を感じている毎日です。

そして「それこそがこれからの地方創生、シーズンビジネスを展開をする僕らにできることなのかもしれない」という思いにたどり着いたのです。

もっと個人の力を発揮できる「機会」をつくる

僕らTOTTORI‐CAMPPARKが地方創生の一部として、関係人口を増加させていくためには「個人の力を発揮できる機会づくり」が必要だと感じました。

たとえばこんな人がいます。

彼は都市部でデザインの仕事をしていました。クライアントの要望に答えながら、「あ、これいいな」と思ってもらえるようなポスターや冊子などのクリエイティブをつくっていきます。

趣味はアウドドアで、休日には友人とキャンプに行ったり、自然を感じてリラックスしています。

そんな彼も仕事が多忙な毎日が続き、なかなかキャンプに行ったり、大好きな自然の中で息抜きをすることもできなくなってしまいます。

あまりの忙しさに疲れ果て、挙句の果てに精神的な負担が大きくなって、休職せざるを得ない。なんてことも最近は少なくありません。

たとえばそういう人が、自分のペースで働きながらも、得意な分野やスキルを生かした仕事ができる機会は、本当はもっとたくさんあるはずなんです。

僕らは社員以外にも、カメラマンやライターとしてキャンプ場の運営に携わってくれている仲間がいて、常用まではいかない、でも必要なスキルや人材は確かに存在しています。

そういう機会を見つけていくこと、つくっていくこと。僕らだからこそできる関係人口の創出だと思っています。

気遣いがあるからこそ、また戻ってきたい場所

また来たいと思う最高の体験ってなんだろう?

まだまだ模索する日々ではありますが、ひとつ実現させたいのは「また戻ってきたい」場所にしたいということです。

僕自身もいろんなキャンプ場やサウナ、スキー場に行ってきましたが、「また戻ってきたい」という場所はそこまで多くありません。多くの人は新しい場所に行って、新しい体験や景色を見たいと思ってしまいますよね。

でも、またあそこに行きたい場所って「これ、この間から新しく始まって…」とか、来るたびに変化があるんです。ほかにも「最近お元気でしたか?」などお客さんとのつながりを大事にしていたり、飽きさせない工夫や努力をし続けてくれる。

その「気遣い」には、やっぱり感動します。

たとえば僕らのキャンプ場は鳥取県内に5箇所あって、それらキャンプ場を1年間利用し放題の「年間パスポート」があります。今年は5箇所目であるわかさ氷ノ山キャンパーズヴィレッジが追加されました。年パスを利用して、会いに来てくださるお客さんもたくさんいらっしゃいって、本当にありがたいことです。

そうやって僕らも、次はあそこに行こうかなと思ってもらえるような工夫をしたり、また来てお互いに顔を合わせたときに話せるつながりも大事にしたいと日々思っています。

「好きを仕事に極める」こと。それが一番楽しめることだと思った

「好きを仕事に極める」こと。一番大事だと思ってる。

人が来たいと思える場所づくりを改めて考えていった結果、行き着いたのが「働く人もまた戻ってきたいと思える場所」にすることでした。

それは働き方が多様化した現代において、「自分にしかできない」と思える「個人」を発揮するということにたどり着いたわけです。

僕らは、今後もアウトドアを通じて「地方創生や関係人口」の形も変えていきたいと思っています。

これまでは「キャンプ場はキャンプをしに来る場所」という位置づけでした。当たり前といえば当たり前ですが、これからもたくさんのお客さんに来てもらえるように全体のクオリティを上げたうえで、「私もここで働きたい」とサービスを提供する側に立てる場所にもしたいと考えているのです。

僕らはどんな場所を目指していくべきなのか?

そう考えたときにこれだけは見失わないようにありたいと思います。

「鳥取の自然と遊ぼう」

運営する僕らも自然と遊びながら楽しみながら、どうすれば来てくれる人がより楽しめる場所になるかなと、これからも試行錯誤していきたいです。

キャンプが好き。サウナが好き。スキーやスノボが好き。自然が好き。人と遊ぶのが好き。

好きだという想いを、仕事をするうえでも大事にすることだけは忘れてはいけないことだと改めて思いました。

「Enjoy Outdoor Life」をつねに胸に抱きながら、鳥取でアウトドアツーリズムを作っていきます。

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