クラウド技術の発展に伴い、クラウドを扱える「AWSエンジニア」の活躍が注目を集めるようになりました。企業のDX化やセキュリティ対応が進めば進むほど、多くの需要が見込まれるとされています。
今回は、インフラエンジニアとしてのキャリアを重ねてきた荒木さんにインタビュー。株式会社シスプライマリーに入社し、働き方の条件や、AWSを扱った経験が活かせる案件へのアサイン希望について「満足できている」と語っています。その理由について、詳しくお聞きしました。
インフラエンジニア 荒木雅典
大学を卒業し、飲食チェーン店へ新卒入社。その後、IT企業に転職。プログラミングスクール事業に携わり、講師として働きながらインフラエンジニアに必要な知識を習得。さらに実務経験を積むために、別のIT企業へ移り、ヘルプデスクやAWSエンジニアを担当。2023年8月に株式会社シスプライマリーに入社。
スキルを身につけ、ステップアップしていくことを決意
───まずは前職までの経歴について、教えてください。
学生時代は経営学を専攻していました。新卒入社したのは飲食チェーン店。ちょうど就職氷河期でもありなかなか内定が取れずに苦労しましたが、サービス業や飲食店のアルバイト経験が評価されてトントン拍子に内定しました。
6年半勤めましたが「もう少しプライベートも充実させたい」と思うようになりました。そんな時、職場に「iPad」が支給され、業務が圧倒的に効率化されたんです。
「こういう画期的なものを作るなんてすごい」と感じ、IT業界に一気に興味が湧きました。
そこから転職活動をしてIT企業へ入社。当時はスキルや経験はもちろんなく、ブラインドタッチができる程度でしたから、最初はITスクール運営事業部を希望しました。
ITスクールではインストラクターとして働きつつ、学びながらネットワークエンジニアを目指しました。インフラ構築の資格を取得し、3年ほど生徒に教えてみたものの、現場の経験はゼロ。質問されても、具体的に答えられず、もどかしかったです。
「やはり現場に出たい」と思い、次の会社へ転職。IT部門のヘルプデスクを経て、AWSエンジニアとなり、現場経験を積みました。
チームリーダーが携わっていた案件をいくつかサポートしながら、ミドルウェアのバージョンアップや、証明書の更新を担当。やりがいも感じていましたが、ちょうどコロナ禍と重なり、現場に出られない日々が続いたんです。
そこで、切磋琢磨しながら現場でスキルアップできる環境を求め、転職活動をスタートさせました。
───シスプライマリーへの入社の決め手は何だったのでしょうか?
給与面に加え、評価面談の仕方についても詳しく説明いただき、納得できたことが入社の決め手です。「給与アップを目指したい」という私の希望もしっかり聞いてもらえました。入社して1年が経過しましたが、とても満足しています。
当社を知ったきっかけは、前職で担当した案件を通じて知り合った方からの紹介です。「なんでも相談できる、コミュニケーションが活発な環境でスキルアップしたい」と思っていたのですが、面接ですでに「ざっくばらんに話ができそう」と感じることができ、安心しました。
新しいチャレンジから学んで気づいた「作る面白さ」
───現在までの業務について教えてください。
入社後は、2年前からスタートしていたプロジェクトにインフラエンジニアとして参加しました。私が参加した時点で進捗スピードが下がっていたため、その遅れを取り戻すことが目的でした。
具体的には、それまで自社で保有・運用していた基幹システムを、クラウド上のAWSへ移行する作業が中心でした。すでに完成に近い状態だったので、不具合や修正点がないかを確認し、ブラッシュアップした方が良さそうな場所に手を入れました。
実際には、ファイルの管理方法や、AWSによる運用自動化に必要な指示をするスクリプトの修正、Windows環境で実行できるコマンド列を示したバッチファイルのスクリプト作成や修正などを行いました。パッチファイルとは、プログラムの一部をアップデートする際に使う、追加修正のデータのことです。
さらには別の案件でシステム構築にも挑戦。担当した案件の関連会社で使っていた仕組みを流用し、新たにサーバーを構築。データベースの初期設定や、AWSサービスの構築、監視設定などを自動化し、使いやすい状態にできたのではないかと思います。
───それぞれの案件を経験してみて、どのような瞬間に「やりがい」を感じましたか?
スクリプトファイルの作成は、やりがいを感じました。スクリプトとは、プログラミング言語で書かれたプログラムのこと。実行したい処理を記述し、すぐに動かせるように新規ファイルを作成するんです。
今まではほとんどやっていませんでしたが、今回は「作りきれていないスクリプトを完成させる」という経験をしました。
これまでメインで担当していたサーバー構築は、必要な設定さえできていれば、それほど難しくありません。きちんと接続できているかを確認すれば、問題なく進みます。
ところがスクリプトの作成は「設計書」を立て、イチからプログラミングをしなければなりません。条件を決めて「こういう設計書を作ろう」と考え、スクリプトを書き、完成後は動作テストもします。想定どおりに動くかどうかを確認した後も、AWSを使って「指示した日時に動作するか」を確かめます。設定どおりにすべて進んだ時の達成感は、本当に大きかったです。
───入社後の案件を通じて、どのようなスキル・知識が身につきましたか?
どの案件にも言えますが、インフラエンジニアは扱うサービスの種類が幅広いんです。どんなに経験を重ねても、実際に触ったことのないものが必ず表れます。すべてのサービスを経験したことのある方のほうが、珍しいでしょうね。
ですから、現場で実際に触り、理解を深めながら知見を蓄積していくことで、新たなスキルが身につくのだと思っています。私も資格取得の際にたくさん勉強をしましたが、それでも実際に触ったことのないシステムやサービスに日々直面しています。
そういう意味では、現場に出るたびに実感を持ってスキル・知識が身に付く今の働き方は、非常に理想的だと言えます。かつては現場に出たくても、実現できませんでしたから。
以前、インフラエンジニアでありながら、Pythonなどの開発言語に関するサービスを担当したこともありました。初めての経験でしたが、エンジニアを続けていく面白さを改めて感じさせてくれました。
リモートワーク勤務や給与UP。希望していた働きやすさが実現できた
───働いている職場環境についてはいかがですか?
フルリモートのインフラエンジニアは少ないと思いますが、私の場合は家が遠いので柔軟に対応してもらっています。現在は出社とリモートが半々の割合です。適度に出社があると、コミュニケーションが取りやすくなるというメリットも感じています。
また自分の希望や意見がしっかり通る点には、社風の良さを感じています。エンジニアが希望する担当案件を決める際に、自身の持つスキルについてシートに記入するのですが、元エンジニアである代表がアドバイスをしながら一緒に作成してくれるんです。
「このスキルは、こうアピールして書いた方が良い」と具体的に教えてもらえるので、とても勉強になります。
給与額も入社後の1年間でしっかりアップしました。担当案件が変わるタイミングで常に面談を実施し、自分のパフォーマンスについてきちんと評価してもらえていると感じています。なんでも相談できるので、助かりますね。
───シスプライマリーのメンバーとの関係は、いかがでしょうか?
普段はクライアント先の社員と接する機会が多いのですが、3ヶ月に1回の帰社日では、メンバーとの交流会があります。飲み会を通じてですが、人脈が広がっていると実感しています。
何百人もいる企業とは違い、従業員は35名ほどなので、大体メンバーは一目で分かります。何人かは休みの日にもご飯を食べに行ったりするほど、仲良くなりました。開発系のエンジニアとも話をして、刺激をもらっています。
先日は「従業員同士の食事代を負担する」という福利厚生を活用し、普段はなかなか食べられない「ふぐ料理を食べよう」と提案。美味しく楽しい、充実した休日を過ごせました。
このような充実した福利厚生は、当社が自慢できるポイントですね。私がよく利用しているのはマッサージの費用負担です。デスクワークが多いので肩こりが辛いので、いつも頼りにしています。月額上限1万円まで利用できる制度なので、上限の1万円を4分割し、毎週フットマッサージに通うようにしています!
インフラと開発。垣根を超えたエンジニアになることを目指して
───今後のキャリアの目標について、教えてください。
IT業界の未来について考えると、ゆくゆくは開発やインフラの境界はなくなるだろうと思っています。
ただ、私自身のキャリアのベースはAWSのインフラエンジニア。そこから大きく離れることはないでしょう。その上で、開発のスキルも伸ばし、垣根のないサービス提供を実現してみたいです。そうした案件にも、果敢に挑戦したいと思っています。
当社の特徴は、エンジニアが条件を提示して伝えれば、それに見合った案件を探し出してきてくれるところにあります。つまり「自分が何をやりたいか」が明確になればなるほど、スキルアップできる環境でもあるんです。
もしやってみて「何か違うな」と思ったら、辞めても良い──当社の代表は、日頃からそのように伝えてくれています。我慢して続けなくても良いんです。周囲に状況を伝えれば、きちんと対応してもらえますから、新しい案件であっても積極的にチャレンジしやすいのではないかと感じています。
私も「開発スキルの習得」に向かって、次のチャレンジをスタートさせたいと思います。
───最後に、どんな方であれば御社で活躍できると思いますか?
まず、経験の有無は関係ありません。当社であれば「やってみたい」と思う案件を必ず見つけてもらえますので、安心してください。
ITへの興味ややる気があり、コミュニケーション能力が備わっていれば誰でもエンジニアになれますし、活躍できると思います。
「自分は何がしたいんだろう?何に興味があるんだろう?」というところから意識してみると良いかもしれませんね。そういう意味では、柔軟性のある考え方ができる人は向いているでしょう。現場で経験を積み、さまざまなスキルを徐々に身につけながら、活躍できる人材へと成長していくのだと思います。