2023年1月にAIエンジニアとして植草さんが入社しました!
▼植草康二(うえくさ・こうじ)
早稲田大学卒業後、パナソニック株式会社に入社し、ハードウェア設計担当として戸建て住宅向けの電気設備の商品開発に約5年間従事。その後、R&D部門に異動し、住宅やビル設備向けにディープラーニングを含む機械学習を用いた画像認識技術の開発を約4年間担当。2023年1月にAIエンジニアとしてアダコテックに入社。
大手メーカーで商品開発部門とR&D部門を経験したのち、アダコテックに入社した植草さん。この選択をした背景について本人からお話を聞きました!
ーーー経歴を拝見したところ、専門分野が変わっているのですね。最初のキャリアはハードウェア技術者とのことですが、どのような業務を担当されていたか教えてください。
前職の入社後の配属では住宅向けIoT機器の商品開発を担当しました。私の担当はハードウェアが中心で、回路や無線、ノイズといった単語がキーワードになる技術領域でした。設計や評価はもちろんですが、技適やPSEマークなどの公的認証の取得や、検査工程の仕様作成、量産工程の生産性改善の検討、部品の手配やサプライヤーとのやり取りなど、「商品を世に出すためにこれだけのことをする」という事柄の一端を経験しました。大変でしたが学びも多かったです。
ーーーその後は画像認識担当に移られたんですね。どのような経緯だったのでしょうか?
商品開発の業務で技術的な側面を切り出すと、「ある程度確立された技術を十分な品質で量産に耐えうる設計を実現する」といったことになることが多いです。言葉から想像するよりはずっと難しくてやりがいのある仕事なのですが、「技術を確立する」というフェーズを担当したいという思いがありました。そこで異動の希望を出していたのですが、それが通った形でR&D部門に異動になりました。この時点では画像認識にこだわりはなく、大幅に技術領域が変わったのは予想外でした。
ーーー希望が通っての異動だったのですね!専門領域が変わったことで苦労はありましたか?
異動先では「きれいな画像を撮る・映す」といった技術はハイレベルだったのですが、AIなどを使った「認識」は組織としてはチャレンジ領域でした。イチからの勉強となり苦労はしましたが、手を動かした分だけチームに直接的に貢献できたので、モチベーションは高く維持することができました。また、画像認識やAIといった分野は、私にとって面白かったのも幸いでした。ハードウェアに比べると検証スピードが格段に早く、様々なアイディアを試せる点が性に合っていたのだと思います。楽しめていたのもあって、業務外では半ば趣味で日本ディープラーニング協会のE資格(エンジニア資格)も取得しました。
次第に認識部分のコアな技術も担当できるようになったほか、ハードウェアも分かることもあって、技術開発テーマのリーダー経験もさせて頂きました。
ーーー大企業で充実したお仕事をしている中、どのような点でスタートアップのアダコテックに興味を持ったのでしょうか?
転職活動に熱を上げていたわけではなく、求人をチェックしていた程度でした。ただ、キャリアとしては大企業で管理職を目指すよりも、手を動かして技術的なスキルを伸ばす方向に関心がありました。なぜなら、画像認識の分野では、プロダクトに近いポジションでの経験が無く、管理職になるにしても、そういった経験の有無は差が出ると感じていたからです。アダコテックを知ったのは転職サイトを通したスカウトメールでしたが、この希望にピンポイントにマッチした求人で興味を持ちました。
会社について調べてみると、HLACという他にはない特許技術を保有しており、シンプルで軽い演算でありながら、ディープラーニングと遜色の無い認識性能を発揮しているという点で興味が深まりました。認識性能に関してはディープラーニングは日進月歩で必ずしも優位性があるとは捉えませんでしたが、CPUで学習まで出来てしまう手軽さは他の技術には無い明確な強みで可能性を感じました。一方でシンプルゆえに、多くの工夫の余地があることが想像できたので、この技術を通して専門性に磨きをかけるイメージも付きました。
ーーースカウトメールの時点で興味を持っていたんですね。実際にメンバーとお話ししてみていかがでしたか?
面接では実務的な内容が希望に沿ったものであると確認することが出来ました。印象的だったのは1dayインターンです。お客様に当社の技術を導入した際に、実際に発生した問題について分析し、解決のアプローチを行うというものでした。これが難しく、一筋縄ではなかなかうまく行きません。課題の困難さを理解すると同時に、そういった課題にチャレンジすることの面白さを感じることも出来て、充実した1日でした。
また、CEOの河邑さんとの最終面接では解決しようとしている課題について熱く語っていただきました。特に「瑕疵無きこと」のような、簡潔なようで判断基準が曖昧な品質基準が、実は現場の負担や製造業の競争力低下を招いていているのではないか、というお話がありました。「瑕疵無き事」と書く側のポジションで仕事をしていたこともある身ではありましたが、心当たりが多い話です。「これってNGですかね?」と現場の方から相談されたときに、大抵の場合「NGです」と言わざるを得ないんです。明確な基準がないので。そうした現場の課題に対して、客観的な基準を作ることによって解決を目指すこと、加えて将来的にその基準を業界的なものにして、製造業全体の競争力に貢献するといった展望を最終面接でお聞きし、非常に印象的でした。課題の大きさや解決することの価値に共感し、チャレンジしてみたいと思いました。
ーーースタートアップへの転職に不安は無かったのでしょうか?
会社の規模についてはあまり不安に感じていませんでした。アダコテックに限らず、スタートアップは前職の組織では考えられないスピード感でプロダクトをリリースしている印象を持っていました。そんな中、今の自分の仕事、組織の仕事は時代にあっているのか、という疑問を持っており、スタートアップで経験を積むことはポジティブに捉えていました。
ただ、大企業の中でも上澄み的な存在であるだろう超優秀なメンバーが揃った少数精鋭のスタートアップで自分が貢献できるか、という不安はありました。しかし、そういう環境に飛び込むことでしか得られない経験や成長があると考え、この不安はむしろ決定打だったようにも思います。
ーーーアダコテックに入社して約2か月が経ちましたが、感じていることや、ギャップがあれば教えてください。
入社前の印象通り、エンジニアに限らずどの方も高いスキルと豊富な経験を持っていると感じています。驚いたのはエンジニア以外のメンバーも技術への理解が深い点です。これによりお客様への提供価値からプロダクトの姿、更には根本的な画像認識技術まで、担当や部門を超え、高い解像度で議論されています。
ギャップと表現すべきかは分かりませんが、私が内定を貰った時点では「プロダクトをこれから売りまくるぞ!」という印象を持っていたのですが、入社してみると「根本的な技術と、もう一度向き合おう」という状態でした。これは決してネガティブなことではなく、深い議論をしたからこそ出来る意思決定だと思います。個人的には根本的な技術の部分にアイディアを投じることができるという点にはワクワクします。
ーーー今後どのようなエンジニアを目指していきますか?
転職前の思いの通り、まずは技術を磨きプロダクトに貢献をしていきたいです。アダコテックのプロダクトには画像以外にも、動画やクラウドなど様々な技術が使われています。私にとって未知のものもありますが、広く担当していけるよう力をつけていきたいです。
技術だけでなく、お客様の課題についての理解も深め、真に価値のあるプロダクトの姿を考え議論し、そして形にしていけるエンジニアになりたいです。
ーーー最後に、これからどのような人と一緒に働いていきたいですか?
我々が挑戦している市場は、未だ成功者がいない市場です。またコア技術であるHLACは適用事例が少ない技術です。市場にも技術にもこれといった正解がありません。そのような状態ですので、学びながら一つ一つ課題の本質を特定し解決していくプロセスを楽しんでいける方と働きたいと思っています。
興味のある方は是非エントリーしていただければと思います!