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「ICC」「IVS」二冠を果たしたアダコテック。その舞台裏に密着。

今回は、2020年2月に『ICCサミット FUKUOKA 2020 Session 1B 「STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門」」(以下、ICC)、2020年7月には「IVS LaunchPad 2020 Summer」(以下、IVS)と、アダコテックが二冠を果たすことができたその舞台裏について、代表の河邑さん、そして株主であり私達が常日頃お世話になっているDNX Venturesの上野さんにお話をお聞きしました。

目次
・ICC/IVS優勝を、キーパーソンと共に振り返る
・秋葉原での思い出
・二冠達成をして、よかったこと
・アダコテックが次に目指す目標       

ICC、IVS優勝を振り返る

ーー改めて、ICC、IVS優勝おめでとうございます!
二冠に到るまでの、エピソードをお聞きしてもよろしいでしょうか。

(河邑さん)
ありがとうございます!ICCとIVSの出場にあたっては、プレゼンテーションを丁寧に準備して挑みました。その過程では様々な人にアドバイスやサポートを頂きました。今日は、そのひとり、アダコテックの主要株主のDNX Venturesのメンバーで、ICC優勝のキーパーソンである、上野さんがきてくれてるので、プレゼンを仕上げる過程を一緒に振り返っていければなと思います。

(上野さん)
今回私は、河邑さんに「ICCに出場することを決めたから、ぜひサポートしてほしい」と相談を受け、プレゼン資料のデザインサポートと壁打ち相手をさせてもらいました。そもそも河邑さんは、すごく真面目で、きっちり準備するタイプ。私が最初に拝見した時にはすでにプレゼンはほとんど出来上がっていました。

最初の聞き手になる

(上野さん)
だからこそ、私が意識したことは、最初の聞き手になることでした。
アダコテックは、技術的にも産業領域的にも専門的な内容が多いですよね。そこで、聞き手が躓くとしたらどこが難しいか、最初の聞き手として、自分自身が躓きそうになったポイントを洗い出し、初めて聞く人にとって分かりやすいか、印象に残る内容になっているかを意識して河邑さんのプレゼンを聞きました。

河邑さんの中ではアダコテックを知り尽くして当たり前になっていることも、聞く人にとっては当たり前ではない。ちょっとした専門用語で躓いて集中を切れさせてしまったらもったいない。そういう聞き手として気になったところを全てフィードバックしました。

(河邑さん)
そうですね。私の中ではどんな順番でスライドの内容を話しても話が繋がってしまうんです。なので、客観的でストレートな上野さんのフィードバックは、気付きが多く有り難かったです。

聞き手は、何を伝えられたいのか。

(上野さん)
次に、その聞き手を解像度高く理解するため、ICCの審査基準と審査員の顔ぶれを確認しました。ICCの審査基準は、社会貢献や、社会課題の解決が基準となるため、アダコテックの技術力にフォーカスするのではなく、解決する課題を意識してストーリーを設計しました。

加えて、審査員には必ずしも人工知能や画像認識に詳しい方々ばかりではないことが見受けられました。そこで、技術力の高さと、唯一無二性を示すことができれば、それ以上の専門的な仕組みについては、オーディエンスに理解してもらう必要はないんじゃないかと割り切ったんです。河邑さんと擦り合わせ、聞き手は何を伝えられたら評価するかを意識しながら、原稿を削っていく作業に移りました。

どうしても話し手の立場から「伝えたいこと」をベースに、プレゼンを構成してしまいがちなのですが、そもそも聞き手は、「何を伝えられたいのか」「どんなストーリーなら評価したくなるか」というポイントを踏まえて構成していくことで、より相手に刺さるプレゼンになると思います。

観客の目を誘導する

(上野さん)
ここまでのふたつは構成やストーリーに関わるポイントですが、3つ目に意識したのは、観客の目をどう誘導するか、レイアウトやデザインの観点でした。
資料だけを見てデザインを手直ししていたのと、河邑さんの説明を聞いた後では、「本当に伝えたいポイントはそこだったんだ」という新しい気づきがありました。そこで印象に残したい数字の見せ方や、伝えたいことが伝わるようなデザインに修正しました。

(河邑さん)
そうそう、単位は小さくして、見せたい数字のフォントを大きくしたり、注目して欲しい箇所に黄色いマーカーを引いてくれたりして、見やすさが格段と上がりました。

上野さんのアニメーションテクニックも素晴らしく、インパクトのある数学を最後に持ってきたことで、終わり方にすごい広がりが生まれたのも良かったです。

(上野さん)
伝えたいことをどこでどう出すかも大事だと思っていて。結論が話すより先にバレてしまわないように、アニメーションを使って観客の目を誘導することも意識的に行いました。

あとは、特に難しいHLACの説明部分では、オーディエンスのアテンションが下がらないよう、少しでもキャッチーにしようと、アニメーションを組み込んだスライドも作っていきました。おそらくエンジニアさんからしたら抽象化・簡素化しすぎだとお叱りを受けると思うのですが、ここでも、とにかく初見の方に概要を掴んでいただくことに重きをおきました。

そんなふうにスライドのデザインを見て理解してもらえることが増えたことで、僕のほうでは、スライドで伝えることと言葉で説明する箇所の使い分けや、原稿の内容や、読む強弱も合わせて変えていきました。

Before


After


Before 


After


(河邑さん)
ぜひ、動画でみてもらいたいのですが、本当にわかりやすくなりました。

ーー素晴らしいサポートですね。
ICC本番に向けて他に意識されたことはありますか?

言葉選びと、自分の言葉になっているかどうか

(河邑さん)
実は一番時間をかけたのは、言葉選びでした。相当こだわってやりました。

(上野さん)
そう、ギリギリまで言葉選びと、話す順番を最終調整して。
スライドそれぞれにテーマを設定しているのでスライドで言いたいことが独立している。そうすると、スライドとスライドの相関とか全体のストーリーから聞き手が置いていかれてしまうことがある。だから、スライドを超えた流れが伝わるように、接続詞を敢えて丁寧に使ったり、敢えて各所に同じ言い回しやキーワードを散りばめたり、強調したいことについて、それ以前のスライドに伏線をはっておくといったことを意識的に、地道にやりました。

伝えたいことって、繰り返せば繰り返すほど、印象に残るじゃないですか。
それがシンプルな言葉ならさらに伝わるんですよね。

(河邑さん)
あとは、自分が発する言葉が、全て自分の言葉になるまで、徹底してプレゼンの準備をしました。

(上野さん)
初めてプレゼンを聞いた時点では、一緒に言葉を選んでいる段階というのもあり、言い慣れず、読んでいる感じがありました。それから4日後のプレゼン本番では、ものすごく伝わる話し方になっていて、「完璧!」と言いながら見ていました。

プレゼンって構成や資料の良し悪しもあるんですけど、最後はほんとに練習が大切で、何回練習するかで、クオリティーの差がすごい出るものだなと、今回改めて教えてもらいました。

(河邑さん)
30回以上自分のプレゼンを録音して、それを聞き返しながら何度も練習しました。
あとは、お風呂でずっと練習していました(笑)

ーーICC優勝の裏側にあった、熱い話を聞かせていただく事ができました。
IVS参加についてもお聞きしたいのですが、IVS参加のきっかけはなんですか?

(河邑さん)
ICCで優勝したので、次で負けたらと考えると、怖さも少しありましたが、やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がいい、まだまだアダコテックの魅力を多くの方に伝えたいと思い、参加を決めました。

ーーなるほど。そして、また優勝してしまう河邑さんは本物ですね(笑)

(河邑さん)
ICCパートナーズ代表の小林さんにもたくさん指導をいただきましたのでそのおかげです。実際ICCのスライドで使った、プラレールも小林さんのアイデアなんです。そもそも、検査というものに、普段触れていない人からすると、イメージするのが難しい。プラレールを使って、レールに流れてくるものを撮影し、異常を検知するということを、表現したらいいのではないかと、かなり具体的なアドバイスを頂きました。

ーー検査をわかりやすく伝えるために、プラレールのアイデアが出てくるのはすごいですね。

(河邑さん)
小林さんの指導は秀逸です。僕のプレゼンを一回見た後に、小林さんがフィードバックをくださり、小林さん流のプレゼンを見せてくださるんです。そのプレゼンの言葉遣いがすごく参考になりました。あとは、投資家に刺さる表現の仕方や、チームを紹介するスライドがあった方がいいなど、プラレール以外にも、沢山アドバイスをいただきました。

<ICC当日のプレゼン>


秋葉原での思い出

(河邑さん)
あとこれは、ちょっとした思い出なんですけど、プラレールの上に、ファミコンのソフトの中にある、基盤を乗せようとと思って、秋葉原に買い出しに行きました。
それで、帰って開けてみたら、中身が全部違ったんですよ。これには驚きました(笑)

ーー河邑さんが、秋葉原に買い出しに行っている姿は、なかなかイメージできないです(笑)
次に、二冠を果たしてから変わったことや、嬉しかったことはありますか?

アダコテックが通じる世界に

(河邑さん)
何より社員がめっちゃくちゃ喜んでくれました。IVSは、コロナの影響でオンライン開催になり、オフィスから参加したのですが、優勝の瞬間、周りにいてくれた仲間たちが、ウォー!と喜んでくれて、すごく社内の空気がポジティブになりました。柿崎さんが、優勝したしプロダクト出さないと!この流れに乗らなきゃ!みたいに言ってくれたり、みんながSNSとかでも、知名度上がっちゃいましたー!みたいなことを、発信したりしていたのを見て嬉しかったです。そして、知名度が上がったことで「アダコテックってなに?」から、「アダコテックです」と自信を持って言えるようになったのが、優勝してよかったと思う1番のポイントです。

次なる目標

ーー最後に次の目標を教えていただけますか?

(河邑さん)
そうですね。まずはみなさんから頂いた、嬉しい評価に応えるべく、お客様との連携をより強くしていき、新たなるプロダクトのリリースにも注力していきたいです。そして、私たちと共に、モノづくりの進化と革新を支えてくれる、アダコテックの仲間を、もっと増やしていきたいです。

ーーインタビューありがとうございました。
ICC、IVS二冠、本当におめでとうございます。

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