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①新時代の教育『25人学級を始めた山梨の取り組み』

Photo by The Chaffins on Unsplash

山梨県、25人学級の効果と挑戦を語る

2021年4月、山梨県は全国で初めて小学校1年生を対象に「25人学級」を導入し、教育の質向上を目指す新たな一歩を踏み出しました。その後、2022年には小学校2年生にも対象を拡大し、少人数学級の試みは広がりを見せています。少人数学級の導入には教員の確保や施設の整備などの課題が伴いますが、教育関係者はその効果を強調し、「メリットがデメリットをはるかに上回る」と話しています。

今回は、なぜ山梨で働くことが教育の観点から良い選択肢となるのかを紐解いていきます。


「指名される安心感」— 少人数学級の効果

25人学級においては、児童一人ひとりに発言の機会が増え、教員が個別に対応しやすくなる。

「人数が少ない分、子どもたちが多くの体験を得られる」

子どもたちの学習環境が充実していることを実感している先生も多い。

また、30人以上の学級では手を挙げることが難しい子どもたちにも、より積極的な参加が促される。


負担軽減と時間の使い方

少人数学級のメリットは、学習面だけでなく、教員の負担軽減にもつながります。
教員が児童一人ひとりにきめ細やかな指導を行うことができ、そのための時間を十分に確保できるのです。特に、学期ごとの通信表に記載されるコメントや生活指導が個別に対応しやすくなり、教員の負担が軽減されたと感じる教員も多いです。
また、少人数クラスでは生活指導の時間も大切にされ、特に1年生から2年生にかけては生活習慣を学ぶ貴重な期間です。ある学校では1年生に対し、トイレや水道の使い方まで一人ひとりに教えており、このような細やかな指導が可能になったことを評価しています。


課題もあるが、それを上回るメリット

一方で、少人数学級の運営にはいくつかの課題もあります。教室がすべて埋まってしまう学校も出てきており、空き教室の確保が難しい状況です。心電図検査の際に図書室の一角を使うなど、物理的な制約もあります。しかし、教員たちはこれらの課題を乗り越える方法を模索しており、少人数学級ではきめ細かな指導ができることが最も重要だと考えています。

また、県は「少人数学級を進めることで、一人ひとりに寄り添った教育が実現できている」と評価しており、今後も支援を続けていく方針です。


子どもの可能性を広げる教育環境

山梨県の教育における最大の目標は、すべての子どもが自分の可能性を最大限に発揮できる環境を提供することです。
長崎幸太郎知事は「家庭環境に関係なく、どの子どもも平等に教育を受ける権利がある」と語り、少人数学級を通じて、発達障害を持つ子どもや個性豊かな子どもたちにも十分なサポートができる教育環境を作り上げていくことを誓っています。

山梨県は全国学力・学習状況調査において、トップクラスの自己肯定感を持つ子どもたちを育てており、この「自己肯定感」や「人の役に立ちたいという心」は、県の教育における大きな強みです。このような教育環境が、25人学級の導入を通じてさらに強化されることが期待されています。


予算増でも「25人学級」の拡大を推進

少人数学級の拡大には当然、予算が必要です。2020年には1学年あたり約3億円の追加予算が必要だと発表されましたが、長崎知事はその重要性を強調し、予算増にも前向きな姿勢を見せています。さらに、教員不足の解消に向け、県内の公立学校で勤務する教員には奨学金返還補助制度を導入するなど、人員確保に向けた取り組みも進めています。

「私たちは子どもたちに『私はできる』という自信と、『世の中の役に立ちたい』という志を持たせる教育を提供したい」と長崎知事は述べ、今後も少人数学級の拡大を進めていく方針を示しています。

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