こんにちは!増井電機です!
今回は、新卒で入社したテストエンジニアの平井さんにお話しをうかがいます。転職での苦労を経て、「評価の奥深さを知った」と話す平井さん。入社後の業務・現在の仕事・やりがいについてを紐解きます。
登場人物:増井電機株式会社 平井 高志(ひらい たかし)
2012年 増井電機株式会社に入社。ソフトウエア評価を数年経験した後、自動化開発に従事する。趣味はカラオケやドライブなど。
就活を乗り越えたどり着いた、評価の仕事。
ーー 大学では、どんなことを学ばれていましたか?
もともとパソコンをさわるのが好きで、中でも動かすためのソフトウェアの仕組みに興味がありました。どこで学べるのかを検索したところヒットしたのが、大学で学んでいた情報システム工学だったんです。
大学では「グラフ理論(※1)」をテーマに研究していたので、せっかくであれば学んだことを活かしてシステムエンジニアに...!と思い就職先を探していました。ただ、思うように決まらなかったんです。
関西だけでも、50社ほど選考を受けた記憶がありますが、うまくいかず...。面接に苦手意識があったことはもちろんなのですが、「なぜ落ちてしまったのか」という振り返りがたりなかったと今となっては思います。ただ、当時は気持ち的にも余裕がなくなっていました。
ーー 評価という仕事を見つけたきっかけを教えてください。
そんな中ネットで見つけたのが、”評価”という仕事です。何を作っても開発フローは同じ(※2)なのですが、中でもテスト工程に近いものを感じたんです。見つけた時は、「これは!」と思って...。
その時たまたま発見したのが、増井電機の求人だったんです。自宅(奈良某所)に近い場所で、ソフトウエア評価の仕事ができる...。早速応募すると当時の専務(現社長)と話すことになり、結果入社するに至ります。
※1 現実世界にある様々な事象を頂点と辺で表現し、図形的に可視化することで、より効果的な分析を行うことができるという理論。
※2 ソフトウェア開発のフロー
・要件定義
企画提案にもとづき、システム化する業務や必要な性能などを明確化し、要件定義書を作成する
↓
・外部設計
要件定義書をベースに、ソフトウェア開発における仕様や全体像を決める
↓
・コーディング
仕様書や設計書にもとづき、コンピュータ処理の可能な言語でプログラムを記述する
↓
・テスト
システムが仕様書・設計書どおりに動くかどうかを確認する
↓
・リリース
運用テストまでクリアし正常動作することが確認されたソフトウェアを納品する
↓
・保守 / 運用
大事なデータのバックアップ、システムの稼働確認、障害発生時のサポートなど
評価って、実は奥が深い仕事だ。
ーー はじめて担当したプロジェクトは、どのようなものでしたか?
この後のお話は、”評価”と”テスト”という表現を使っていきます。わかりにくいかもしれないのでお伝えすると、評価=大項目、テスト=小項目です。 “評価”は、判断を下すための業務名称そのもの。”テスト”は、評価のために実施する試験内容ひとつひとつをさします。
ここで本題に戻りますが、入社してはじめて担当した業務は、複合機のソフトウエア評価でした。オンボーディングの流れとしては、以下の通りです。
・タッチパネルの操作〜結果の入力まで、評価におけるテストの初歩を一通り覚える(OJT)
肌感ですが、この工程でひと月ほどかかりました。不具合が発生した場合は、その内容をまとめた「不具合レポート」と呼ばれるものを作成します。
↓
・簡単なテスト実施を、実際の仕様書に従い自身で行う
不明点は先輩に聞きながら、毎日繰り返し行います。
↓
・実際に依頼されたプロジェクトで、本格的にテストを主導する
一連の業務を難なくできるようになるまで、だいたい1年ほど。慣れてくると、様々な内容のテスト実施を担当することになり、仕事の幅も比例して広がっていきました。同時に、仕様書の作成も自力で行うようになり、最終的には1年半かかりましたね。
ーー 評価という仕事をしてみての感想を教えてください。
「評価って、本当に奥が深い。」これが、私がソフトウェア評価に関わって実感したことです。というのも、複合機だけでも数種類のテスト内容を行う必要があります。以下がその一例です。
・画面の表示が誤っていたり、見にくいことはないか
・各機能が正常に動いているか
・あえてエラーを発生させて、復旧後の動作に問題がないか
「テスト=各機能が正常に動作すること」だと思っていたので、「人為的にわざとエラーを発生させること」は想定外でした。
ーー 一方で、苦労したことはありましたか?
読み手目線を、どれだけ意識できるかですね。
テスト中に不具合を発見した場合、発生した事象・発生手順をまとめ、不具合レポートという形で報告しなければなりません。ここで私の失敗談なのですが、把握している自分の目線でレポートを作成してしまった結果、思った以上に省略してしまったりわかりにくいレポートになってしまったこと。「このレポートをはじめて見て、記載した通りに操作できるか」という、読み手。
例えば、不具合を発生させる手順で具体的な方法を記載していないなど、自分自身で把握している内容を省略してしまう癖がありました。結果、読み手が理解できる文章になっておらず…。先輩メンバーに都度を指摘されながら、修正していました。
評価だけが仕事じゃない。テスト自動化プログラムの開発にも挑戦。
ーー テスト自動化も担当されているのですね。
当時の先代社長から、「テスト自動化を大々的に行う」という号令がかかりました。2014年のことです。
社内から希望者を募っている時に、たまたま先代社長から「ハードウェアに興味はありますか?」と聞かれたんです。私自身、ハードウェアの構造に興味があったこと。学生の頃ですが、プログラミングを一部担当していたこと。要素が重なって、このお誘いを受けることにしました。
ーー 自動化プロジェクトで苦労したこと、一方でやりがいは何ですか?
開発するのものが“装置”なので、ハードウエアとソフトウエア両方を駆使する大掛かりなもの。特に先代社長からは、メカ / 電機系の内容。現社長(当時 専務)からはソフトウエアの知識を取得しながら進めていました。
例えば、ハードウエアの中でも配線作業の経験はなかったので、先代社長に直接教えていただきました。配線を装置内の決められたスペースに収めるのがとても難しく、何度もやり直しましたね。センサー機器など装置で使用する制御プログラムでは、いくつも不明点が発生して…。そのたびに、メーカーに問い合わせていました。今となっては、良い思い出です。
装置を夜間にテスト稼働させることもあるのですが、改善し始めたばかりの時は途中で動作停止することも多くて…。朝出社しては少し落ち込みながら、その都度プログラムの修正を繰り返し行い、安定動作させるまでにとても時間がかかりましたね。
課題をひとつずつクリアしながら、チームで試行錯誤して…。結局完成まで1年半かかりましたが、完成した時の達成感は他では味わえないものでした。
評価項目は1000以上、4カ国仕様…。評価の世界。
ーー現在のプロジェクトを教えてください。
車載機評価の自動化プロジェクトです。全体で10名体制、増井電機からは3名が活躍しています。
車載機とひとことで言いましたが、評価項目の数はめちゃくちゃ多いんです。不具合や状況によっては評価期間中に変動することもあるため、正確にお答えすることは難しいのですが…。ざっと1000項目以上あると思います。
項目例としては、以下の通りです。
・車のエアバッグが作動後、音声ガイダンスが流れるか。
・オペレーターとの音声通話が行われるかどうか。
・車のSOSボタンを押下後に、エアバック時と同様の動作が行われるか。
・4カ国仕様(JP / USA / 中国 / インド)それぞれの評価項目に適しているか。
実際の評価は、以下のフローで進めていきます。
・テスト内容の分析 / 検討
評価で使用するテストツールを、どのように操作をすればテスト操作が実現できるかを分析します。また、操作結果のログを元に、判定する内容を検討します。
↓
・操作 / 判定内容の設計
前段階の内容を元に、プログラム設計書を作成します。
↓
・操作 / 判定内容の実装
前段階の内容を元に、Pythonを使ってコーティング〜単体テストを行います。
↓
・自動化シナリオの作成
前段階で実装したプログラムを用いながら、操作する一連のフローを実行するためのシナリオを作成します。
↓
・自動化シナリオの動作確認
前段階で作成したシナリオを実行し、一連の操作が行えているかを確認します。
ー一 1日のスケジュール・仕事を教えてください。
勤務形態としては、お客様先に出社して進めていきます。チームについては、同じ奈良事業所に3名、派遣先の案件リーダー社員が在籍中です。
スケジュールは以下の通りです。
・9:00〜11:00 前日夜に仕掛けた自動化シナリオの動作確認(不具合があれば、シナリオ / プログラム修正を行います。)
・11:00〜12:30 新たに取り組むテスト内容の分析/検討
・12:30〜13:30 昼休憩
・13:30〜14:00 操作 / 判定内容の設計及び実装
・14:00〜15:00 dailyMTG(進捗確認と課題/解決内容を話し合います。)
・15:00〜17:00 自動化シナリオの作成、操作 / 判定内容の設計と実装
・17:00〜17:30 日報入力他事務作業
・17:30〜18:00 夜間実行シナリオの準備
・18:00 退社
※自動化を進めるために、夜間に機械の無人運転を行います。
困難も喜びも、チームで分かち合いたい。
ーー 平井さんの描いているキャリアを教えてください。
技術は日々進歩しています。私自身が取り残されないよう、常に新しい情報を取り入れて仕事に臨みたいですね。
ーー 最後に、候補者の皆さんに向けたメッセージをお願いします!
自動化プログラムの開発は、一見難しそうなイメージを持たれるかもしれません。でも、経験値問わず意思がある方であれば、ぜひ入社してほしいんです。だって、私含めたメンバー全員でサポートするので。プログラムの実装には、どうすれば良いか悩むことだってありました。そのたびに、メンバー全員で知恵を出し合って解決してきたんです。
不安になる事はありませんし、取り組んでいるうちにできるようになります。開発したプログラムが問題なく動作した時は、「やった!」という言葉が口から出てしまうはず…。あなたの喜びを、私も分かち合いたいと思っています。
皆さんとお会いできることを、楽しみにしています!