愛知県名古屋市緑区に店舗を構えるCafe spico。2023年4月から、3Steadyが運営会社を務めています。
「まだ整いきっていない部分がたくさんあるお店です。ただそこが面白い」とCafe spico店長の松川さんは語ります。今回はCafe spicoで働く魅力や3Steadyと共に思い描いている将来のお店の姿などについて、松川さんに詳しく伺いました。
松川ゆうな / Cafe spico 店長
専門学校卒業後、株式会社ベストプランニングに入社し、ホテルの婚礼調理職として従事。2018年に同グループのゲストハウスへ異動し、結婚式場の調理職として働く。2020年4月にCafe spicoへ転職し、2021年1月には店長へ就任。2023年4月から、3Steadyがspicoの運営会社を務めている
従姉妹の結婚式がきっかけで結婚式場の調理師という道へ進むことに。
ーー調理師の専門学校に通われていたと伺っています。調理師を目指されたのには何かきっかけがあったのでしょうか?
高校まではずっと部活動に専念していて、進路のことを全く考えていませんでした。だから3年生になっても、どのような進路に進むのかがなかなか決められませんでした。
そんなときに、従姉妹の結婚式に参加したんです。出された料理がすごく美味しくて、感動して。それがきっかけで、結婚式場で料理を出す調理師になりたいと思うようになりました。
ーー専門学校卒業後に、ブライダルを行っている企業へ入社をされたと。ベストプランニングでの業務内容を教えてください。
結婚式で出す料理を作る調理師として働いていました。基本的に結婚式は週末に行われるので、平日は仕込みを、当日は盛り付けを行っていましたね。
当時はコロナ前だったこともあり、1日に最大5会場の料理を担当することもあって。一日に数百人分の料理を用意しなければならず、かなり忙しく働いていました。
1年目は主に下処理を担当していましたが、2年目からはソース作りやお肉料理の調理などの仕事も任せてもらえましたね。
より裁量が大きく、お客様と関われる環境へ。
ーーそこからゲストハウスに異動されたのはどのような理由からですか?
ホテルの婚礼調理職だとお客様と関わる機会がほとんどなかったからです。季節限定のイベントでお客様と接することもあったのですが、基本的には調理室で仕事をしていました。
もう少しお客様と近い距離で仕事をしたいなと思っていた矢先、料理長から「同じ系列の結婚式場で働いてみないか」と声をかけてもらって。それで転職を決意しました。
ーーではゲストハウスに移ってからはお客様と接する機会も増えたと。
そうですね。例えば、披露宴の前にガーデンで行われるセレモニーでゲストの方にお料理を勧めたり、フランベの演出を行ったり。常にお客様と対峙するわけではありませんでしたが、接する機会は増えたと思います。
またホテルにはさまざまなお店があってたくさんの人がいたのですが、結婚式場だとスタッフの人数も限られていて。仕込みから調理、盛り付け、提供まで一通りの業務を任せてもらえて、いい経験が積めたと思っています。
ーーかなり裁量が大きくなったわけですね。苦労も多かったのではないでしょうか?
スタッフが料理長と私の2人になってしまったこともあったんですよ。披露宴当日までに、どうすれば人数分の料理を同じ見た目で、同じ量作れるのか、段取りを組むのが大変でした。
あと、お客様の中にはアレルギーをお持ちの方ももちろんいらっしゃるので、そこの管理・対応も苦労しましたね。とはいえ、結婚式場でそのような経験が積めたのは、今振り返ると、学びが多かったと思いますね。今お店を運営するにあたって、非常に役立っています。
「自分のお店を持ちたい」という新たな目標が芽生え、Cafe spicoへ
ーー自分が求めていた環境で働けていたのかなと思うのですが、転職をされるんですよね。その理由はどのようなものですか?
ゲストハウスに異動して2年ぐらい経ったときに、いつか自分のお店を持ちたいなという新たな目標ができたんですよね。明確なきっかけがあったわけではないのですが、趣味がカフェ巡りで、いろいろなお店に行っているうちに次第に憧れを抱くようになりました。
その憧れのお店のひとつがspicoだったんですよね。初めて訪れた際に感じた暖かい雰囲気だったり、食べて感動した美味しい料理だったり。こんな魅力のあるお店をいつか自分で開けたらなと。
その時に、ちょうどspicoでスタッフの募集をしていて。応募をしたら、ご縁をいただけて、入社することになりました。
ーー現在はspicoで店長を務めていらっしゃるんですよね。
2021年1月から店長を務めています。調理やホールの業務、仕込みや発注、新メニューの開発、SNS運用、MEO対策など担当する業務は多岐に渡ります。
また現在は約10人のアルバイトスタッフがいるので、シフト組みやオペレーションマネジメントも行っていますね。新人スタッフに対する教育は、基本的にアルバイトスタッフにお願いしていますが、私もサポートに入ることはあります。
ーーspicoの魅力を教えてください。
バターチキンカレーやハンバーガー、パンケーキが非常に人気で、遠い方だと片道1時間ぐらいかけて店舗に足を運んでくださる方もいます。またホットカフェラテにはラテアートを施していて、お客様には喜んでもらえていると思います。あとはスタッフの人柄もいいですし、暖かい雰囲気のお店です。ゆっくりと気分良く過ごしていただける点はspicoの魅力ですね。
決められていないから面白い。spicoでなら1からお店作りに関われる
ーー2023年の4月からは3Steadyが運営会社になったと思います。どのような変化がありましたか?
まだ大きな変化はありませんが、今後は3Steadyが扱っているアパレルグッズや紅茶の商品などをspicoに置くという話が出ています。あとお店の奥にガーデンがあり、そこに屋根を作って、席数を増やす予定もありますね。
私が入社したのはコロナ禍のタイミングで、これまでずっと時短営業だったり、お酒が出せなかったりを繰り返してきていたんですね。最近になってようやく通常通りの営業ができるようになってきたので、お店をより多くの人に知ってもらいたいですし、売上を伸ばしていきたい。それを実現できるように、さまざまなアイディアを3Steadyさんと相談しながら考えているところです。
現在spicoに置かれている、3Steadyが扱っている雑貨
ーー具体的にはどのようなアイディアを考えているんでしょう?
3つあります。1つ目は新メニューの開発ですね。これまでにもドリンクだったり、デザートだったりと新しいメニューはたくさん作ってきたんですが、お客様が喜んでくれるものであれば、今後も増やしていきたいと考えています。
2つ目はチームの体制を整えること。オペレーションの部分がまだまだ整いきっていないところには課題感を抱いていて。マニュアルもまだちゃんとしたものは作れていないので、そこはスタッフや3Steadyの方とも話し合いながら整えていきたいなと思っています。
3つ目はSNSの発信。いまは基本的に私が投稿内容やハッシュタグを考えてアップしていますが、スタッフにも手伝ってもらえるようにしていきたいなと。実店舗の広報をやりたい人がいれば、ぜひ一緒にやってもらえたら嬉しいですね。
ーーさまざまな部分を整備していき、売上を伸ばせるような体制作りを行っていくと。
そこがspicoで働く面白さでもあると思っています。前職では、決められたメニューを、決められたオペレーションに沿って、決められた日までに完成させることに注力していましたが、spicoでは1からさまざまなものを作り上げることができるので。自分のアイディアを形にしていける面白さがあって、そこはやりがいのひとつです。
例えば、私はspico特製のはちみつシロップを使ったレモネードソーダという新メニューを開発して、いまでは1日に10杯は出ています。ドリンクメニューは50種類ほどある中でも人気商品になっているので、とても嬉しいですね。
ーーそれぞれの意見が反映されやすい職場でもある。
そうですね。あとはお互いの意見を尊重し合える、とてもいい人が多い職場です。開業から関わっているベテランスタッフもいて、私も勉強になることをたくさん教えてくれますね。年代に関係なく、スタッフ同士で遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりもしているぐらい仲が良いので、みんなのびのびと働いていると思います。
spicoは将来自分のお店を持ちたい人にピッタリの職場
ーー将来自分のお店を開きたいとおっしゃっていましたが、いつ頃を考えていますか?
具体的にはまだ考えられていませんが、少なくとも5年はspicoで勉強したいなと思っています。今までに経験してこなかったお菓子作りだったり、ラテアートだったりといろいろなものを自分で考え、作り出せるので。
それに、別の店舗をオープンするという話も3Steady代表の近藤から聞いているので、そこにも携われたらなと。ゼロからお店づくりをする経験が積めれば、自分のお店を開くときの参考になると思うので。
ーー最後にどんな方と一緒に働きたいと思われているのか、教えてください。
お客様と触れ合う機会が多いので、明るくて前向きな方。あと自分と同じように将来お店を開きたいとか、食に関わる仕事をしたいとか、そういった方だとマッチすると思います。まだ整いきっていない部分を、楽しみながら一緒に作り上げてくれるような方だと嬉しいですね。とにかく暖かい職場だと思いますので、少しでも気になれば一度お話できたらなと思います。