【必読の書】PM力が上がる特別な3冊
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株式会社クリエイティブテックスタジオがお届けする、【マネジメント虎の巻】シリーズ!
弊社はシステム開発領域のPMを生み出す会社として日本一といっても過言ではないほどのノウハウを持つ、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナル集団です。
門外不出・社外秘のマネジメント方法論ですが、その一部をご紹介していきます!
今回のテーマは、『プロジェクトマネジメント力が上がる特別な3冊』。
プロジェクトマネジメントの専門書をあえて外した、弊社代表人見による選書です。それぞれの本の内容から少し、PM業務に繋げられるポイントも取り上げて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
◆本コンテンツのゴール
プロジェクトマネジメントにも有効な本を知り、自分のビジネスに活用できる情報を入手する
◆こんな方にオススメ
・プロジェクトマネジメントをまずは気軽に学んでみたい方
・専門書は一読したが、もっと広くマネジメントに使えるTipsを吸収したい方
◆「プロジェクトマネジメント力が上がる特別な3冊」
1冊目『ザ・ゴール』
『ザ・ゴール』は元々、製造業向けに「制約条件の理論」を提唱した本です。
出版は1984年であり、高度成長期でトヨタなどをはじめとする日本の製造業が海外にも名を響かせていた頃に出た本で、小説仕立てになっています。
主人公である経営に行き詰まった工場長が、業務改善のため試行錯誤していくストーリーとなっており、その方法が理論立てて解説されています。実用的なノウハウはもちろんのこと、主人公の葛藤なども描かれていて、読み進めやすい一冊になっています。
『ザ・ゴール』から学ぶポイント ー制約条件の理論ー
“アウトプット”には、そのアウトプットを製造するまでの“プロセス”があり、そのプロセスの中には“ボトルネック”というものが存在しています。
「ボトルネックによってアウトプットの最大量は制限される」これが制約条件の理論です。
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例えば、あなたがカフェを経営をしているとしましょう。
そのカフェで、パンとコーヒーの朝食セットを提供する仕事を考えます。
仕事内容は①パンを焼くこと、②コーヒーを淹れること。作業する店員は1人です。
カフェにはトースターが1台あり、3分でパンを1枚焼くことができます。コーヒーはポットで用意されていて、3秒で1杯のコーヒーを注ぐことができます。
朝食を作るというアウトプットを考えたときに、このプロセスの“ボトルネック”、あなたが改善に乗り出すべき点はどこになるでしょうか。
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答えは、“トースター”です。
コーヒーは3秒で1杯注ぐことができるので、10杯淹れようと思っても30秒で作ることができる一方で、パンは1枚焼くのに3分かかります。
ここでのアウトプットは“朝食セットを作ること”なので、=コーヒーとパンを同時に提供する必要があります。コーヒーだけスピーディーに提供できても意味がありません。
また、店員を増やしてもパンとコーヒーの用意にかかる時間は変化しないので、朝食セットの提供量を増やすことには繋がりません。
したがってこのカフェでアウトプットの最大量を増やすためには、トースターにかかっている制限を緩和・解除しなければなりません。トースターの台数を増やしたり、性能の良いものに替えたりすることでパンをできるだけ早く、多く焼ける状況を作ることが必要になります。
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ボトルネックを見極めて、そこに正しい対策・改善を施さなければブロジェクトのアウトプットは大きくならないということ、これはプロジェクトマネージャーの仕事にも活用できる部分です。
例えば、開発が難航しているプロジェクトにプログラマを何人投入しても意味がない場合があります。
必要なのはボトルネックを見極めること。開発が難航している理由は設計書や要件定義書の内容に不備があるからかもしれません。そうであれば対策はプログラマを増やすことではなく、上流工程成果物のチェックと再作成です。
PMも制約条件の理論を意識しながら意思決定をすれば、プロジェクトのアウトプットをより高めることができるようになります。
2冊目『イシューからはじめよ』
この世にはさまざまな仕事がありますが、あなたは本当にやる価値のある仕事をしていますかと問うている本です。
仕事には、「効果的な仕事」と「効果的でない仕事」が存在します。
新人社員が雑用に近い作業を任されているようなケース。その社員はミーティング中、積極的な参加をせず、延長コードを持ってきたり、既に消されているホワイトボードをさらに綺麗にしようと何度も拭き取ったりしています。特に目立った汚れもなく、使用できる状態のホワイトボードを何度も何度も拭き取る仕事は果たして効果的でしょうか。
仕事の中には価値のある仕事とそうでない仕事があり、あなたは価値のある仕事に取り組むことができていますか、ということが『イシューからはじめよ』では提起されています。
『イシューからはじめよ』から学ぶポイント ー答えが出せる仕事に取り組むー
プロジェクトを進めている中で、追加費用が発生することになった時。
追加費用は絶対に必要だという状態で、これを伝えたらお客様からはどのような反応があるか、社内で議論が起きるというのはよくあることかもしれません。
こういったことは無駄であると本書では言及されています。
なぜなら、答えが出せないからです。
伝えないことにはお客様の反応は分かりません。お客様の反応を予測するような議論は全く意味がないのです。
ここで必要なのは、悪い反応があった場合と特に悪い反応がなかった場合の2パターンを両方想定しておいて、それぞれの対処を決めておくことだけです。
「答えが出ないのに、ついつい考えてしまう」ということを人はやってしまいがちですが、答えが出ない問題についてはまず放置する、そして、解決するべき価値が高い問題に優先的に着手する。
すべての仕事に通じる考え方です。
3冊目『マンガでやさしくわかるNLPコミュニケーション』
コミュニケーションやカウンセリング、コーチングでよく使われているNLP(神経言語プログラミング)をマンガで紹介している本です。
NLPは1970年代中頃、優秀と名高かった3人の心理療法家たちの技術を言語化・体系化する取り組みから開発されたものです。
心理療法家が使っている技術を応用することで、現在ではコミュニケーションやコーチングに役立てられています。
『マンガでやさしくわかるNLPコミュニケーション』から学ぶポイント ーフレーミングとリフレーミングー
フレーミング…「人は自分のフレームを通して物事を見ている」
Aさんという人があなたに対して抱いているイメージ(=フレーム)を2パターン考えます。
1.仕事をサボるやる気のない人
2.非常に勤勉で優秀な人
Aさんがどちらのフレームであなたを見ているかによって、あなたの発言に対する解釈も大きく変わります。
あなたがAさんに「ご指示のあったこのタスクは費用対効果が薄いと考えたので、こちらのタスクを進めようと思います」と伝えます。
Aさんが1のフレームであなたを見ていた場合、「いろいろと理由つけてさぼりたいだけだな。」と思われる可能性が高いですが、2のフレームで見られていた場合には「自分が言ったことに対して意見を持って逆提案までしてくれた。本当に効率的な進め方を考えている人なのだ。」と評価される可能性すらあるのです。
このように、相手のフレーム(相手からみる自分)によって、自分のパフォーマンスに対する評価は大きく変わりうるため、「相手からどのように見えているか」を把握したり、「相手のフレームが間違っている場合はフレームを正し」たり、という動きが非常に重要になります。
リフレーミング…「相手のフレームを正す」
開発が遅延する見通しが立った時、いきなりお客様に「開発が遅れます」とだけ伝えるとお客様に不安を与え、信頼関係を失うことになります。大きな問題を隠しているのではないか、依頼を引き受けられるだけの力が実は無いのではないか、こちらの状況に関してお客様は色々な想像をします。
これが相手の「フレームが歪んでいる」状態です。
誤解なのであればそのフレームをしっかりと直す必要があります。
遅延理由を正しく説明し、これまで遅延回避のために取った方策やこれからのリカバリープランなどを伝えることで、自分のフレームを正す「リフレーミング」を行い、引き続き信頼関係の上でプロジェクトを進行させていく。PMの手腕が試される場面で活用できる内容です。
◆まとめ
プロジェクトマネジメント力が上がる特別な本を3冊ご紹介しました。
いずれも読みやすく、マネジメントにはもちろん、自分の仕事に対する考え方や姿勢にも影響するような良書かと思います。今回取り上げたポイント以外にも重要な内容が沢山ありますので、ご興味のある方は手にとってみてくださいね。
弊社では他にも社員に必読とされている書籍があったり、最近おすすめの本や記事を気軽にシェアしたり、知識と経験の双方からPM力を上げる取り組みが盛んです!気になる方はぜひお話しましょう!
◆採用情報
最後までご覧いただきありがとうございました。
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