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株式会社メドエックス | 医療機関特化のSNS運用代行 × 看護師AIマッチング
僕たち以外にも、病院向けのSNS採用動画を提供するサービスはありますし、独自で取り組んでいる病院さんも多いです。
しかし残念ながら、その多くが成果につながりません。今回は、医療現場を知らない代行業者が量産する「映える動画」が、看護師に刺さらない構造的理由についてお伝えしたいと思います。
多くの医療機関がSNSを採用チャネルとして注目し始めている。Instagram、TikTok、YouTube──若手看護師にリーチするには、もはや求人広告や紹介会社だけでは不十分だという認識が、ようやく業界に広がってきたからだ。
自施設で運用している医療機関が、半年から1年で結果を出せずに頓挫してしまうケースも少なくない。
私たちが医療人材領域で日々現場と向き合うなかで見てきた失敗には、明確な共通パターンがある。本稿では、その構造を3つの観点から解き明かしたい。
「片手間運用」がアカウントを殺す
最大の問題は、そもそも運用に必要なリソースが投下されていないことだ。
SNSはアルゴリズム上、最低でも週1回の定期投稿がなければアカウントとして「認知」されない。ところが現場でよく見るのは、月に1〜2回、しかも不定期に投稿が上がるだけのアカウントである。当然、フォロワーは増えず、リーチも伸びない。それは投稿の質以前に、純粋な頻度の問題だ。
なぜ頻度が確保できないのか。理由は単純で、運用担当者が「専任」ではないからだ。広報部の片手間、あるいは現場の看護師が業務後に動画を撮って投稿している──そんな構造の病院が驚くほど多い。SNS運用が独立した業務として時間配分されていないため、構成を練ったり、視聴者目線でコンテンツを設計したりする余裕がそもそも存在しない。
さらに深刻なのは属人化のリスクだ。たまたまSNSが得意な看護師や事務職員が頑張って運用しているケースは確かに存在する。しかしその人が異動・退職した瞬間、それまで蓄積したノウハウもフォロワーも凍結される。組織として何も残らない。
SNS代行業者を入れれば解決するように思える。しかし、ここに第二の罠がある。
「映える動画」を量産する業者は、求人という観点で看護師に刺されない
代行業者の多くは医療業界の外から来ている。一般企業のSNS運用ノウハウをそのまま医療機関に持ち込むため、出来上がるコンテンツは「キラキラ笑顔の集合写真」「トレンドBGMに合わせたダンス動画」といった、いわゆる“映え”を狙ったものになりがちだ。
本来、SNSコンテンツ設計はリサーチから入るのが定石である。同領域で伸びているアカウントは何を投稿しているか、どの切り口が再生されているか、その構造を解析したうえで、自施設の特徴に落とし込む。模倣→ローカライズの順序を踏むからこそ、当たる確率が上がる。
ただ、伸びる動画をつくればいいというわけではない。何十万再生取るコンテンツを作成することは簡単であるが、求人につながる医療機関ならではの導線設計ができていなく、業界知見のないクリエイターのセンスに依存した、汎用的に“映える”だけの動画が量産される。
ここで看護師の側に立ってみたい。転職や復職を検討している看護師がInstagramで病院アカウントを見るとき、彼女たちが本当に知りたいのは何か。答えは明確だ。配属先のリアルな雰囲気、夜勤体制、教育プログラム、プリセプター制度、人間関係、子育てとの両立可否、有給消化率──つまり、求人票には書かれない「働いてみないと分からない情報」である。
“映える動画”はこの問いに何も答えていない。だから刺さらない。
採用と告知の混同が、すべてを台無しにする
3つ目の失敗は、目的とターゲットの不一致だ。
「看護師採用のためのアカウント」と謳いながら、実際の投稿内容を見ると、学会発表の様子、院内研修会のレポート、患者向けインフルエンザ予防接種の告知、市民公開講座の案内が混在している──こうしたアカウントは枚挙にいとまがない。
これは広報担当者が、SNSを「病院の情報発信窓口」として捉えているために起きる現象だ。発信したい情報をとにかく流す。結果、誰に何を届けたいのかが曖昧になる。
採用のためのSNSであれば、見せたい相手は明確だ。新卒看護学生なのか、3〜5年目の中堅で転職を検討している層なのか、出産・育児で離職した潜在看護師なのか。それぞれが知りたい情報も、響くトーンも、投稿すべき時間帯も違う。
ペルソナを絞り、その人に届くコンテンツに集中する。これができないと、誰にも刺さらないコンテンツの墓場ができあがるだけだ。
看護師採用SNSは「医療を知る」ことから始まる
ここまで述べてきた3つの失敗──リソース不足、業界知見の欠落、ターゲット不在──は、いずれも単独の問題ではない。
「医療現場を理解していない人が、片手間で、誰に向けてかもわからずに
発信している」という根本構造から派生した症状である。
看護師は、患者の生死と日常的に向き合う特殊な専門職だ。
意思決定プロセスも独特で、転職検討期間は他職種より長く
、口コミやリアルなつながりを重視する傾向が強い。
SNSで彼女たちに届くには、その意思決定構造を理解した
コンテンツ設計が不可欠だ。
「映え」ではなく「リアル」を。
「告知」ではなく「対話」を。
「片手間」ではなく「仕組み」を。
採用SNSの成否は、見栄えの良い動画を作れるかどうかではなく、医療現場の文脈をどれだけ深く理解しているかにかかっている。これが、私たちが日々数百の医療機関と向き合うなかで確信していることだ。
そして付け加えるなら──この構造を理解した瞬間、看護師採用は「広告予算をいくら積むか」ではなく「現場の何を語るか」の勝負に変わる。
資金力のある大病院ほど勝ちやすい採用から、現場の物語を持つすべての医療機関にチャンスがある窓口へ。
私たちはその転換を、現場と共につくっている。