「『人生の新しい扉を一緒に開く』という、ダイナミックな感動を味わえます」そう笑顔で語るのは、シニアマネージャーの佐護今日子さん。
高校生の頃に経験した曾祖母との別れを原点に、介護の仕事を通して福祉の道へと進み、現在は就労移行支援のシニアマネージャーとしてチームを率いています。今回は、介護の現場と就労移行支援の違いや、それぞれの仕事に感じてきたやりがい、そして若きリーダーとして思い描く「理想のチーム像」について、お話を伺いました。
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佐護 今日子 / シニアマネージャー
大学では心理福祉学部に所属し、心理学や福祉について学ぶ。在学中は大型デイサービスにて介護士として約2年間勤務し、卒業後は介護老人保健施設に新卒入社。介護職として現場経験を積んだ後、家庭の事情により一度退職する。
その後、再び福祉分野でのキャリアを考える中で、大学時代に学んだ「障害福祉論」をきっかけに障害分野への関心を深め、就労移行支援の道を志す。2023年3月、インクルード株式会社に入社。支援員として、一人ひとりに寄り添った支援やプログラム運営に携わる。2025年5月にサブマネージャーに就任、2025年9月からはマネージャーとして、チーム運営や業務体制の整備、支援の安定化に取り組んでいる。2026年2月シニアマネージャーに昇進。
福祉の原点――「後悔」から始まった介護への道
――佐護さんが福祉の世界を目指したきっかけを教えてください。
きっかけは、高校生のときに経験した曾祖母との別れでした。 施設で亡くなったのですが、私は最後、しっかり会いに行くことができていなかったんです。「また次会えるから」と後回しにしていたら、突然の訃報。 そのとき、「曾祖母は施設で本当に幸せだったのだろうか」「本当はもっと家族と一緒に過ごしたかったのではないか」という思いが胸に押し寄せ、強い後悔に苛まれました。
もし自分が施設で働く立場になれば、そこで暮らす方々の本当の気持ちに寄り添えるのではないか。曾祖母に対して抱いた後悔を、これからは誰かの幸せのために生かしたい、そう考えたことが、福祉の道を選んだ原点です。
――大学時代の学びや経験についてはいかがでしょうか。
大学では社会福祉全般を学び、将来は在宅高齢者を支える「地域包括支援センター」で働くことを目標にしていました。そのためには、まず現場を知ることが大切だと考え、学生時代から介護のアルバイトに打ち込みました。
一方で、介護分野だけに偏ると視野が狭くなってしまうのではないかという思いもあり、ゼミではあえて「障害福祉論」を選択しました。担当教授自身が当事者だったこともあり、障害のある方の雇用や社会参画について、非常に深い議論を重ねることができました。そこで得た学びは、時を経て、現在取り組んでいる就労移行支援の仕事の確かな土台になっていると感じます。
介護から「就労移行支援」へ。人生のリスタートを支える喜び
――新卒では介護職に就かれましたが、そこから就労移行支援に転身された経緯を教えてください。
介護士として、仕事には大きなやりがいを感じていました。しかし、プライベートで家族を支える必要が生じ、夜勤のない働き方を模索するようになったのです。
「福祉に関わり続けたい。でも、今の自分にできる形は何だろうか」と自問する中で、ふと大学時代に学んだ「障害福祉論」を思い出しました。そこから就労移行支援という分野に関心を持つようになりました。
調べていくうちに、自宅の近くに「ニューロワークス(現:ニューロリワーク)」があることを知り、縁を感じて応募しました。
――実際に就労移行支援の現場に立ってみて、いかがでしたか?
最初は、これまでの介護現場とは全く異なる環境に驚きました。以前は20人近い同期がいましたが、新松戸センターは支援員がトータルでも10人に満たない少数精鋭の事業所。しかも開設間もない時期だったこともあり、「自分に何ができるのだろう」と緊張感を持って日々過ごしていました。
ただ、メンバーは本当に温かく、分からないことがあればすぐに相談できる雰囲気があり、その空気感に何度も救われました。
就労移行支援の現場で特に楽しさを感じたのは、プログラムのファシリテーター(進行役)です。もともと人前で話すのが苦手で、緊張すると声が震えてしまうタイプでしたが、利用者さんが真剣にメモを取り、ワークに取り組む姿を目にするうちに、「自分の言葉が誰かの役に立っている」という実感を持てるようになりました。
――介護の現場との違いを感じる部分はありますか?
「感謝される」というコアなやりがいは共通していますが、支援の性質は大きく異なります。介護は、いかに現状を維持し穏やかに過ごしていただくかという側面が強いですが、就労移行支援は「その先のステップ」に向けたリスタートの場所です。
心を閉ざしていた方が、徐々に生き生きとした表情に変わり、「佐護さんに言われたから頑張れました」と次のステップへ進んでいく。そのダイナミックな変化に立ち会えるのは、就労移行支援ならではの面白さですね。
――支援員時代に苦労したことや、それをどう乗り越えたかについても伺いたいです。
支援員の仕事は、時に個人のスキルやキャラクターに委ねられることもあり、当時のセンターは「スペシャリストが集まり、それぞれが高いレベルで動いている」状態だと感じることもありました。一方で、メンバーの入れ替わりや新人の加入があるたびに、個人技だけでは補いきれない支援のばらつきや“抜け”が生じてしまうことに、課題意識を持つようになりました。
そこで私が強く感じたのが、誰が担当しても一定の質を保った支援を提供できる「仕組み化」の必要性です。ただし、単にマニュアルを整備して押し付けるのではなく、「これは皆さんが安心して働き、力を発揮するための土台なんです」という思いを丁寧に伝えることを大切にしました。読み合わせや意見交換を重ねながら、チーム全体で納得感を持って進めることを意識したのです。
この経験を通じて、「個人」ではなく「チーム」で支援をつくる手応えを得ることができ、それが後にマネージャーを目指す大きな自信へとつながりました。
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最年少マネージャーへの挑戦。「自分にしかできない」リーダー像
―― 入社1年半ほどでマネージャーに就任されています。早い段階でのキャリアアップですが、迷いはありませんでしたか?
正直、最初は「ずっと現場にいたい。マネージャーになったら数値管理や人材育成ばかりで、大好きな支援ができなくなるのではないか」という思いが強くありました。そのため、1on1ミーティング(KDS)でサブマネージャーについてのお話を初めていただいたときも、すぐに前向きな返事をすることはできませんでした。
心が変わったのは、去年の社員総会でした。同日入社の同期がリーダーとして活躍している話を聞いたり、他センターのマネージャーが「支援と運営の両立」について熱く語る姿に触れ、大きな刺激を受けました。
「2年間ずっと同じポジションにとどまるより、自分も動きをつけて挑戦したほうがモチベーションを保てるかもしれない」と。そうして、マネジメントの世界へ一歩踏み出す決意をしました。
――実際にマネージャーに就任してみて、視点はどのように変化しましたか?
これまでは「自分が担当する利用者さん」を第一に考えていましたが、現在はセンター全体の動き、つまり「新松戸センターというチームがいかに円滑に機能し、一人でも多くの方を安定した就労につなげられるか」という、より俯瞰した視点を持つようになりました。
特にマネージャーという立場では、新規利用者さんの受け入れ状況、支援員一人ひとりの業務負荷、さらにはプログラムの質の維持・向上など、目を配るべきことが多岐にわたります。責任の重さに不安を覚えることもありましたが、同じ立場のマネージャー同士が集まる月例研修があり、悩みを率直に共有しながら解決策を学び合える環境があることは、私にとって大きな支えであり、何よりの安心材料となっています。
――センター内で最年少のリーダーとして、どのようにチームをまとめてきたのでしょうか?
新松戸センターのメンバーは皆、私より年上で経験豊富なスペシャリストばかりです。だからこそ、私は「教える人」ではなく「一番の聞き役」に徹することにしました。
「私はまだ勉強中なので、皆さんの知恵を貸してください」と正直に伝え、何事も相談するようにしています。また、心理的な安全性を高めるために、支援に関することだけでなく、趣味のお話など、本当に些細な雑談からコミュニケーションを取ることを大切にしています。
メンバーが相談に来てくれたときは、必ず手を止めて相手の目を見る。当たり前のことかもしれませんが、「私はあなたの話を聞いていますよ」という姿勢を全力で示すことが、信頼関係の第一歩だと考えています。
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自立を促し、連携で支え合う|これからの展望
――佐護さんが目指す「新松戸センターの理想の姿」について教えてください。
一言で言えば「連携の強いセンター」です。新松戸のメンバーは、それぞれ得意なことや苦手なことが比較的はっきりしているように感じます。だからこそ、一人のカリスマが引っ張るのではなく、互いの強みを活かし合い、苦手な部分は自然とカバーし合えるような、当事者意識を持ったチームでありたい。
私たちが連携を深めることは、巡り巡って利用者さんへの支援の質に直結します。支援員が生き生きと助け合いながら働いている背中を見せることで、利用者さんにも「働くことの楽しさ」や「頼ることの重要性」を感じていただけるような、そんな場所にしていきたいですね。
――今後の佐護さん自身のキャリア展望はいかがでしょうか?
今後は新松戸だけでなく、他センターのマネジメントも兼務していく予定です。複数の拠点を俯瞰して見ることで、より経営的な目線や法律・制度に関する知識を深めていきたいと考えています。
「人材育成」といったソフト面だけでなく、「制度や配置」などの仕組みづくりといったハード面も含めて、スタッフが困りごとを抱えたときに、同じ目線で一緒に考え、必要に応じて的確なアドバイスができる存在へと成長していくことが、今の目標です。
――最後に、インクルードへの入社を検討している方へメッセージをお願いします!
この仕事は、単に優しく寄り添うだけでなく、その方の「自立」を促し、一緒に頑張り抜く強さが必要な仕事です。介護職のように「穏やかな日常を守る」のも素晴らしいですが、ここでは「その方の人生の新しい扉を一緒に開く」という、ダイナミックな感動を味わえます。
「誰かのサポートに対して熱い気持ちを持っている人」や「自分の支援がどう相手を変えるかを本気で考えたい人」にとって、ここは最高のステージです。私自身、現場が大好きでマネージャーになりましたが、今は視界が広がり、より大きなやりがいを感じています。私たちと共に、誰かの人生のリスタートに本気で伴走してみませんか?
ありがとうございました。
インクルード株式会社では、「ソーシャルインクルージョンを実現し、全ての人が活躍する社会を創る」というミッションの実現に向けて、ともに歩んでくれる仲間を募集しています。
この記事を通して、インクルードの事業や働き方に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本インタビューの内容は、2026年1月時点のものです。