「今までの経験すべてが、目の前の利用者さんの力になっている。そう確信できるからこそ、毎日が本当に充実しているんです」そう語るのは、吉祥寺センターのマネージャー及び、全社のインストラクター会のリーダーを務める滝田さん。
ヨガインストラクターとして長くキャリアを積み、スタジオ運営や講師育成の現場で活躍してきた滝田さんが、「福祉」の世界に挑戦した理由とは何だったのでしょうか。
そして、未経験からスタートし、どのようにしてセンターマネージャーとしてチームをまとめる存在になっていったのか。これまでの歩みを通して、インクルードで働くことの魅力を伺います。
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滝田 麗 / ニューロリワーク 吉祥寺センター マネージャー・インストラクター会リーダー
スポーツインストラクター歴10年超。スタジオ運営やヨガ講師の育成を経て、2022年にインクルード株式会社へ入社。コロナ禍をきっかけに「身近な健康習慣」の重要性を再認識し、就労支援の現場にて、支援員兼インストラクターとして利用者さん一人ひとりに寄り添った健康・就労面のサポートを行う。
現在はマネージャーとして運営管理を担当し、現場スタッフの育成に加え、複数センターにおける運動プログラム提供・管理を担っている。また、外部企業向けの研修やイベントにも参加・登壇し、「誰もが健やかにいられること」を社会に実装していくことに情熱を注いでいる。
支援・マネジメント・人材育成…広がる役割
ーーまずは、滝田さんの現在の業務内容について教えてください。
現在は、ニューロリワーク 吉祥寺センターのマネージャーとして、支援の現場に立ちながら運営管理全般を担っています。私が何より大切にしているのは、「利用者さんとスタッフ、双方が居心地よく過ごせる環境」を整えること。そのため、日々の支援を通じてサービスの質を維持・向上させると同時に、スタッフ一人ひとりが安心して意見を発信し、自分らしく力を発揮できる職場づくりを心がけています。
また、センターとして地域から信頼される存在であることを意識し、関係機関との連携にも積極的に取り組んでいます。
さらに、全社のインストラクター会のリーダーとして、各センターで提供される運動プログラムの調整や、インストラクター職として入社したスタッフの育成も担当しています。新しく入社したインストラクターが現場で自立するまでのサポートや教育に加え、プログラム開発に関する相談窓口としての役割ですね。
インクルードの運動プログラムは、マニュアル通りに進めればよいものではありません。インストラクターが毎週、利用者さんの状態に合わせてプログラムの中身を考え、見直すからこそ専門性が磨かれます。その過程で生まれる『生みの苦しみ』と『喜び』の両方を支えることが、私の役目だと考えています。
コロナ禍が変えた価値観と、インクルードとの出会い
ーーもともとはフィットネス業界で長く活躍されていたのですね。
はい、インストラクター歴は10年を超えます。最初は「キラキラしてかっこいいな」という軽い気持ちで始めた仕事でしたが、やってみると営業や店舗管理の側面も大きく、早い段階から店長やエリアマネージャー、さらにはヨガ講師の育成統括などを経験してきました。
ーーそんな滝田さんが、なぜ「福祉」に関心を持ったのでしょうか?
きっかけは、新型コロナウイルスの流行でした。
それまでは「健康な人が、より健康になる」ことを支える仕事に携わってきましたが、コロナ禍で外出自粛が続く中、身近な人たちが次第にメンタル不調を訴えるようになっていったのです。私自身も、思うように外に出られない状況にストレスを感じ、不調を覚えることがありました。その経験を通して、「メンタル不調は決して特別なものではなく、誰にでも起こり得るものなのだ」と実感しました。
ちょうどその頃、以前から学んできた精神医学と運動療法の知識を思い返し、「この学びを、本当に困っている人たちの力になる形で活かしたい」という想いが、次第に強くなっていきました。
そんな中で出会ったのがインクルードでした。
数ある就労支援事業所の中でインクルードを選んだ理由は、「インストラクターを専任で募集していたこと」です。単発のイベントとしてではなく、スタッフとして利用者さんと継続的に関わりながら、プロのインストラクターとして運動を届けられる。その独自のスタイルに、「ここしかない」と確信しました。
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「お客様」から「利用者さん」へ。現場で気付いた大きな違い
ーー福祉業界は未経験でのスタートでしたが、戸惑いはありませんでしたか?
正直に言うと、適切な距離感を掴むまでは苦労しました。
フィットネスの現場では、「ウェルカムな雰囲気をつくり、心地よく過ごしてもらうか」が何より大切です。その感覚のまま、入社当初は利用者さんにも明るく積極的に挨拶や声かけをしていました。
ところがあるとき、サービス管理責任者から「少し待って」と声をかけられたのです。
就労支援の現場には、心身ともに非常に繊細な状態にある方も少なくありません。良かれと思った積極的な声かけが、かえって負担になってしまうこともあります。
「対等な立場で、必要なときにそっと寄り添う」、そんな福祉ならではのスタンスを、当時の私はまだ十分に理解できていませんでした。
そんなときに、ある利用者さんから 「滝田さん、普通にしていていいんですよ」と、笑いながら言われたんです。その瞬間、肩の力がすっと抜けました。無理に「支援者らしく」振る舞うのではなく、プログラムを通じて自然に関係性を築いていけばいいのだと気付くことができました。
それ以降は、これまで培ってきたPDCAを回す力を活かしながら、失敗を恐れずに自然なコミュニケーションの取り方を模索し続けました。
今では、当時の迷いや戸惑いがあるからこそ、異業種から福祉の世界に飛び込んできたスタッフの不安にも、心から寄り添えると感じています。
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吉祥寺センターを「大人のリワーク」へと塗り替える
ーー入社後、約1年で吉祥寺センターへの異動が決まり、さらにその1年後にはマネージャーに就任されています。当時の様子を教えてください。
吉祥寺センターへの異動およびマネージャーへの昇進は、私にとって大きな挑戦でした。
当時の吉祥寺センターは、インクルードとハローワールドの統合を経て、両者の文化や価値観が混在し、まだ一つのカラーとして定まっていない状態でした。
そこで私は、センターのスタッフと共に、「吉祥寺センターのターゲットコンセプト」を一から見直すことにしました。
具体的に取り組んだ施策は、大きく分けて次の3つです。
① ビジュアルの刷新
これまで使用していた可愛らしいイラストポスターなどを撤去し、「大人のリワーク」にふさわしい、落ち着きと専門性を感じられるオフィス調の空間へとインテリアを変更しました。
② プログラムの再定義
単なる「作業訓練」にとどまらず、実際の職場で起こり得る困りごとを想定し、実務に活かせる「適応力」を高めることを目的としたプログラムへと方向性を調整しました。
③ データに基づいた集客施策
センターの支援員が作成するブログでは、「吉祥寺のリワーク」というキーワードを意識した情報発信を継続し、狙ったターゲット層にしっかりと届く内容へとブラッシュアップしていきました。
その結果、現在では利用者さんの約7割がリワーク(復職)を目的とした方となり、センター全体の雰囲気も大きく変化しました。
ーーチーム作りにおいて大切にしている価値観は何ですか?
私が大切にしているのは、「失敗を恐れないこと」、そして「納得感を持って進むこと」です。
挑戦する前から「できない理由」を並べて時間をかけて議論するのではなく、まずはベータ版として形にしてみる。そこで見えてきた課題を、チーム全体で修正しながらブラッシュアップしていく。そのスピード感を何より重視しています。
同時に、マネージャーとして「なぜこの目標を目指すのか」を丁寧に伝え、スタッフ一人ひとりが腹落ちするまで対話を重ねることも欠かせません。人が動く原動力は、理屈だけではなく「感情」だと思っています。
だからこそ、スタッフが「これなら自分にも意味がある」「やってみたい」と前向きに感じられる状態をつくることが、私の最大のミッションです。
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ーー最後に、インストラクターから福祉の世界へ挑戦を迷っている方へメッセージをお願いします。
インストラクター職の方は、「自ら考え、相手の反応を見ながら伝え方を工夫する」という、AI時代においても代替されにくいコミュニケーション力をすでに身に付けているはずです。
インクルードは、自分がこれまで学んできたことや抱いているアイデアを、「安全を大切にしながら、積極的に試せる場」だと感じています。
私自身、今も毎週プログラムを提供していますが、利用者さんが運動を通して少しずつ元気を取り戻していく姿を間近で見られるのは、この仕事ならではの大きなやりがいです。これまでの経験は、決して無駄にはなりません。今までの経験すべてが、目の前の利用者さんの力になる。そう確信できるからこそ、毎日を前向きに、充実して働けているのだと思います。
今の仕事にやりがいを感じつつも、「もっと社会の深い課題に関わりたい」と思っているなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。失敗や戸惑いの一つひとつが、必ず支援の質を高める糧になります。私たちと一緒に、誰もが自分らしく活躍できる社会をつくっていきましょう。
ありがとうございました。
インクルード株式会社では、「ソーシャルインクルージョンを実現し、全ての人が活躍する社会を創る」というミッションの実現に向けて、ともに歩んでくれる仲間を募集しています。
この記事を通して、インクルードの事業や働き方に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本インタビューの内容は、2026年1月時点のものです。