創薬やヘルスケアアプリなど、市場が急成長している医療分野。それらのビジネスに欠かせないのがリアルワールドデータと呼ばれる「医療データ」です。病院には患者の情報や診療の結果など、様々なデータが蓄積されているものの、文章で記述されていたりするためにそのままではデータとしては利用できません。
そのため、研究などで活用するにはデータをキレイに整える「データクレンジング」の工程が必要不可欠。そこで私たちが開発しているのが、医療データに特化したノーコードのデータクレンジングソフトウェア「Yuicleaner™」です。
今回は、エンジニアの栗原に医療データに関する課題と、Yuimediがどのように課題を解決していくのか、その展望を聞きました。
「自分の技術で医療に貢献でき、社会に大きなインパクトを出せる」Yuimediを選んだ理由
―まずは栗原さんの経歴を聞かせてください。
私は新卒でAWSに入社し、サポートエンジニアをしていました。クライアントからの問い合わせを元にトラブルの技術調査をして、その原因や解決策を回答する仕事です。大学で情報科学を専攻していた私は、技術スキルを磨ける仕事を探しており、そういう意味では様々な企業の課題を調査できるAWSは最高の環境でした。
しかし、2年近く働き様々なクライアントを見ていると「自分もプロダクト開発をしてみたい」と思うようになったのです。個人的にプロダクト開発が行えるプロジェクトに参画し、実際にプロダクトをリリースした経験が面白くて、転職活動の末にYuimediに転職しました。
―なぜYuimediを選んだのでしょうか。
ITの力を使って、医療に貢献できると思ったからです。例えば治験一つとっても莫大な予算がかかっているにもかかわらず、デジタルネイティブ企業と比べると業務効率を行う余地がまだまだ残されている状態。データのミスがあれば、わざわざ病院に赴いて医師に修正をお願いしているという状況です。
もしも、Yuimediのサービスで医療データ周りの業務が効率化されれば、薬を開発する予算も時間も削減でき、それだけ多くの患者さんを救えます。これまでITの勉強しかしてこなかった私が新薬の開発に貢献し、結果的に人の命を救える仕事に携われることに大きなモチベーションを感じたのです。
「そのままでは使えない」医療データが抱える問題とは
―Yuimediが解決している「医療データ」の課題について詳しく聞かせてください。
現在、製薬会社やヘルスケアの会社など、医療業界の多くの企業が病院のデータを活用していますが、病院のデータは非構造化データが多くあり、そのままでは使えません。例えば、病名一つとっても医師によって表記が違います。
電子カルテに「高血圧」と書く医師もいれば「Hypertension」と書く医師、略して「HT」と書く医師もいるのです。単なる表記揺れだけなら、該当する単語を全て抽出すればいいと思うかもしれませんが、問題はそう単純ではありません。中には「高血圧ではなかった」と書かれている場合もあります。
高血圧という症状一つとってもそれだけの課題がありますが、実際の現場での検索条件はより複雑です。つまり、病院のデータを二次利用するには、まずはデータをキレイにする工程を挟まなければならず、時間も手間もかかっています。
―Yuimediが提供するサービスを使うことで、その課題はどのように解決されるのでしょうか。
私たちは情報の「変換技術」を使って、データを扱いやすい状態にするシステムを開発しています。先程の高血圧の例えなら、高血圧を指す様々な表記に対応するのはもちろん「高血圧じゃない」というような文章も読み取り、的確に高血圧の患者だけを抽出するようなシステムです。
もちろん、シーンによって欲しいデータは千差万別。プロジェクトごとに適切に情報を抽出できるシステムを開発するほか、データベース構築などのコンサルティングも行っています。将来的にはIT知識にあまり触れてこなかった方でも、初見でデータクレンジングができるサービスを理想として開発しています。
―現在のサービスの開発状況を聞かせてもらえますか?
会社のフェーズはまだシード期で、プロダクトの状況は、あるバイオテックベンチャーのプロジェクトに参画し、データを扱いやすい形にする検証を重ねている段階です。様々な病院のデータを扱うのですが、病院ごとにフォーマットが違うのでそのままでは使えません。私たちが一つのフォーマットに統合し、欲しいデータを瞬時に抽出できる形にしていくのです。
現在はPoCとして個社ごとに機能をカスタマイズしていますが、将来的にはSaaSのような形で必要な機能が揃っているサービスにするのが目標です。今後は大学病院などの医療機関や製薬企業との共同研究のプロジェクトもあり、様々な医療データを取り扱っていきます。
コミッタークラスのエンジニアが続々ジョイン。優秀なエンジニアたちとフラットに開発できる組織
―エンジニアとして、Yuimediで働く面白さを聞かせてください。
一つは優秀なエンジニアと働けることです。現在、開発組織は私を含めて5名で、数名はNode.jsのコアコラボレータです。
そんなハイレベルなエンジニアたちと一緒に働けるので、技術スキルを磨きたいエンジニアにとってはこれ以上ない環境ですね。
―なぜそのようなハイクラスのエンジニアたちがジョインしているのでしょうか?
医療分野は市場規模の大きさの割に、まだまだアナログな文化が多く残っています。自分たちの技術を使って、医療業界を革新できることに面白みを感じているのでしょうか。
また、私たちが行っている「データクレンジング」には、医療業界独特の難しさがあります。自然言語処理やアルゴリズムを使ってどのようにデータを整理していくのか。既存の解決策のない世界で、自分たちでルールを作っていかなければなりません。そこにもエンジニアとしてのやりがいを感じているのかもしれませんね。
―開発組織の印象も教えて下さい。
とてもフラットな組織だと思います。優秀なエンジニアと働けるからといって、シニアの方たちの指示通りに開発する組織ではありません。それぞれのメンバーが機能の開発を担当していて、困ったことがあれば自由にシニアの方たちに相談できるのです。
それぞれ自分の作りたい機能開発に携われるので、大きな裁量を持って働けます。大企業から転職してきた私は、入社当初「こんなことも自分で決めていいの?」と驚きました。
エンジニアだって経営会議も営業にも参加できる。 「やりたいことベース」の働き方
―どのようなエンジニアならYuimediの開発組織にマッチすると思いますか?
私がそうだったように「自分でプロダクト開発をしてみたい」と思っているエンジニアはマッチすると思います。現在は会社の規模も小さくエンジニアでも経営戦略や営業のミーティングに参加できるので、どのように経営が回っているのか深く勉強できます。
営業にもついていけるので、希望すればエンジニアとしてプロダクトの紹介も可能です。もちろん、営業に行くかどうかは自分で選べます。
CEOも「それぞれのやりたいことを尊重する」のを重要視しているので、やりたくない仕事を強制することはありません。やりたいことがあればいくらでもチャレンジできますが、無理強いされることはないので安心してください。
―栗原さんは大企業からスタートアップに転職しましたが、実際に働いてみての感想も聞かせてください。
一番やりがいを感じたことは、自分が書いたコードが直接会社の成果に繋がるのが目に見えてわかることです。前職では自分のスキルを磨くのにいい職場でしたが、技術的な支援が大きかったのでお客様のビジネスへの直接的な貢献を行えた感覚が薄く、自らの手でインパクトを出している感覚も得られませんでした。
今は会社の規模が小さいために、自分が作った機能が実装され、それがどう評価されプロダクトの価値を上げているかわかります。それは大企業ではなかなか得られないやりがいではないでしょうか。
―最後にYuimediに興味を持った方へのメッセージがあればお願いします。
Yuimediならアイディア出しやアーキテクティングなど、新規事業ならではの直接的な意思判断を自ら行えます。とにかく技術を磨きたいという方も、ビジネススキルも磨きたいという方も満足できる環境なので、ぜひ一度話を聞きに来てみてはいかがでしょうか。
また、現在は全員がフルリモートでフルフレックスです。海外で働いているメンバーや、育児と両立しているメンバーも複数いるので、働き方に制約のある方もぜひ気軽に応募してください。