テクノロジーで医療従事者の笑顔とトキメキを取り戻す!訪問診療特化のRPAで全国シェアNo.1を目指すパイオニア 【前編】〜株式会社QUEEN’S代表 林千晶インタビュー〜
RPAなどの最新テクノロジーによる業務効率化を支援し、医療従事者が笑顔で働ける環境作りを目指すQUEEN’S。今回は、代表の林さんにサービスに込める想い、企業のサービスの特長、さらには今後の展望などについてインタビューをしました。急速なニーズの高まりを見せている「訪問診療業界」を支え、時代に合わせた医療業界改革を行う取り組みに注目です!
この記事のポイント
・笑顔で働ける医療現場へ!「モレナク」で医療事務の効率化を実現
・時代に合わせた医療業界改革を行い、テクノロジーで古い慣習を刷新する
・訪問診療のニーズに特化し、競合他社が追随できないことが強み
・専門性とネットワークで訪問診療業界における全国シェアNo.1を目指す!
おっちょこちょいな子供時代が生んだ、素直に学ぶ姿勢
Q. まずは林さんの簡単な自己紹介からお願いします!
株式会社QUEEN'S代表の林です。 5歳と7歳の子供がいて、子供との時間は特に大切にしています。夏の朝早くから息子と虫取りに出かけたり、子供たちが楽しいことややりたいと思う気持ちを最優先にして一緒に遊ぶようにしています。
これまでは、美容や保険業界で働いてきて、トップの成績を残し続けてきました。今では起業して社長になりましたが、実は子供の頃は凄くおっちょこちょいだったんです…(笑)。テレビを見ながら牛乳を飲んでいたら、だらだら〜と全部服にこぼしちゃったりして、「馬鹿だな〜」といっつも笑われていました(笑)。 でも、だからこそ素直にいろんな人の考えを吸収して、成長してこれたのかなと思っています。
医療事務の効率化を通じて、笑顔で働ける医療従事者を増やしたい
Q. 貴社のサービス「モレナク」について教えてください!
端的に言うと、クリニックの事務作業時間を最大75%削減できる、テクノロジーを活用した自動化ツールです!月100時間程の業務を削減できることもあります。
ー月100時間はすごいですね!!
そうなんです!もう少し正確に言うと、「モレナク」とは医療事務の効率アップを実現するRPAソリューションです。 RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション)は、PC入力などのルーティン作業を自動化するシステムのことです。
「モレナク」の導入により、レセプト作成時のデータ漏れを防ぎつつ、医療請求業務の自動化が可能になります。自動化により、煩雑な作業が多い医療請求業務を効率化し、医療現場の負担を軽減できます。
訪問診療の現場では、一般的なクリニック診療と比べて、多くの時間が複雑な事務作業に奪われがちです。しかし、医療従事者には、患者様と向き合って直接コミュニケーションをとるなど、人の手にしかできない重要な役割が多くあります。
RPA技術を駆使して、これらの事務作業を自動化し、医療従事者が人にしかできない業務に専念できるようサポートすることで、より質の高い医療サービスの提供を目指しています。
Q. なぜ「モレナク」のサービスを始めようと思ったのですか?
医療業界における古い慣習を一新し、ITの力で仕事に対する情熱やトキメキを持って働ける人をさらに増やしたいと思ったからです。
たとえば、Faxでの連絡や読みづらい手書きの文書など、非効率な業務プロセスが医療業界にはまだまだ多く残っていることで、多くの医療従事者が作業に追われ、本来の人のやるべき仕事にトキメキや喜び、やりがいなどを感じられなくなっています。
多くの人が古い慣習を当たり前と捉え、変化を試みないため、テクノロジーの活用が送れていることが課題の一つです。
しかし、現代はテクノロジーやAIがどんどん進化し、人間がテクノロジーをどう使いこなしていくかが重要な時代です。テクノロジーと共存することで、人だけが提供できる独自の価値を追求し、人が生きる価値を創出することが、これからの人間の課題になると思っています。
そして、RPAのような新しいテクノロジーを取り入れることで医療事務の効率化が実現し、医療従事者の方々は、笑顔で人にしかできない仕事に取り組むことができます。それがひいては医療従事者のサービスを受ける地域の人々を笑顔にしていくことにもつながるのです。
テクノロジーを活用して、トキメキを持って働ける人や笑顔になれる人を増やしたい、そうした想いから開発したサービスが、「モレナク」です。
領域特化しているからこそ、医療現場の「本当の課題」を解決できる。
Q. 訪問診療に特化した理由はありますか?
訪問診療への特化を決めた理由は、訪問診療という市場が成長している一方で、訪問診療ならではの複雑な課題が存在し、他社が容易に参入できない難しさがあるからです。
理由①:訪問診療市場が成長しているから
訪問診療は、医師が直接患者様のご自宅を訪れて行う診療サービスであり、特に病院へのアクセスが難しい高齢者や障害をお持ちの方にとっては、なくてはならないものです。
特に近年では、高齢化の進展と共に、「病気や障害があっても住み慣れた自宅で療養したい」と望む方が増えており、訪問診療のニーズは急速に高まっています。実際に、過去10年で訪問診療の件数は約2.5倍近くの80万件ほど増加し、今後も増加の傾向は続くと予想されます。
しかし、訪問医療従事者の不足は深刻です。自動化や効率化を進めることで、一人の医師が担当できる患者数を増やし、より多くの方々に質の高い医療を提供することが求められています。
理由②:訪問診療ならではの課題から、他社が容易に参入できないから
訪問診療は次の3つの理由から、仮に小規模なクリニックだとしても、総合病院と同じような複雑な対応が必要です。
◆1.多科目をカバーして改定に対応し続ける難しさ◆
訪問診療では、一つの診療科目だけでなく、内科から外科、皮膚科、眼科に至るまで、多岐にわたる診療科目に対応する必要があります。そのため、小規模クリニックの医療事務であっても、幅広い項目への対応が求められます。
加えて、国が2年ごとに行う診療報酬の改定に伴い、新たな規定や報酬体系への適応が求められ、必要とされる業務項目は数倍に増えます。このような状況は、訪問診療の複雑性を一層高め、医療事務の効率化をより重要な課題としています。
◆2.物理的な距離による連携の難しさ◆
訪問診療では、医師や助手が医療事務スタッフと物理的に離れた場所で業務を行うため、密な連携が困難です。クリニック内での直接的なコミュニケーションが取れないことから、カルテの記載内容について細かいニュアンスの共有ができないなどの課題が生じます。
◆3. 地域医療との連携を取らなければ潰れてしまう◆
訪問診療は、医師の訪問だけでは成り立ちません。地域の介護、ケアマネジメント、看護、ヘルパーといった地域の医療関係者との密接な連携が不可欠です。
しかし、現在このような連携を適切にできているクリニックは少ないのが現状です。国もこの問題に対処するために報酬制度を変更し、地域医療と連携していないクリニックには報酬を支払わないようにしています。その結果、2019年以降、地域連携に対応できず潰れてしまうクリニックが増えているんです。
このような3つの複雑な課題があるため、医療事務を効率化するニーズは大きくある一方で、他社の新規参入が難しいという背景があります。そして「モレナク」では、そのような訪問診療の複雑な課題を解決する手助けをしています。
訪問診療RPAのパイオニア、全国シェアNo.1へ!モレナクが切り拓く未来
Q. 今後事業をどのように展開していこうと考えていますか?
今後のビジョンは、来年までに200のクリニックで「モレナク」を活用していただき、訪問診療業界におけるRPAシステムの導入で全国シェアNo.1を達成することです。
この目標に向けてサポート体制を強化するために、人材を増やしていきたいと思っています。優秀な人材を迎え入れることで、これからさらに会社は成長していけると思っています。
訪問診療というニッチな分野に特化した私たちの強みは、他社と比べて群を抜いています。RPAを提供する企業は他にも数多く存在します。しかし、QUEEN’Sは訪問診療に特化しているからこそ、多くのクリニックからの信頼を獲得しています。
たとえば、一般的なRPAサービスは、医師から要望を受けたシステムしか作れません。しかし、忙しい医師がすべての制度変更を把握することは難しいです。
「モレナク」では、医療事務における最適解となるシステムを、こちら側から提案できるため、提供内容が根本的に異なります。最適解となるシステムが提案できるのは、訪問診療に特化しているからこそ、顧客であるクリニックに負けないくらいの深い知識・ノウハウがあるためです。
訪問診療の領域における独自の「専門性」と「ネットワーク」を武器に、全国シェアNo.1を取りに行ける自信があります。