リバネスキャピタルは、「ヒューマンキャピタルの力で効果的な組織経営をデザインする」をミッションに掲げ、単なる投資活動にとどまらず、ディープテックベンチャー企業の「仲間」として組織開発やバックオフィスの立ち上げまでハンズオンで支援するスタイルを貫いています。
今回は、経理代行会社での経験を経てリバネスキャピタルへ入社し、現在は投資開発事業部にて多岐にわたるプロジェクトを牽引する榎本にインタビュー。キャリアの原点やより本質的な価値提供を求めた転職の経緯、そして未経験の領域へ挑戦することで得られた自身の成長について語っていただきました。
榎本 菜々華 / 投資開発事業部
2022年に経営学部を卒業し、経理代行会社へ新卒入社。10社以上の経理支援や新人教育、業務改善に従事する。その後、より顧客と深く関われる環境を求めて転職を決意し、2024年にリバネスキャピタルへ入社。環境開発事業部でのバックオフィス支援を経て、現在は投資開発事業部に所属。ベンチャー企業の成長を加速させるための幅広い業務に取り組んでいる。
「数字」への興味から始まったキャリア。効率化の先で求めた、確かな手触り感
ーーまずは、榎本さんのルーツについて教えてください!もともと「お金」や「数字」に関わることに興味があったそうですね。
はい。きっかけは高校3年生の時に文化祭の会計係を担当したことでした。 予算を管理し、最後に1円のズレもなく帳尻が合った瞬間の快感が忘れられなくて(笑)。
当時、「利益は出さないように」と先生からは言われていたのですが、裏ミッションとして「どうすれば利益が出る構造を作れるか」を密かにシミュレーションするのがすごく楽しかったんです。 そうした原体験もあり、大学は経営学部に進学しました。
ーー大学時代はどのように過ごしていたんですか?
とにかくアルバイトに熱中していました。週の半分以上はシフトに入り、店長から「今から来れる?」と電話があれば喜んで飛んでいくような生活でした(笑)。
ーーすごいですね...!なぜそこまでアルバイトに熱中できたんでしょう?
シンプルに「正当に評価される環境」が心地よかったからですね。大学の授業だと、真面目に出席して勉強している自分と、友達に出席を任せたりして要領よく振る舞っている人の評価が同じになることが多々あります。当時の私はそれがどうしても納得いかなくて、「世界はなんて不平等なんだろう」と感じることがありました。
一方で、アルバイト先では、頑張れば頑張った分だけ感謝されるし、社員さんや店長の負担を減らすことができれば、それが明確な評価として返ってくる。自分が動くことで誰かの役に立ち、「何か困ったことがあったら、榎本に声をかけてみようかな」と、ふとした瞬間に頼ってもらえる存在でいられることが嬉しくて、ひたすら働いていましたね。
ーーその後、新卒で経理代行会社に入社されていますが、そこに至るまでの経緯を教えてください。
実は元々、公務員を目指して勉強していたんです。「安定」という部分に魅力を感じていましたし、親や先生からの勧めもありました。でも、試験勉強と並行して区役所でアルバイトをしていた時に、組織の風通しの悪さを目の当たりにしてしまって。「何かを変えよう」とアイデアを出しても、そもそも「変えること」自体が良しとされない空気感に、自分の性格とは合わないなと痛感しました。
そこから急遽、民間就職に切り替えたのですが、時期も遅かったので選択肢は限られていました。その中で、大学4年間の学習で武器になると感じていた「経理」のスキルを活かせること、そして1社だけでなく複数の企業を支援できる「代行」という形なら、より多くの人の役に立てるのではないかと考え、前職の経理代行会社へ入社を決めました。
ーーそこではどのような経験をされたのでしょうか。
前職では10社から15社ほどの経理支援を担当し、マニュアル通りに正確かつスピーディーに処理をこなす日々でした。社内には業務効率と顧客への貢献度を測るランキング制度があり、負けず嫌いな性格もあって「歴代最速で1位を取るんだ」と燃えていましたね(笑)。
ただ、いざ目標を達成した時に、ふと「これじゃないかもしれない」という違和感に襲われたんです。
ーー目標を達成したのに、喜びではなく違和感だったと...。それはなぜだったでしょう?
ランキングで1位になったとしても、それはあくまで社内の指標であって、お客様にとっての価値とは必ずしもイコールではないと感じたのが大きいですね。加えて、業務が完全にマニュアル化されていたため、私がどれだけ工夫しても、それは「私だからできる価値」にはなりにくい。「私は誰のために頑張っているんだろう?」「これはただの自己満足で終わってしまうのではないか?」という虚無感が押し寄せてきました。
また、組織としてトップダウンの傾向が強く、現場が疲弊していても経営層に本音が届かない状況にも苦しさを感じていました。「お客様のために」と思って働いているはずなのに、どこか心が空っぽなまま、毎日終電ギリギリまで作業をこなすだけの生活。そんな日々に限界を感じ始めていました。
「経営陣と本音で話せるか」。対話の中で見つけた、嘘のない関係性
ーー転職を決意する決定的な出来事はあったのでしょうか?
担当していた企業様の所へ出張に行った時のことが大きかったです。 現地で担当者の方が、事業に込めている想いやお客様への情熱をキラキラした目で語ってくださって。その圧倒的な「熱量」を浴びた瞬間に、「私はここまで熱を持って仕事に向き合えているだろうか?」と自問自答してしまったんです。
「数字を合わせるだけではなく、この人たちのような熱量で、仲間と同じ方向を向いて走りたい」。そう強く感じたことが、次のステップへ進むきっかけになりましたね。
ーー転職活動では、どのような軸で企業を探していたのですか?
業界・業種や職種、条件面よりも、「経営陣とどこまで本音で話せるか」を最優先の軸にしました。 これは、前職での経験から、現場と経営層がお互いに本音で対話できる関係性こそが、組織や事業の成長に不可欠だと痛感していたからです。面接の逆質問でも、必ず「御社では経営陣と社員が本音で議論できますか?」と聞いて回りました。
ーーその中で、リバネスキャピタルを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
大きく2つの理由があります。 1つは、最終面接での代表・池上との対話です。面接というよりは、まるでカフェで話しているようなラフな雰囲気で、「榎本さんはこういう時どう考えるの?」「これって興味ある?」と、私の思考回路や人柄そのものを深く知ろうとしてくれました。私が話したことに対して「それ面白いね!」「じゃあこういうこともできるんじゃない?」と、その場でディスカッションが始まるようなライブ感があり、「あ、この人となら本音で話せる」と直感しました。
もう1つは、事業や役割に対する考え方に強く惹かれたことです。 入社前に、代表の池上と取締役の髙橋が対談している記事(https://c.lne.st/dialogue/ikegami-takahashi/)を読んだのですが、そこに書かれていた「ベンチャーの管理業務は『フロントのサポート役』ではなく、『チームを支えるプロ』でなければ務まらない」という言葉に、衝撃を受けました。
単に決まったフローで管理業務を行うことと、ベンチャーにおける管理は別物であり、後者を「経営のための環境開発」と定義していました。 前職で感じていた「マニュアル通りの処理」や「下請け的な代行業務」への違和感に対する答えが、まさにそこにある気がして。「ここなら、本当の意味で会社の成長を支える仕事ができる」と確信し、入社を決めました。
経理による環境開発から投資開発へ。未経験の挑戦が広げた、自分の可能性
ーー入社後は、どのような業務を行っていましたか?
環境開発事業部に所属し、ベンチャー企業の経理・労務支援を担当しました。リバネスキャピタルが支援する企業は、研究開発型のディープテックベンチャーが多いです。研究者の皆さんは技術には詳しいけれど、経理のことは「右も左もわからない」という状態がほとんど。そうした方々に、いかにわかりやすく伝え、自走できる仕組みを作るかという点にやりがいを感じていました。
ーー決まった型はなく、企業の状況や性質に合わせて支援していくんですね!その後の投資開発部門への異動はどういった流れだったんでしょうか?
入社して半年も経たないうちに、池上から「投資開発事業部に行ってみない?」と声をかけてもらいました。
投資開発事業部は、投資実行のほかに、伴走人材育成の研修プログラムやCxO人材の育成コミュニティの運営を行っています。声がかかった時は正直驚きましたが、私自身「絶対に経理一本でやっていきたい」と固執していたわけではありませんでしたし、「榎本ならできる」と期待してもらえたことが嬉しかったですね。それに加えて、もともと学生時代から「まずは何でもやってみる」という精神が強かったこともあって、「やります!」と即答しました。 そこからは、業務の幅が一気に広がりましたね。
ーーすごい行動力ですね!現在はどのような業務を担当されているのですか?
一言で言うと「何でも屋」ですね(笑)。 例えば、伴走人材を育成する「ジャーミネーションカレッジ」という研修の運営では、受講生の集客から、講師との調整、当日のロジ周り、企画のブラッシュアップまで、プロジェクト全体を回しています。
また、大企業のCEC(コーポレート・アントレプレナー・キャピタル)*設立・運営支援や、池上の秘書的な動きとしてスケジュールの調整・資料作成を自発的に巻き取って行ったりもしています。 「これは自分の担当じゃない」と線を引くのではなく、チームや事業が前に進むために必要なことは何でも拾いに行くスタンスで働いています。
ーー本質を追求できる榎本さんにマッチしたポジションだと感じました!リバネスキャピタルで働く中で、どのような成長や変化を感じていますか?
一番の変化は、「視座」が高くなったことだと思います。 以前は「決まった業務をどう効率よく回すか」という視点が強かったのですが、今は「事業を成長させるために何が必要か」「どうすればベンチャー企業の技術が社会に実装されるか」という、経営や事業開発に近い視点で物事を考えられるようになりました。
例えば、出資先のベンチャー企業と一緒に実施した「実験教室」のプロジェクトでは、研究者ではない私の視点を活かして「どうすれば子どもたちに技術の凄さが伝わるか」を企画段階から考えました。 ただ支援するだけでなく、同じプロジェクトのメンバーとして汗をかくことで、ベンチャーの方々との信頼関係も深まりましたし、「技術に詳しい研究者でなかったとしても、一緒にプロジェクトを手掛け、伝えていけるものがある」という当事者意識が格段に強まりましたね。
ーー未経験の業務に挑戦することへの難しさはありませんでしたか?
もちろん難易度は高いです。特に、企画と人前に出て話すことは、私自身にとって、とても苦手な分野だと自覚していたからこそ大きな挑戦でした。 バックオフィス出身ということもあり、もともとは黒子として裏方で支える方が性分に合っているんです。
でも、リバネスキャピタルでは自ら発信し、周りを巻き込んでいく姿勢が求められます。 自分にとって居心地の良い場所(コンフォートゾーン)に留まっていては、成長もなければ、ベンチャーの熱量についていくこともできません。「やるのは怖いけど、やらないと変われないからやる!」と自分を奮い立たせて、あえて厳しい環境に身を置くようにしています。その結果、できることの幅が広がり、自信を持って働けるようになりました。
CEC(コーポレート・アントレプレナー・キャピタル)*
リバネスキャピタルで新しく定義づけた次世代型CVC
「伴走者」として正解のない問いに挑み続ける
ーー榎本さんが今後目指していきたい姿や、目標について教えてください。
具体的なキャリアプランではないのですが、私だからこそできる役割で、ベンチャーが持つ技術の社会実装を支えていきたいです。
リバネスキャピタルが支援するベンチャー企業は、技術は非常に面白いものの、「具体的にどうやってビジネスとして成立させるんですか?」といった『事業としての蓋然性』の壁に直面することがよくあります。どれだけ技術が優れていても、事業計画の確かさをビジネスサイドの言語で説明できないと、資金調達や提携はスムーズに進みません。
そこで、私が「経営層と現場」あるいは「ベンチャー企業と金融機関、事業会社」といった、異なる立場の間にしっかりと「橋」を架ける存在になりたいと考えています。
ベンチャーの持つ技術の面白さを理解しつつ、一方で金融機関などが気にする「確実性」や「数字」の重要性もわかる。その両方の視点を持つ私たちだからこそ、互いの考えや主張をつなぐことができ、結果として、新たな技術が世に出るための基盤を強固に支えていけると思っています。
ーー最後に、リバネスキャピタルにはどのような方が合っていると思いますか?
「素直さ」と「吸収力」、そして「変化を楽しめる柔軟性」がある方ですね。 リバネスキャピタルの仕事は日々変化しますし、求められる役割もどんどん変わっていきます。それをネガティブに捉えるのではなく、「何でもやってやろう」と面白がることができる人なら、きっと大きく成長できるはずです。
明確な目標がなかったとしても、「自分を変えたい」「今のままでは終わりたくない」と思っている方にとっては、これ以上ない挑戦の舞台が広がっています。私たちと一緒に熱量のある仕事をしましょう!