会社の歴史を変えた瞬間
1990年、沖縄県生まれ。幼少のころから空手、柔道、陸上、サッカー、バレー、野球などのスポーツを経験。かたや無類のゲーム好きでもあった。沖縄工業高等専門学校を卒業後、2014年にドヴァ入社。エンジニアとしてネットワークやサーバの開発、運用管理などに携わる。2018年から自社開発サービス「アシロボ®」の開発リーダーに。週末はフットサルや映画鑑賞などをして過ごす。
2019年2月14日——。初の自社開発サービスがローンチ。そのときの興奮を、同社のICT Software Services Division(開発部)でサブリーダーを務めるNさんは鮮明に覚えているそうです。
ー自社開発サービスがローンチされた時のことを教えてください。
「嬉しかったですね。これまではずっと受託だったため、かゆいところに手が届かないというか、自分たちでシステムのすべてを開発できないもどかしさがありました。自社開発だと、“ブラックボックス”ではなく、自分たち次第でいかようにもできるし、開発したサービスを直にユーザーが使ってくれるようになります。喜びはひとしおでした。」
ドヴァの自社開発サービスとは、RPAソリューション「アシロボ®」のこと。アシロボはIT専任担当者がいない中小企業でも容易に導入できるように、操作性や使い勝手を考慮して設計されたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。リリース以降、多種多様な業種の企業で採用されています。
ー自社開発サービス「アシロボ®」の開発経緯で、こだわった点はありましたか?
「まず、サービス開発の経緯として、数年前からエクセルへの入力業務といったルーチンワークをロボットで自動化するため、”RPA”がブームになっていました。しかし、さまざまなツールが市場に投入される中で、いくつか課題があることにも気づかされました。」
特に多かったのは「使いづらい」というユーザーの声。
「開発者やプログラマー目線で、かつ海外製品のローカライズが多かったため、使われている言葉が難解でしたし、RPAを設定するには業務フローチャートを描かねばなりませんでした。業務担当者の手には負えず、結局、情報システム部門の負担が増えるばかりでした。」
アシロボがターゲットとしたのは現場の人たち。業務現場の担当者でも簡単に使えるシンプルなRPAツールを開発しようという考えのもと、開発が始まったのでした。
「そこで、使用する言葉もこういうのだったら大丈夫かなと細かく確認したり、見た目のUI(ユーザーインタフェース)もフローチャートではなくブロック形式にしたりするなど、とにかくわかりやすさにこだわりました。」
それだけにとどまらず、RPAサービスの後発組であるのを逆手に取って、既存製品に対する課題点などをすべて解消するべく、β版を数十社にテスト導入し、現場担当者の意見をどんどん収集したそうです。
「例えば、テクニカルサポート機能を充実させて、アシロボ上からすぐに改善要望などをメールで飛ばせるようにしたり、セミナーやワークショップなどを頻繁に開催して直接ユーザーの声を拾ったりして、なるべくお客様の声を集めようとしました。独自で作っていくよりは、ユーザーの視点を大事にしました。」
β版では機能を毎月アップデートしていましたが、そのペースはリリース後も変わりませんでした。
「毎日コンスタントにフィードバックがあります。もちろんすべてを改善するのは困難ですから、販売元とも議論して、吟味して、取捨選択しています。企業向けITサービスの中では、アップデートしているほうではないかなと思います。バグ報告などあったら、すぐに修正して出しますね。基本的には早く、かつ、正確にを心がけています。」
ある日の事件
アシロボのユーザーは次々と増えていき、順風満帆に見えていました。が、サービスローンチからしばらくしたある日、サービスに不具合が発生する事件が起きたそうです。
ー当時の状況とおこなった解決策を教えてください。
「本来はダブルチェック体制にするとか、自分が開発するのではなく、チームメンバーに任せて、全体を管理する側に立てばよかったのですが、責任を取る人間が開発者としてやらかしてしまった。リスクマネジメントが足りていませんでした。社長からも、『プロ意識が足りないよな』と言われてしまいました。」
不具合のその後の処理も、今思うと、もっと落ち着いて対応すればよかったとNさんは当時を振り返ります。
「しかし、悔やんでも仕方ない、顧客は待ってくれない。と思い、すぐさま挽回するため体制の再構築に取り掛かりました。開発を2人体制にしたり、逐一レビューするようにしたりという運用面に加えて、サービスの根本のシステム設計から考え直しました。」
「常に言われたこと、求められたことを作り続けるのではなく、根本的に何が必要かを考えて、別のアプローチでも解決できるという提案をしなければ意味がありません。」
この出来事をきっかけに、Nさんは、相手が何を求めているのかをしっかり聞き取って、それに対する解決策を先回りして提案できるよう、これまで以上に力を注ぐようになりました。
「向こうから出てきたものをそのまま作るのではダメです。ユーザーはプロではないので。何をやりたいのかを聞いて、こちらが複数のアイデアを用意する。そこまで考え続けるべきなのです。」
他社のエンジニアにはない恵まれた環境
ドヴァ開発部のメンバーは、自由に働ける環境を用意されており、出社時間も決まっていません。けれどその分、Nさんはリーダーとして、結果に対するコミットメント、責任感は人一倍強いのです。
しかし、そんなNさんも実は一度会社を辞めようと思ったことがあるとのこと。地元・沖縄の学校を卒業してすぐにドヴァに入ったため、この会社しか知らず、外の世界への憧れがあったそうです。しかし、そんなNさんの考えが変わるきっかけがありました。
ードヴァでの働く環境について、どのように感じていますか?
「受託開発で他の企業に常駐した際に、ドヴァは恵まれていると実感しました。それは「エンジニアファースト」の環境のおかげです。他社のエンジニアなどと話をしたり、様子を見ていたりすると、上から言われたことをただこなすだけだったりと、とても生き生きと働いているようには思えない人も少なくなかったです。加えて自身の性格も飽きやすく、次々と新しいことをやりたい性分のため、他社では同じ仕事を何年もするのがザラですが、そんな働き方はとうてい無理だなと感じました。」
「正当な理由があれば、ドヴァは何でもできる会社だと思います。もし私が明日から営業をやりたいと言えばやらせてもらえるでしょうし、IT以外のビジネスを立ち上げることも可能なはずです。」
自由で、前例にとらわれない。そんなドヴァの社風がNさんのモチベーションになっているようです。
ドヴァでは、成長したい・新しいことをしたいエンジニアを募集しております。
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