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【日本テレビ新規事業部長インタビュー】放送業界の転換期である今、ClaN独立の背景には「日本テレビの覚悟」

プロフィール
岡田 謙吾/Okada Kengo
日本テレビ放送網株式会社 社長室新規事業部 部長

平成元年日本テレビ新卒入社。野球中継、箱根駅伝、バルセロナオリンピック、長野オリンピック、サッカーワールドカップドイツ大会等のスポーツ番組制作に従事した他、ザ!鉄腕!DASH!!などバラエティー番組の制作に携わる。読売巨人軍、日テレアックスオンの出向経験を積み、社内では人事部、アナウンス部を経て2018年に新規事業「MAXキャスティング」を立ち上げ、事業譲渡した日テレイベンツに出向。2021年、東京オリンピック・パラリンピックの全会場MCキャスティングを受託した後、日本テレビに帰任。22年6月より現職。

ClaN Entertainmentでは通年で協力いただける社員を募集しております!今回はClaN設立当時の話をするのに欠かせない日本テレビ新規事業部部長の岡田さんに、代表の大井がインタビューします!

事業をゼロから立ち上げることへの「リスペクト」

大井:まず始めに、日本テレビの社長室新規事業部は会社の中でどのような役割を担っているのでしょうか?

岡田:新規事業部は、事業のアイデアを起こしてから事業化するところまで、成長させることが役割になっています。2018年に日本テレビにおいて放送以外の事業の柱を新たに作ろうと誕生したものが、大井さんが企画・提案したClaNの元となるVTuber事業です。2018年から2022年までの4年間、本当に事業化出来るのかを精査しました。他の競合企業の中に入ってもClaNとして戦えるという認識で独立事業にした初めてのケースでした。つまり一番成長しているということですね(笑)

大井:ありがとうございます!(笑)岡田さんは新規事業部に異動されてどのくらいでしたっけ?

岡田:2021年の12月からなんですよ。意外と。

大井:もっと長いイメージでした!去年の12月というと、会社として設立するという話がかなり進んでいた時期でしたね。ClaNになる前のVTuber事業や、僕自身も含めたチームメンバーの印象はいかがでしたか?

岡田:2015年から日本テレビは新規事業をやろうという話になり、2015年に私もMAXキャスティングという事業を提案し、事業化させてもらいました。その後に続く形で大井さんから応募があったので、まずは親近感がすごくありました。

大井:事業化されたのは、新規事業部に来られる前からですか?

岡田:前からですね。仲間意識を持ってVTuber事業も見ていました。

大井:今でもすごく印象に残っているのは当時から岡田さんがとても優しかったのですよね。それはうわべの優しさではなくて、仲間と表現するのは恐れ多いですけれども、きっと大変なところも分かって頂いていて、事業をゼロから立ち上げる人に対するリスペクトを強く感じていましたね。理解されないこともあったので、すごく嬉しかったですし、ありがたかったです。

岡田:リスペクトは今でも変わらないですね。事業って大変だよ(笑)。特にテレビ局にプロパーで入ってきて、未経験で立ち上げるってすごく大変だと身に染みて感じます。日本テレビという会社全体だと、どうしても放送が中心になるし、そんな中でやり遂げるのはすごく大変だと思います。

大井:こんなに大変なことをわざわざしなくても、という見方もありますよね(笑)

岡田:ただ今後はメディアは増え、人口が減っていく中で放送が伸びづらくなってくるかもしれない。放送事業は可処分時間の取り合いだと言われていて、昔はテレビしかなかったから沢山時間がとれた。けれど今はネットなど触れられるものが沢山ある。テレビは24時間しか流せないけれど、ネットの世界は時間が無制限にある。今後テレビが弱くなる中、テレビに代わるものの必要が急速に求められています。それを探すなか、VTuber事業が立ち上がってきたので、今後の柱としてすごく期待されています。日本テレビとしてはこれを成功してもらわないと、というところですね(笑)

大井:期待に応えられるように頑張ります!(笑)

日本テレビ全体を巻き込んで新規事業を大きく

岡田:28才で社長になるなんて日本テレビの中ではあり得ないこと。けれどそれを実現させるというのも、日本テレビの期待の表れだなとすごく思います。

大井:ありがとうございます。新規事業に対する理解が深い方は日本テレビの中にも一定数いると思いますが、その多くは中途の方なんですよね。今の20代は自分と同じような感覚を持っている人が多いですが、部長や幹部層の世代で新規事業について深く理解されている方は少ないと思います。プロパーで事業を立ち上げたことのある岡田さんが新規事業部長をやられているということはすごく意味があるというか。僕がこんなことを言うのは違うかもしれませんが、岡田さんがいることで新規事業部に対する期待度は高くなっていると思います。

岡田:プロパーである自分がこのタイミングで新規事業部長になるというのも日本テレビの新たな、踏み込んだ戦略なのかなと思いますね。今までは放送は放送、新規事業は新規事業という形でやりたい人を伸ばしていっていましたが、これからは一緒になって、日本テレビ全体を巻き込んで新規事業を大きくするというメッセージだと個人的に受け止めています。

大井:テレビの文化と、スタートアップの文化は全然違うと思いますが、岡田さんから見てClaNの強みやカルチャーはどういう風に感じられていますか?

岡田:日本テレビで行っている事業の中でも一番市場が若いと思いますね。まだまだブルーオーシャンであるVTuber業界に早くから参入できているのはもの凄く強みだと思います。そしてメンバーが若い。やっぱり事業はパッションだと思います。立ち上げて推進する人間のパッションはもちろんありますが、そこに同じパッションを持った人間がどれだけ集まるかが事業の成長に関わってくる。大井さんのパッションに共鳴して集まってくる人が非常に多いと思います。VTuberというところにメンバーがコミットして、愛している情熱もすごいなと思います。

大井:「プロジェクトV」や「news every.」など、地上波との連動もいま行っているのですが、今後日本テレビとClaNのコラボレーションはどうなると思いますか?

岡田:日本テレビの制作者は、良くも悪くも自分が作った番組が好きなので、自分で作りたいんですね(笑)けれど、すごくお客さんがついていて認められていれば組みたいと思うんです。なのでゴールデンタイムで取り上げたいと思われるほどV業界が成長することを期待しています。加えて、もっと番組でやったほうが良くない?と気づかせる役割をClaNに担って欲しいなと思います。

大井:番組を作っている人達にはまだまだ知られていないことが多いと思いますし、知ることで興味を持ってもらえるとも思うので、社内外にたくさん発信していきたいですね。岡田さんはこれまで番組も作られてきましたし、テレビのプロデューサーの目線ではテレビとVTuberをどのように見ていますか?VTuberはマスコンテンツではないという考え方もありますが、将来性や新しさがあるなかでどう思われているのかなと。

岡田:スポーツ番組を担当したりと、リアルな人間としか仕事をしてこなかったので、毎月VTuberコンテンツをチェックする社会人生活を送るとは思っていなかったです(笑)ただ、テレビの役割は人に何かを伝えることだと思うんです。手段は何でもよくて、ただ伝わることが大事だと思います。昔から、アニメやアイドルを通じて伝わる人もいれば、今のように声優さんが表に出たりと、色々なジャンルの人が伝える形も変わっている中で生まれた一つの形がVTuberだと思います。世の中のニーズに対して生まれてきたコンテンツだと思うので、テレビが育ててきたものの延長だと思います。

大井:突然横から出てきたというよりか、進化の系譜の中に、ある種自然に派生した形という見方なんですね。とても納得感があります。

ClaN独立の背景に「日本テレビの覚悟」

岡田:日本テレビは視聴率三冠を獲っていますが、お客さんの感覚を捉えることが一番の強みだと思っています。ClaNにも同じようなDNAがあると感じています。

大井:日本テレビの「視聴者ファースト」という言葉は自分の中に強く残っていて、ClaNのバリューにもユーザー目線をいれているのでとても嬉しいです。少し話は変わりますが、なぜ会社にしたのかという質問をされることがあります。部長としては新規事業部から離れてしまうということも意味もあると思いますが、岡田さんから見てメリットは何だと思われますか?

岡田:日本テレビグループがClaNを独立させた最大の理由は、ClaNを新規事業の柱として育てる「日本テレビの覚悟」を社会に対して発信することだと思います。日本テレビがVTuber事業を行うというのと、ClaNという会社ができたというのではインパクトが違います。ただ覚悟と言ったのは、目立てば、もし畳むことになった際には大きなニュースになってしまうからです。

大井:日本テレビとしては、失敗したら逆にマイナスブランディングになってしまうという、ある種リスクもあるなかで舵を切ったということですね。

岡田:やはり日本テレビの新規事業として残さず、大井さんが社長になったことでスピード感を保ちつつ、自由度の高いまま成長できたと思います。ClaN自身で責任は取らなければなりませんが、こういった事業はやはり決断力とスピード感が大切なので。

大井:スピード感を現実に実行に移せているのは本当にありがたいです。

岡田:でもやっぱり大井社長だからこそですね。しっかりと周りを巻き込む人間力があるからだと思います。社長が愛されてるというのは大きいですよね。

「自分の夢をClaNに乗せられる人」に

大井:こうして直接伝えてもらえると恥ずかしいですね(笑)。岡田さんから見て、今後どんな人にメンバーとして加わって頂きたいですか?

岡田:事業ってどんどん変わっていくと思うんです。もしかしたらVTuberも形が変わっていくかもしれない。商品はあくまで自分達がやりたいことの手段でしかないと思うんです。手段を通して何を実現させたいのかということを考えていただきたいですし、その実現させたいことの手段にClaNがいいよねと思っていただける方に入ってもらいたいですね。

大井:情熱を持っているとか、柔軟に対応できる人というのはもちろんなのですが、一言でいうなら、「自分の夢をClaNに乗せられる人」に入って欲しいなと私も思います。エンタメって生活に必要不可欠ではない中で、どうしてエンタメをやるのかという部分はとても重要だと思います。
社名にも” Entertainment”とつけているので、VTuberは形が変わるかもしれませんが、エンターテイメントであるということは絶対にブレないです。じゃあその人がどうしてエンタメをやりたくて、自分でどういうことを実現したくて、そのプロセスにおいてClaNが存在する意義がある。そんな方にClaNに加わって欲しいと思っています!

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