妻夫木 晋也(Stakeholder Success)大学卒業後、バンド活動と並行してコールセンターでのアルバイトをきっかけにカスタマーサポートのキャリアをスタート。BPO企業2社にて複数のセンター構築・運営を経験後、STORES、ラクスルではCS/オペレーションチームのマネージャーを務める。プレイドではカスタマーサクセスOpsとして組織横断の仕組みづくりに携わり、CS・CX領域の知見を広げる。2025年7月よりクロステック・マネジメントにジョインし、Support Unitとして大学におけるツール導入・運用を支える業務を担当。
音楽の世界から、カスタマーサポートの最前線へ
──これまでのキャリアを振り返り、現在に至るまでの道のりを教えてください。
大学卒業後は、インディーズバンドで音楽活動をしていましたが、正直それだけで生計を立て続けるのはかなり厳しい世界でした。さらにプロとして生き残れるのは、本当に一握りです。そんな中バンド活動と並行して始めたのが、コールセンターでのアルバイトでした。シフトの融通が利くことや、内勤である点が音楽活動と相性が良かったんですよね。結果的に、それがカスタマーサポートのキャリアの入り口になりました。
やがて「そろそろ音楽活動を辞め、正社員になろう」と思い、アルバイト先で正社員に。マネージャーも任されるようになり、現場を見る視点が一段変わりました。その後は最大100名規模のセンター構築・運営を担当。採用から研修、定着支援まで、コールセンター運営を一通り経験しました。
一方で、同じ仕組みを回し続けることに、どこか物足りなさも感じていたんです。そこで次に選んだのが、事業会社でのカスタマーサポートでした。STORESやラクスルでは、CSやオペレーションチームのマネージャーとして、Bizやプロダクトチームと連携しながら改善に取り組みました。問い合わせ対応にとどまらず、プロダクトや体験そのものを良くしていく。そこで初めて、「サポートが事業を前に進める感覚」を実感できたと思います。さらにカスタマーサクセスを深く理解したくなり、プレイドではCS Opsのマネージャーも経験しました。結果的に、カスタマーサポート/CXを軸に、オペレーションを設計し、改善し続ける仕事に自然とたどり着いた、そんな流れですね。
自分の経験が、ちゃんと必要とされていると感じた
──クロステック・マネジメントにジョインしたきっかけを教えてください。
きっかけは、YOUTRUSTでつながっていたクロステック・マネジメントの採用担当の方からの連絡でした。実は5年ほど前からつながりがあり、一度も直接お会いしたことはなかったのですが、やり取りを重ねる中で不思議と信頼関係ができていたんです。だからこそ、せっかく声をかけてもらったなら、まずは話を聞いてみようと思いました。
もう一つ大きかったのが、「学校」「大学」というドメインです。正直に言うと、カスタマーサポートの視点で見ると、先生と呼ばれる職業の方々は対応の難易度が高いと言われることも多い領域だと感じていました。論理を重視される場面が多く、簡単には納得してもらえないこともあるだろう、と。ただ、その分、きちんと向き合えば本質的な議論ができるはずで、そこに面白さを感じたんです。
さらに、芸術大学であるという点にも強く惹かれました。僕自身、音楽活動をしてきましたし、妻も音楽系のバックグラウンドを持っています。芸術は決して遠い世界ではなく、自分の人生とも地続きの領域だったんです。
──選考で印象に残っていることはありますか?
一番印象に残っているのは、木原さんとの面談です。会社の良いところだけを語るのではなく、「今、ここが足りていない」「だから、ここを一緒につくっていきたい」と、かなり率直に現状を共有してもらいました。
特に印象的だったのが、「カスタマーサポートのKPIをきちんと設計できていない」という話です。現場の頑張りが感覚値で評価されてしまっている状況を聞いて、それはまさに自分がこれまで向き合ってきた課題そのものだと感じました。思わず「それなら、自分がやってきたことをそのまま活かせますよ」と即答したのを覚えています。
また、田中さんとの面談では、期待されている役割だけでなく、フリーランスとして関わる上でのシビアな側面も含めて、かなり正直に話してもらいました。曖昧な言葉で期待だけを語られるのではなく、「どこまでを任せたいのか」「どんな覚悟が必要なのか」を具体的に共有してもらえたことで、自分がこのチームで果たす役割がはっきりとイメージできたんです。課題が明確で、自分のこれまでの経験がきちんと役に立つ。そして、その前提を腹を割って話してくれる人たちがいる。ここなら本気で向き合えるし、価値を出せる。そう自然に思えたことが、ジョインを決めた一番の理由でした。
現場と仕組み、その両方を見るSupport Unitの役割
──現在はどのような業務を担当されていますか?
Support Unitに所属し、現場での問い合わせ対応と、それを支える仕組みづくりの両方を担当しています。教職員から寄せられる問い合わせに日々対応しながら、運用フローの設計やナレッジの整備、問い合わせ・エスカレーションの定量化や分析まで、一連のオペレーションを見ています。問い合わせの内容として多いのは、SlackやGoogle Workspace、Notionといったツール周りです。大学業界ではまだ珍しいかもしれませんが、こうしたモダンなツールを前提に業務設計を行っており、その分「ツールが使えない」「分からない」ことで生まれる混乱を、仕組みで解消していくことが重要になります。新しく着任した職員のアカウント設定や環境整備、日常的な使い方に関する相談などが中心です。
大学という組織は、どうしてもレガシーな環境が残りやすく、新しいツールを導入すること自体が大きな変化になります。木原さんもよく話されますが、感覚的には「今までローマ字入力だったのに、急にカナ入力に切り替えてください」と言われるようなもの(笑)。効率が上がる以前に、まず戸惑いが生まれるんですよね。
だからこそ、単にツールを導入するのではなく、「使えない」「分からない」といったところで生まれる負の体験を、いかに減らせるか。それが自分たちの重要な役割だと思っています。
──ツールを導入することで、どのような変化が生まれていますか?
たとえばNotionでのナレッジ整備では、これまで紙のマニュアルや属人的な知識が部署ごとに閉じていて、過去の挑戦や失敗が共有されにくい状態でした。その結果、別の部署がまたゼロから同じことを始めてしまう、というケースも少なくなかったと思います。
でも、「以前こういう取り組みをして、ここでうまくいかなかった」という履歴が残っていれば、それを踏まえた上で次の一手を考えられる。ゼロからではなく、「過去の続き」からスタートできる状態になる。その差はとても大きいです。先人たちが築いてきた知恵や基盤を受け取り、その上でバージョンアップしていける環境をつくること。そのためのナレッジを残し、実際に使われる形にしていく。その回る仕組みをつくり続けることができると思っています。
まだ何色にもなっていないからこそ、面白い
──クロステック・マネジメントで感じているやりがいや魅力を教えてください。
一番は、「これから作っていくフェーズ」にいることですね。体制も、運用も、アウトプットの形も、まだ固まりきっていない。だからこそ、将来に向けた思考や行動の自由度がとても高いです。これまでのキャリアでは、どちらかというと「守り」の仕事が多かったんです。問い合わせに対応し、リスクを減らす。でも今は、教職員が「こうしたい」と思っていることに対して、「だったら、こうすると近づけますよ」と攻めの提案もできる。そのバランスを自分で取れるのが面白いですね。
また、業務委託であっても仲間意識が強い組織だと感じています。正直、もっとドライなのかなと思っていましたが、実際はかなりウェット(笑)。Slackでの何気ないやり取りや、小さな一言が、チームの一体感につながっており、チームワークを感じながら働けることはいい意味のギャップで、クロステック・マネジメントの魅力だと思っています。