PROFILE
長尾 一慶(DevOps delta unit lead)高校を中退後、大学入学資格検定を取得。その後、特定の分野には進学せず、IT技術を独学で学びながら、開発会社や事業会社で実務経験を積む。2016年にフリーランスとして独立し、様々な案件に携わる。かねてより教育事業に関心を持っており、2025年4月よりクロステック・マネジメントにジョイン。教育×テクノロジー領域で、学びの価値を届けるプロジェクトに挑戦している。
DeNAとの出会いが開いた、新しい可能性への扉
──これまでのご経歴について教えてください。
僕のキャリアは、まっすぐではなく紆余曲折を経てきました。中高一貫校に入学したものの、当時は少し尖っていて学校に行かなくなり、一度留年。そこから退学し、「大学入学資格検定(現在の高認)」を受けて大学受験に挑みました。ただ、勉強よりもPCに夢中になってしまい、気づけば、まるで何十回も浪人しているような長い受験生活に。飲食店のバイトをしたり、開発の仕事をしたり、本当にさまざまなことを経験しました。ずっとバイトをしているだけでは駄目だと思いつつ、高校中退かつ大学にも行っていないため、自分にできる仕事なんてあるのか? という不安は常にありました。
そんな時期に転機となったのが、DeNAの南場さんの起業家向け講演です。「この人の会社で働きたい」と強く思い、社員にはなれなかったものの、契約社員としてDeNAでエンジニアを始めることになりました。そこから正社員を目指して推薦をもらったものの、まず間違いなく受かるだろうと言われていた正社員試験に落ちてしまい、そこから初めて面接訓練を受けたり……と苦い経験もしています。最終的には練習で他社も受けてみてはと言われ、結果としてそのまま別のベンチャー企業へ正社員として転職しました。
──フリーランスになったきっかけを教えてください。
数社で正社員として働いたものの、働き方や自身のやりたいこととのズレを感じ、より興味のあるプロジェクトに参画しやすい方法を考えました。
同時に、「教育」への強い関心も、ずっと心の中にありました。高校中退や不登校も経験しましたが、人との出会いや学校の外で得た学びによって救われた部分が大きい。だからこそ、多様な学びが人を支えることに意味を感じていました。こうした背景から、自分が全力で価値を出せる場を、自分の意思で選びたいと思うようになり、フリーランスへ転向しました。その選択が、教育領域に挑戦する現在のキャリアにつながっています。
教育への想いが導いた。クロステック・マネジメントとの出会い![]()
──今回、クロステック・マネジメントにジョインした理由を教えてください。
ちょうど以前参画していたプロジェクトが一区切りしたタイミングで、次に関わる仕事を探していました。普段からWantedlyで案件を見ていたので、まず「教育」で検索してみたんですね。プログラミング教育の案件が多かったのですが、自分はすでにコミュニティを立ち上げていたこともあり、そこに強い新鮮さは感じられませんでした。そんな中で目に留まったのが、大学に付随した教育系プロジェクト。詳細はわからないけれど、新鮮さを感じて応募しました。
フリーランスとして活動する中で、自分の裁量で動けること、教育の未来に関わるプロジェクトであること、過去の経験を活かせることの3つが同時に満たせる環境だと感じたことが、ジョインの決め手でした。僕自身、教育には特別な思いがあります。学歴や制度に縛られずとも、人との出会いや学びの場次第で人生は変わる。
そのことを、自分の経験から強く実感しています。だからこそ、多様な学びの形が存在してもいいし、それをつくる側に回りたい。その思いが、クロステック・マネジメントに関わる原動力になっています。
AIを活用した学生支援ツール開発に挑戦
──現在はどのような業務を担当されていますか?
参画後はオンボーディングを経て、当時生成AIの開発現場活用検討のために期間限定で組成されていた Vibe Coding Team にジョインし、AIを活用した学生支援ツールのプロトタイプ開発に取り組みました。従来の「人がコードを書く」スタイルから一歩踏み込み、AIにコード生成を任せ、人間は意図の補正や挙動のレビューに専念するという新しい開発手法を実践。これは単なる効率化ではなく、開発そのもののあり方を再定義する挑戦でもあり、大きなやりがいを感じました。
現在は別チームに所属し、大学運営を支えるLPM(Learning Process Management)プロダクト群の開発に取り組んでいます。LPMは、職員・教員・学生が日常的に利用する大学運営の基盤プロダクトで、その中で私は授業に関するプロダクト開発を担当しています。また、並行して DevOps領域で開発の足回りとなる指針・ルール設計にも携わり、組織として継続的に開発品質と速度を高める仕組みづくりに取り組んでいます。
クロステック・マネジメントには、 Vibe Codingに限らず、新しい技術や手法を積極的に試せる風土があります。メンバーそれぞれが高い専門性と自律性を持ちながら、「実験しながら前進する」開発文化を大切にしている点が、ここで働く大きな魅力だと感じています。
チームとの関わりから生まれるやりがい
──クロステック・マネジメントで働く中で、どのような点にやりがいを感じますか?
仕事のやりがいはチームメンバーとの関わりから生まれています。強い想いを持ち、自律的に行動する仲間。起業経験者を含む、多様で深い思考を持つメンバー。疑問や悩みに真摯に向き合い、互いを高め合う文化。日々、刺激と学びがあり、成長を実感できる環境です。さらに、自分が関わる教育×テクノロジーのプロジェクトは、学びのあり方そのものをデザインする挑戦です。自分で考えて動いた分だけ、学習者に価値として返ってくる。その実感が大きなやりがいになっています。
──クロステック・マネジメントで働く魅力や特に印象に残っていることは何ですか?
最初の面談が、とても印象的でした。
形式的な面接ではなく、世間話の延長のようなカジュアルな対話で、代表の小笠原さんとは「人生120年時代の時間の使い方」など、未来の話で盛り上がりました。
考えることや問いを持つことを大切にする組織なのだと、その時点で感じました。
ジョイン後もその印象は変わりません。Design Engineeringの松本さんの思想やデザインの深さに驚かされ、自分もエンジニアとしての表現や言語化の姿勢を見直すきっかけになりました。教育の未来に関わりながら、自分の強みや考え方を自由に活かせる。その挑戦の連続こそが、この場所で働く最大の魅力だと感じています。