【組織人材開発コンサルタント:杉田】が語る、プレジャーサポートの人事分野コンテンツの基本的な考え方。今回は「経験学習サイクルとリフレクション」について、語りつくしてもらいました。
01|そもそも人材育成・教育で欠かせないのが…
「社員の成長」をどのように促していくかということ。1人ひとりの成長が次の目標達成のための礎(いしずえ)となり、逆にそれがないと継続的な発展は期待できません。また、人は組織として経験を準備して伴走することによって初めて成長していくことができる。そんな前提の根拠になっているのが、経験学習サイクルです。
02|経験学習サイクル
これは人が成長するためには経験から学びを得ることが必要、というデイビッドコルブの理論で、シンプルかつ実用的。「経験→内省→教訓化→応用」というサイクルで、人材育成版のPDCAサイクルと言えます。
03|特に大事なのが〇〇
経験学習サイクルをもとに人材育成・教育の根本を考えるうえで、プレジャーサポート(以下:PS)が特に大事にしたいポイントは「内省」の部分。「反省」は良く聞く言葉ですが「内省」はあまり聞かないはず。PSでは、反省と内省を明確に区別しています。
・反省は過去の過ちに対して「申し訳ない」「やらなければよかった」とマイナスの感情を抱くこと。過去の過ちを認めるだけで未来を向いていません。
・逆に内省は未来を向いています。過去の過ちを認めたうえで「次どうするか?」「もう一度やるならなにができるか?」を考えることで、自分の行動を改善するポイントを見つけるもの。
多忙で振り返りに時間をとれないときは反省になってしまうことがありますが、そのままだと一生同じ経験(ミスも成功も)を繰り返すのみになってしまい、あまり成長は期待できません。成長のためには、内省によって自分の行動の改善点、アップデートする箇所を見つけることが必須だと考えています。
杉田:少し専門的な話になっていきますが、ここが重要になってきます!
04|内省(=リフレクション)を分類する
PSでは内省のことを「リフレクション」と呼んでいます。実際にどのように内省を行えばよいのか?そのフレームワークとして、リフレクションの4つのレベルを掲げています。
【Lv1:結果のリフレクション】
起こったできごとを事実ベースで正しく認識すること。
今月の目標達成率は95%だった、今週は5時間資格の勉強をおこなったなど。簡単そうに見えるがここで躓いている場合も多く、それは事実べースの振り返りになっていないこと。例えば今回の訪問は上手くいった、今月の目標はおおむね達成できたなど、何をもって上手くいったのか、おおむねとはどの程度か、という人によって解釈が異なる意見ベースのものになっているパターン。この結果を間違うとこの後の内容が大きく変わってくるので注意が必要。まずは結果を正しくとらえるトレーニングから必要な場合も多い。
【Lv2:環境のリフレクション】
自分の行動ではない他者の動きや外部環境に原因をおくリフレクション(振り返り)のこと。
例えばAさんが締め切りを守ってくれなかったから自分の作業時間が確保できなかった。途中で別のタスクを依頼されたので目標達成できなかったなど。もちろん一要素として外部環境を考えることは重要だが、それだけで終わってしまうと、自分自身の行動改善にはつながらず、結局成果も出ない。外部環境を理由として自分たちの行動に目を向けることを避けている場合も散見される。
【Lv3:行動のリフレクション】
自分の行った行動に目を向ける振り返りでここからが内省のフェーズ。
自分がどんな行動をしてその結果を生んだのかを考えることで、次への改善の糸口が見つかる。ただここで難しいのが「行った行動を捉える」というもの。ミスや失敗の振り返りにおいてありがちなのはダブルチェックしなかった、確認が漏れていたという文言だが、これは行った行動ではなく行わなかった行動。行わなかった行動を行った行動に変換すると見かけだけの対策を防ぐことができる。
例えばダブルチェックしなかった→次回からきちんとダブルチェックしますでは結局同じことが起き続ける可能性がある。(もしくは過剰なチェックやルールなどの手間だけが増えていく。)ダブルチェックせず1回さらっと目を通しただけで終わっていたと行動を明確にすることで、資料確認は10分とってチェックリストにしたが合って1つずつ確認する、などと対策も具体的になる。
【Lv4:思考のリフレクション】
行動の前提にある価値観や考え方を見つめ直すこと。行動設定するもののなかなか着手できない背景には、その行動そのものに意義を見いだせていかなかったり、重要度が低かったりする可能性がある。そんな状況で行動を変えるためにはそもそも何を大切にしているのか?最終的な目的は何か?などの価値観の部分に目を向ける必要がある。
まとめると、レベル1・2の部分は「反省」、レベル3・4の部分は「内省」といえます。簡単ではないものの、レベル3・4の部分に目を向けていくことが社会人としてキャリアを歩んでいくうえで、自分の判断基準を形成し物事を決定するためには確実に必要です。
杉田:プレジャーサポートでは、人の成長について考えるので、自分自身の成長ステップについても自ずと考える機会が生まれます。日々の業務に忙殺されてなかなか考えらえないのが世の常。課題やテーマに対する事例として一番考えやすいのは自分なので、自分だったら…と考える機会は多くなります。相手に対しての伝え方やコンテンツを考えている間に自分自身の考えもどんどん研ぎ澄まされていく実感があります。
▮プレジャーサポートとは?
社員一人ひとりが働きがいを得ることによって、組織は「選ばれ続ける組織」となり、社員の成長と組織の成長の両立を実現することができると信じています。
その信念のもと、コンサルティングサービス、研修サービスを提供しています。