あえて沖縄県・名護市でAIスタートアップをやる理由。代表の森石に聞く、“東京でないから“できること
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こんにちは。株式会社スタジオユリグラフ採用チームです。
私たちは沖縄県・名護市を拠点に、AIライティングアシスタント「Xaris(カリス)」の開発・運営を行うスタートアップ企業です。
「生成AIスタートアップ」と聞くと、急成長を目指して東京でゴリゴリやっている…というイメージが強いのですが、私たちはあえて「沖縄」という場所で、最先端の技術を用いたプロダクト開発に挑戦しています。
今回は、私たちが名護という場所を選んでいる理由を、代表・森石の視点からお伝えします。私たちの想いや名護の魅力を知ってもらい、少しでも会社に興味を持ってもらえたら幸いです。
目次
豊かな自然と人の活気が両立する「名護」という街
起業支援も活発化し、起業人口も増加
「中心」の外で生まれた熱にこそ未来がある
ぶつかった壁の中、「できること」を試し続けた日々
腹をくくった人と、名護で未来をつくりたい
豊かな自然と人の活気が両立する「名護」という街
――「沖縄県名護市」がどんな町なのか、まずは教えてください。
森石:名護市は那覇空港から車で1時間半ほどにある市で、沖縄本島の北部、「やんばる」と呼ばれる地域の玄関口です。
有名な「美ら海水族館」に向かう途中にあるのですが、目立った観光地はあまりなく、通り過ぎていく人が多いのではないかと思います。
ただ、住む場所として見ると、とても便利。美しい海や森がすぐそばにある一方で、大型のスーパーマーケットなどをはじめ生活のインフラは整っていて、生活する上での不便はほとんどありません。車社会なので免許が必須、という点くらいでしょうか。
花粉がほとんどないのも地味に大きなメリットかもしれません。
――近年は大型テーマパークの開業など、ビジネスの文脈でも注目が集まっていますよね。
森石:2025年7月に開業予定の「JUNGLIA(ジャングリア)」ですよね。僕が移住してきた2021年当初から変化の兆しはありましたが、特に昨年あたりから急激に人が増えてきています。
歯医者の予約が取りづらくなったり、朝晩の渋滞が多くなったりと色々不便もありますが、よくも悪くもどんどん活気が生まれてきているような気がしますね。
あと名護にいる人の年齢層って比較的「若い」んです。2025年時点で一番多いのが40代で、次に多いのが10代。高齢化は進んでいるのですが、それでも街に若者や子供の姿が多く、「活気」が感じられる街だなあと思います。
起業支援も活発化し、起業人口も増加
――起業家も増えているのでしょうか?
森石:はい。私たちが登記している「nagonova」(旧coconova)は、もともと「"やってみたい"が生まれる場」をコンセプトとしている施設ですが、今年からは創業支援窓口を新設するなど、スタートアップ向けの支援を強化しています。
また、東海岸にある名護市豊原地区には、内地(沖縄県外)からの企業進出の受け入れを積極的に行っていたり、沖縄高専があったりと、優秀なIT人材が集まる土壌もあります。
日々に出会う起業家やノマドワーカーと話していても、「普通にめちゃくちゃ優秀じゃない?」という人がとても多いですね。
――名護以外のスタートアップ支援の流れはどうでしょうか?
森石:沖縄全体で見ても、2022年に設立された「おきなわスタートアップエコシステムコンソーシアム」をはじめ、県内でのスタートアップの成長を支援する動きが年々大きくなってきており、補助金や助成金がかなり充実してきていると感じます。
台湾やシンガポールなどアジアに近い地理的優位性や、世界的にもトップクラスの研究機関である沖縄科学技術大学院大学(OIST)の存在もあり、グローバル視点でのスタートアップが多いのも特徴ですね。
「中心」の外で生まれた熱にこそ未来がある
――こうした支援の動きは、ユリグラフ設立当初の2021年にはなかったと思います。当時、名護で起業した決め手は何だったのでしょうか?
森石:面白い人が多かったからですね。
独立を意識しはじめたころ、たまたま友人に名護においでと誘われたんです。
それで、ふらふらっと遊びに行ったんですが、出会った人たちがみんな、いい意味ですごく「変」な人ばかりで。よくも悪くも、東京では見ない謎の尖り方をしていて、でも持ってる熱量がやたらと高い。
「何か面白そうなことができそう」っていうワクワクした気持ちを、この土地に強く感じました。
多分こういう雰囲気って、東京とかのコミュニティじゃ生まれづらい気がするんですよね。
東京って、人や情報も集まりやすい一方で、その分「もう誰かがやってる」とか「これじゃ勝てない」みたいな情報もすぐ入ってくる。結果として、頭でっかちになりやすい側面があると思うんです。
その環境は「成功」の確度は高めてくれるけど、本当の意味で世界を変えるような「見たこともないもの」を生み出すにはむしろマイナスなんじゃないか?と思っていて。
――むしろ東京から遠い場所にこそ、新しい可能性があると。
森石:シリコンバレーだって、当初はニューヨークやワシントンDCといった「中心」から遠く離れた、何もない荒野だったわけじゃないですか。でも半導体工場ができたことをきっかけに、当時の人から見たら「変」な熱量を持った人たちが、数多くのイノベーションを生んできた。
それと同じ熱量が、きっと名護にはあると思っています。
――働き方への影響はいかがですか?
森石:自然が日常に溶け込んでいることの影響は大きいですね。行き帰りの車の窓からは青い海が見えるし、オフィスから数分歩けばすぐビーチもある。行き詰まったらちょっと波の音を聞いてリフレッシュ…みたいなこともできます。
東京でこういう時間を持とうとすると、移動などの「努力」が必要になる。でも名護ではそれが日常の延長にあるんです。とても贅沢な環境だな、と思いますね。
ぶつかった壁の中、「できること」を試し続けた日々
――とはいえ、実際に名護で事業をやっていくにあたり、多くの壁もあったのではないでしょうか。
森石:そうですね。これはすべての地方スタートアップに言えることですが、「中心ではない」ということはつまり、頼れるリソースが少ない、ということでもあります。
たとえば東京なら、プロダクト初期の検証に協力してくれる企業が多くあったでしょうが、沖縄や名護ではどうしても接点が少ない。そういうビハインドはありますね。
名護で起業する人も農業や観光といった「沖縄という場所」に沿ったビジネスが多いので、生成AIのサービスや行く末を一緒に話せるようなコミュニティもまだ十分ではないと思います。
移住当初は、東京でスタートアップの事業責任者だった経験もあって、「俺が地域をよくしてやる!」みたいに鼻息荒くしていたんですが、数カ月もしないうちに自分の無力さを突き付けられました。
自分が思っていた以上に、組織や周りの環境に助けられていたんだなあと。
――その壁をどう超えてきたんでしょうか。
森石:足元にある「できること」をやっていくことですね。というか、それ以外にできることがありませんでした(笑)。チャンスが少ないからといって、特に逃げ道があるわけでもないですし。
沖縄でめちゃくちゃエンジョイしてるノマドワーカーとかフリーランス勢を眺めながら、引きこもって仕事を続けてました(笑)。
でも結果として、それは自分の思想やビジョンの解像度を上げたと思います。小さなトライ&エラーをしながら、自分の考えを見つめ直す。他にやれることもないので、その時間はいくらでもありました。その繰り返しの過程で仲間も増え、基盤も少しずつ固まっていったんです。
自社プロダクト「Xaris」を、ChatGPT登場から1か月後というスピード感でリリースできたのも、そういう下地ありきだったと思います。
東京に戻っていたら、多分、他の人にまた手伝いを頼まれたりして、生成AIのプロダクトも作れなかったし、普通にフリーランスに戻ってたんじゃないかなと思いますね。
腹をくくった人と、名護で未来をつくりたい
ーーユリグラフでは現在、新しい仲間を募集しています。どんな人と働きたいですか?
森石:まず大前提として、「書くこと」「つくること」が好きな人。私たちはAIというテクノロジーを活用していますが、根底にあるのは「良いものをつくりたい」というシンプルな情熱です。アウトプットの形は問わず、表現することへのリスペクトを持っている方と働きたいですね。
その上で重視しているのが、「淡々と継続できる力」です。スタートアップというと華やかなイメージを持たれがちですが、現実は地味な試行錯誤の連続。むしろ、派手さを求めず、地道な作業にも耐えられる人こそ、非常に貴重だと考えています。
そしてもう一つ、「腹を括れる人」。今は副業や兼業など多様な働き方がありますが、だからこそ「自分はここで勝負する」と覚悟を決めて、退路を断って飛び込んできてくれる人のエネルギーは企業の成長に欠かせません。そういう熱量を持った人と、リスクも喜びも分かち合いながら、一緒に未来をつくっていきたいです。
ーーありがとうございました。
私たちユリグラフが本社を置く「名護」という街についての魅力を今回はお届けしました。
ユリグラフも、この名護という街も、今まさに“変化の真っ最中”。
その熱量の中で、一緒に腹をくくって「世界を変えていきたい」人を、私たちはお待ちしています。
カジュアル面談でもOKですので、まずは一度、ぜひお声がけくださいね!