つい最近までコートを着て「寒いなー」と言っていたのですが、はやいもので、今週末から5月を迎えます。5月は、当社では健康イベントの「歩活」があります。
「歩活」とは、社員同士で10名以内のチームをつくり、期間中の平均歩数を競い合うイベントです(『#20:歩活から考える目標達成のヒント』参照)。
いつも並々ならぬ決意で臨んでいますが、今回はさらに燃える要素があります。
同じ新潟県に事業所を構えるグループ会社のキヤノントッキさんと対抗戦を行うのです。いわゆる「新潟ダービー」です。それぞれの会社の上位5チームの平均歩数を合計し、多い方が勝ちとなります。来たる決戦の時に備え、気合を入れて歩いています。
ところで、皆さんは何を考えながら歩いていますか。
私の場合、早朝のウォーキングでは「すがすがしい朝だな」と気持ちよさを満喫しているのですが、そのうちに色々な事を考え始めてしまいます。最終的には、どうしても会社のことに思考が向かうのです。
私のウォーキングコースの途中、上古町商店街から見える白山神社の鳥居
写真:Drph17(Wikimedia Commons/CC BY 4.0)
以前、庭の草むしりをしていてもつい仕事のことを考えてしまうという話を書きました。そんなときは会社のことを無理に頭から追い払うのではなく、そのまま考えに浸りきってしまうことが逆説的に気持ちを楽にしてくれることもあります。
このコラムも、実は休日に書きました。
こんなことを書くと、休み中に仕事をすることを勧めるのかとクレームがきそうですが、本当に書いているのではなく、ウォーキングをしながら頭の中で考えを整理していた、という方が近いかもしれません。
当社では、「社長座談会」という名称で、部門ごとに社員の皆さんと直接話をする機会を設けています。社員の皆さんからは意外と好評ですが、私にとっても顔を合わせて話をする時間はとても有意義なものです。
その座談会で「社長コラムを毎回楽しく読んでいます」という声をいただくことがあります。有難い限りです。こうしたフィードバックは大変うれしく、コラムを書くモチベーションにもなっています。
更に、「どうすれば社長のコラムのような文章が書けるのですか」と聞かれたこともありました。その時は、思わず頭の中が真っ白になったことを覚えています。私は文章のプロでもなく、特別な訓練をしているわけでもありません。参考になるような答えができる自信がありませんでした。
その時は、自分なりに意識している点をお伝えしました。皆さんにとってもしかしたら参考になるかもしれませんので、僭越ながらそのポイントをご紹介します。
1.わかりやすく伝える
文章を書いたり、プレゼン資料を作ったりする際、「わかりやすく伝わっているか」を常に自問自答しています。
· 自分だけに通じる言葉を使っていないか?
なるべく専門用語を使わず、一般的な言葉で説明する。池上彰さんになったつもりで、小学生にもわかるように説明することを意識しています。
· 一文自体がわかりやすいか
修飾語と被修飾語の関係や、読点の打ち方などを確認し、一文がすっきり読めるかを見直します。特に、修飾語は被修飾語のすぐ前に置くことは気をつけています。
·文章の構成が複雑になっていないか
話が堂々巡りになっていないか、同じことを繰り返していないか、不必要な事例が入っていないかを確認し、余計な文は思い切って削除します。
これは、「#19:ラジオなんですけど(下)」で書いた、「『わからない』という前提で丁寧に説明する」という考え方にも通じるものがあります。
2.ブリッジのかけ方を意識する
ブリッジは、次の話題につなぐための手法として使われることが多いですが、私が意識しているのは少し離れた話題へのブリッジです。
これは、どちらかというと読んでいて面白さを感じてもらうための仕掛けです。小説やドラマでいう「伏線回収」に近いものかもしれません。読者に「そうだったのか」と腹落ちさせることができます。また、ブリッジを意識することで、文章全体や社長コラムシリーズに一貫性を持たせることができます。
論文試験の採点をした経験もありますが、題意に応えていない文章が少なからず見受けられます。これでは評価をすることができません。題意に応えるためにもブリッジは有効です。設問と今書いている内容とのつながりをことあるごとに意識して文を構成することで、題意に沿った文章が書けるようになります。
3.常日頃から考えを整理しておく
座談会では、「コラムを書くのにどれくらいの時間がかかりますか」という質問もありました。「だいたい30分くらいです」と答えたところ、とても驚かれました。
実はこの答えは正確ではありません。30分というのは、実際に文章を書いている時間であり、内容や構成を考える時間は、もっと長くかけています。
先ほどの例のように、ウォーキングなどの隙間時間を使い、常日頃から考えを頭の中で整理するようにしています。そして、いざ書く段階になったら、短時間で一気に書き上げます。
「#18:ラジオなんですけど(上)」で触れた「いかにして間を空けずに話すか」にも書きましたが、常日頃から考えを整理しておくことは、さまざまな場面で応用ができます。
最近は、文章を書く機会は減ってきているかもしれませんが、人に何かを伝える機会は多くあります。例えば、管理職の方であれば、部下にきちんと理解してもらうように伝える必要があります。
ウォーキングや草むしりの時間でも構いません。
・自分の考えは何か
・ロジカルに組み立てるとどうなるのか
・人に伝えるにはどうすればよいのか
こうしたことを、常日頃から考え、整理してみてはいかがでしょうか。
※次号は5月11日(月)リリース予定です