心臓弁膜症治療のパイオニアであるエドワーズライフサイエンス(以下、エドワーズ)。営業職のテリトリーマネージャー(以下、TM)は、「製品を売る」ことはもちろん、その一歩先にあるミッションにも向き合っています。
エドワーズは2013年、開胸手術を伴わずに人工心臓弁を留置できる治療法「TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)」を初めて日本へ導入しました。以降、国内でのTAVIの症例数は増え続けています。一方で、適切な診断や専門医への紹介につながらず、治療機会を逃してしまう患者さんがまだまだ多いのも事実。そのためエドワーズのTMは、医療従事者とともに疾患や治療法への理解を広げることにも取り組んでいます。
N.Uさんも、そんなTMとして活躍する一人。循環器領域未経験で入社したUさんは、どのように専門性を身につけ、医療従事者にエビデンスに基づく情報を提供しながら、より良い患者ケアの実現を支援する存在へと成長していったのでしょうか。その歩みを聞きました。
<この記事の登場人物>
エドワーズライフサイエンス合同会社
THV事業部 東日本第一営業部 テリトリーマネージャー
N.U
子どもの頃に病院へ通う機会が多く、「いつかは患者さんの役に立つ仕事がしたい」と思うようになった。大学卒業後に医療機器代理店へ入社し、消化器外科・呼吸器外科で使用される手術機器の営業を担当。その後、医療機器メーカーへ転職し、腹腔鏡手術用カメラシステムの営業を経験し、エドワーズライフサイエンスへ入社。現在はテリトリーマネージャーとしてTAVIの営業を担っている。
「治療そのものを広める」役割まで担える医療機器メーカーは少ない
—Uさんはこれまでのキャリアでも医療機器の営業を経験しています。この業界を志した理由を教えてください。
私は子どもの頃、皮膚科の疾患で病院へ通う機会が多かったんです。そこで医療従事者と接するうちに、漠然と「自分もいつかは患者さんの役に立てる人になりたい」と思うようになりました。
ただ、文系人間だったので医師を目指す道は現実的ではありませんでした。それでも医療に携わることをあきらめられず、就職活動ではまず製薬業界を志望。さまざまな企業の選考を受ける中で、扱う製品のインパクトが大きい医療機器業界もやりがいがあると聞き、興味をかき立てられました。それが医療機器の道に進んだきっかけです。
—数ある医療機器メーカーの中で、エドワーズへ転職した決め手は何だったのでしょうか?
エドワーズが、エビデンスに基づく情報提供と疾患啓発の両方に力を入れていることが決め手でした。
私が所属するTHV事業部のTMが担当しているのは、TAVIで使用する経カテーテル人工心臓弁です。基本的な仕事内容はTAVIを実施している医療機関へ当社製品を提案し、安全かつ適正に使用していただくこと。それに加えて、「適切な診断や治療につながる医療環境づくりに貢献すること」もTMの重要な役割なんです。
そのためにTMは、地域のかかりつけ医である開業医の先生方を対象とした講演会を企画したり、疾患や治療法に関する情報提供を行ったりしています。それが結果として、患者さんが適切な診断や治療へたどり着くきっかけになるからです。
前職までの医療機器営業にもやりがいを感じていましたが、製品の情報提供にとどまらず、これまで十分な治療機会を得られなかった患者さんの選択肢を広げることにも貢献できる点は、エドワーズならではの魅力だと感じました。それが入社を決めた大きな理由の一つです。
—エドワーズは心臓弁膜症治療という専門領域に強みを持つ会社です。転職当時、扱う領域が限られることへの不安はありませんでしたか?
それは感じませんでしたね。エドワーズは構造的心疾患や心不全領域の治療を進化させるため、売上高の約20%を継続的に研究開発へ投じています。入社前から製品への期待がありましたし、実際に働く中で、「この会社なら、これからも患者さんのためになる製品を生み出し続けるはずだ」という思いはさらに強くなりました。
徹底的に専門知識を学ぶ、導入製品研修とOJT
—Uさんは循環器領域未経験で入社しています。どのようにして専門知識を身につけていったのでしょうか?
エドワーズは研修やOJTの教育体制に加え、独り立ちまでのフォロー体制も充実しています。循環器領域未経験でも不安を感じることはほとんどありませんでした。
入社後1〜2か月目の早い段階で担当施設を任される会社もありますが、エドワーズでは時間をかけて座学研修や臨床現場でのOJTを行っているんです。
私のケースで言えば、入社したのは9月でしたが、実際に施設を任されたのは翌年の4月。それまでの6か月間は研修や現場同行を通じてじっくりと専門知識を身につけられました。
—独り立ちしてからも学びの日々は続くと思います。Uさんはどのようにして最新情報を得ていますか?
主に心疾患領域の論文を読んでいますね。海外で発表された最新知見や学会関連のトレンド情報は、社内の情報だけではなく、自らさまざまなツールを活用して収集しています。
独学だけではなく、担当施設の医療従事者との会話で学ぶことも多いですし、社内の専門家へ気軽に相談できる環境もあります。日々のコミュニケーションそのものが、自分の専門性を高めてくれていると感じます。
—社内の専門家とは、どのように連携しているのでしょうか?
前提として、エドワーズではTM自身が臨床的な知識を深め、治療法などについて医療従事者と議論できるようになることが求められています。そのうえで、さらに高度な専門性が求められる場面では社内のクリニカルエキスパート(CE)と連携し、担当施設の医療従事者とコミュニケーションを取ることも多いんです。
CEは看護師や臨床工学技士などの医療的バックグラウンドを持ち、高度な臨床知識を生かして医療現場を支える専門職です。このようにTMとCEが連携することで、医療従事者に対してより質の高い情報提供や技術支援を行い、より多くの患者さんが適切な治療につながるよう貢献しています。
製品への確かな自信を支えるのは、積み重ねられたエビデンス
—エドワーズへ入社してから、もっともこの仕事の醍醐味を感じた出来事を教えてください。
強く印象に残っているのは、私が札幌エリアを担当していた頃のエピソードです。
当時は、このエリアでどんな情報を発信すれば疾患への理解を深められるか、担当する病院の医療従事者と相談を重ねていました。そのうえで、地域の医療機関を対象とした講演会を何度も開催していました。
その病院では1年間で15回ほど講演会を重ね、年間の症例数は90例台から200例超へと、倍以上に伸びました。もちろん講演会だけの成果ではありませんが、病院の関係者からは「Uさんのおかげで症例数が伸びました」と言っていただけました。
このときは本当にうれしかったですね。地道に続けてきた地域への情報発信によって、疾患や治療法の理解向上に役立ったのだと実感しました。製品を売るだけではない、TMの仕事の意義を改めて感じた瞬間でもありました。
—エドワーズが掲げるコアバリュー、「Patients First(患者さん第一)」を体現するようなエピソードですね。
私は、「Patients First」を日々の仕事における判断基準として常に意識しているんですよ。
医療従事者と心臓弁膜症の症例について議論する機会が多くあります。私はエドワーズ製品や治療技術が患者さんの治療に貢献していることに大きな誇りを持っていますし、その価値を実感しているからこそ、エビデンスに基づきながら医療従事者と自信を持って対話することができます。
一方で、私たちが何よりも大切にしているのは患者さんです。患者さんの状態によって治療選択肢は異なるため、常に製品ありきで考えるのではなく、エビデンスに基づく適切な情報提供を通じて医療従事者を支援し、より良い治療を届けることに全力を尽くしています。
—その考え方は、前職時代から大切にしていたのでしょうか?
前職時代も患者さんを第一に考えて活動していました。ただ、営業として成果を求められる中で、自分の提案が本当に患者さんのためになっているのかを改めて考えることもありました。今はそうした迷いはありません。
そういえば、自分ではあまり意識していなかったのですが、転職後に家族から「今が一番楽しそうに仕事をしているね」と言われたこともあります。数字を追いかけることばかり考えなくなったからかもしれませんね。
営業として成果を出すことは大切だけど、その先には患者さんがいる。この本質を常に意識し、行動に移せることが、エドワーズのTMとして働く一番の魅力だと感じています。
より大きな影響力を持ち、患者さんへの貢献の幅を広げたい
—Uさんは、今後のキャリア展望をどのように描いていますか?
率直に言うと、出世したいですね(笑)。
責任ある立場になれば給料が上がる、という理由もありますが、それ以上に「もっと大きな裁量を持ちたい」という思いがあるんです。
私は、エドワーズの製品が本当に好きなんですよ。管理職やその先のポジションになれば、日本だけでなくグローバルの戦略や次世代製品の開発にも、今より近い立場で関われるかもしれません。広い視点で市場や事業を考えられるようになりますし、自分が与えられる影響の度合いも大きくなると思っています。
そうして多くの医療機関や医療従事者を支援できれば、結果としてより多くの患者さんが適切な治療につながる可能性も広がると考えています。だから私は、貪欲に出世を目指します。
—最後に、エドワーズの仕事に興味を持ってくれた方へのメッセージをお願いします。
以前の私のように、「循環器領域の経験はないけど挑戦してみたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。私自身の経験から言えば、必要以上に身構えなくても大丈夫だと思います。エドワーズの教育体制は本当に充実していますし、一人で抱え込まずに相談できる環境もありますから。
飛び込んでみれば、私と同じようにこの仕事の面白さや奥深さを実感できると思います。製品を提案するだけではなく、疾患そのものや治療法への理解を広げ、担当する地域全体で患者さんを適切な治療につなげていく。こうしたやりがいは、他ではなかなか得られないでしょう。
医療にもっと深く関わりたい。営業として新しい価値を生み出したい。そんな思いを共有できる仲間が増えるとうれしいですね。