Ragateは、公開するものが多い会社です。
技術検証の失敗ログも、社内のLT会の中身も、代表の経営判断の背景も、外から読めるようになっています。2025年8月のサイトリニューアルを起点に、この体制が整いました。
2025年8月25日、サイトを刷新した
出発点はコーポレートブランドのリニューアルです。
軸に置いたのは「信頼感と品格」でした。採用に特化したサイトではなく、企業全体を理解してもらうための構成に変え、デザイン・コンテンツ・情報設計を全面的に見直しています。AI、クラウド、データ分析といった先端技術の活用実績を体系的に発信し、実務に活かせるヒントを提供するプラットフォームにする、という位置づけです。
そして同じ日に、代表の益子竜与志による「ましこブログ」が始動しました。
ましこブログ ― 判断の背景を書く場所
ましこブログは、代表本人名義のコラムです。2025年8月25日に始まり、2026年9月時点で38本が公開されています。
掲げているトーンは「友人と深く話すように」。技術と経営の両方の視点から、市場動向、活用事例、自身の経験が書かれます。
特徴的なのは、うまくいった話だけを書いていないことです。社長の履歴書には、無計画だった20代、年商1億円到達直後の主要顧客の消失、売上の6割を占めたSES事業からの撤退までが書かれています。関西支店の構想は、結論が出ていない状態のまま公開されました。
会社の判断の背景が読めるので、Ragateがどういう理屈で動く会社なのかは、入社前でも確かめられます。
エンジニアブログ ― 検証と、苦戦のログ
エンジニアブログは技術検証の記事です。本数が多く、更新の頻度も高いメディアになっています。
代表的なのが、本気でOpenClawを社内実用化してみた ― セットアップの全記録と正直な苦戦ログです。ローカルLLMとの統合でMLXがうまく動かず、Ollamaに切り替え、モデルサイズを調整しながら安定稼働にこぎつけるまでが、そのまま書かれています。タイトルに「正直な苦戦ログ」と入っているとおり、成功例のショーケースではありません。
ほかにも、Openclawを使い倒す上級者のための設定ガイド、OpenClaw × Claude Code on Amazon Bedrock でマルチエージェント開発チームを組んでみた、OpenClawのスキル機能で社内業務を自動化してみたといった実践記事が並びます。
パブリック社内報 ― 中で起きていることを外に出す
3つ目がパブリック社内報です。
毎月のLT会レポート、社外セミナーやカンファレンスの参加レポート、社内の新しい取り組みの告知が載ります。CCoEの始動も、Cursorの全社導入も、OpenClawの「正社員採用」も、ここで共有されました。
オフィススナックの導入や、日本盲導犬協会から会報が届いた話のような、業務と直接関係のない記事もあります。取り繕わない記録になっているぶん、日常の温度がそのまま出ています。
社内向けの情報を外に出すことには、はっきりした方針があります。人事評価制度など、公開できる情報はサイト上で積極的に社外公開していく、という考え方です。
自主調査レポートも出している
オウンドメディアとは別に、自社名義の調査レポートも出しています。
2025年12月16日に公開された『企業における生成AI導入状況レポート』では、企業の生成AI導入率は約4割、利用ツールの首位はChatGPTで45.5%という結果が報告されました。
あわせて、意思決定者505名を対象とした投資動向調査も発表されています。生成AI予算の拡大派が35.5%、縮小派はわずか1%。「様子見」から「本格化」へシフトしている、という分析です。課題としてROIの不明確さが残る一方、戦略的に投資を進める企業は「内製化」に注力している、とも報告されました。
この調査は、Ragate自身の「生成AI開発内製化支援」という事業と地続きです。市場の状態を自分たちで測り、その結果に基づいてサービスを設計する、という流れになっています。
書籍と、外部での登壇
発信は、自社メディアの外にも出ています。
代表は2026年に技術評論社から3冊の単著を出版しました。3月19日に『AI駆動で進める「小さく確実な」クラウドネイティブ移行』(A5判512ページ)、8月26日に『MCPの教科書[上巻]』『MCPの教科書[下巻]』です。
2026年4月24日には、ARアドバンストテクノロジ(ARI)の「D1キックオフイベント」に代表の益子と栁澤大志が登壇しました。テーマは「あなたのエンジニア人生 AIで10倍面白くなる」で、エンジニア・PM・PMOなど約250名が参加しています。同年7月には金沢シーサイドFMのラジオ番組にも出演しました。
発信は、評価の対象に入っている
これだけの量が出てくる背景には、制度があります。
Ragateは、評価で重く見る「アグレッシブな姿勢」の具体例として、ブログの執筆、書籍の執筆・出版といった社内外への発信、LT会での登壇、社内研修の企画を明示しています。発信は個人の趣味ではなく、評価される行動として位置づけられています。
ただし、会社から書けと言われることはありません。機会は用意するが参加は推奨しない、自ら手を挙げることが前提、という方針が同時に置かれています。ここに並んでいる記事は、すべて誰かが自分で書こうと決めたものです。