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「ペーパーレス化・IT化を推めても誰も幸せにならない場合があった」官僚を目指し、税理士法人で働いたのちに当社に転職をした理由

大学在学中に国家公務員一種試験(現在の国家公務員総合職試験)に合格するも、卒業後はフリーター生活も経験した杉田さん。

その後のキャリアとして飛び込んだ税理士の世界は、やりがいがありつつも「業務の仕組みが前時代的だと感じた」と言います。新しい働き方で士業を進めたいと考えている方、これからの税理士業務を模索している方、そして仕事とプライベート、両方を大事にした働き方をしたいと思っている方は、杉田さんの転職ストーリーをぜひご覧ください!

杉田直也

2008年に早稲田大学政治経済学部入学。在学中の2011年に国家公務員一種試験に合格。大学卒業後、フリーター生活を経て税理士事務所に入社し、5年間勤務。2022年8月からスタンダート税理士法人に転職。

大学在学中に官僚試験に合格するも、不採用からフリーターへ。就職のタイミングを模索。

――どんな学生時代を過ごしていましたか?

小、中学校時代は地元・横浜の学校へ通い、高校からは都内にある東京工業大学附属科学技術高等学校(以下、東工大附属)へ進学しました。漠然とですがロボット工学を学んで、社会貢献する仕事に就きたかったんですよね。ところがいざ入学してみると、理系の勉強が合わないことに気がつき、東工大附属ではかなり稀な文系にシフトチェンジしました(笑)。

――早稲田大学の政治経済学部ご出身と伺っています。新たに目標ができたのでしょうか?

そこまでのこだわりはなく「私立文系ならばトップを狙いたい!」という、単純な思いからでした。それならば早稲田の政治経済学部かなあと。無事に合格することができまして、1、2年生の間は、絵に描いたような普通の学生生活を送っていました。授業には最低限出て、飲み会やサークルを楽しむみたいな感じですね。進路や就職について真剣に考えだしたのは、大学3年生になってからです。

――詳しく教えてください!

官僚を目指すことにしました。国家公務員一種の試験に合格し、経済産業省へ入省したいなと。もともと両親が公務員だったので、その影響もあったのかもしれません。3年生の春からテキストを買うなど準備を始め、秋ごろから試験勉強に取り組みました。それが2010年。そして2011年5月の試験に合格することができました。私が受験した経済職試験は、確か250名程度の合格者がいたはずですが、そのうち150位ぐらいだったと思います。

ただ国家公務員一種の試験って、合格しただけでは採用にならないんですよね。官庁訪問のパスをもらうためのテストってだけで。そして実際に採用される経済職の人数は100人程度。私も官庁訪問はしたのですが、結局、採用には至らなかったんです。

――民間企業へ就職する気はありませんでしたか?

その時は、全く考えていなかったですね。一度試験に合格すると、そのあと2回は官庁訪問をすることができるのですが、私の場合、なんというか、心の糸が途切れたような、やり切った感が生まれてしまって。ひとまず卒業後はフリーターをしながら、自由な時間を持とうと決めました。

――フリーターをしながら、どんな時間を過ごしていたのでしょうか?

もともと学ぶことが好きなので、歴史、語学などの教養を深める時間に充てていました。最初にハマったのは歴史です。受験や公務員試験で丸暗記した事項を、自分なりに深堀りするのが楽しくなってしまいまして。特に平安時代の歌人で役人の紀貫之に憧れていたんです。現代の横文字の流行を嘆く風潮もありますが、そんなのはかわいいもので、当時は外国語(漢語)で行政文章を書いていたわけです。そんな時代に土佐日記でひらがなを使って文章を書いた、という先進性・独自性に魅せられました。そんなことも深掘りしつつ、興味の対象が、次第に歴史から語学の学習に移っていきました。結局、フリーター時代にアラビア語、韓国語、タイ語など数々の語学を独学しました。大学受験よりも、そしてぼーっと過ごしていた学生時代よりも、のめり込んで勉強していたかもしれません(笑)。

病気をきっかけに一念発起。資格取得を見越して税理士事務所へ就職。そこで見えてきた、業界全体の問題点。

――大学卒業後から20代半ばまで、趣味中心のライフスタイルを送り、そこから税理士業界へと就職した経緯を教えて下さい。

そうですね。人生骨休めをしながら「一生このままというわけにはいかないだろうなあ」と思っていた矢先に、バセドウ病を患ってしまいました。さすがにこのままではまずいと思い、一度、就職しなくては、と。そこで働きながら資格取得もできる税理士事務所へ飛び込むことを決めました。幸いなことに病気は就職後しばらくして良い方向へと進み、今はいたって健康です。

――税理士業界へ飛び込んでみて、どんなことを感じましたか?

ごく一般的な税理士事務所へ就職したと思うのですが、そこで感じたのは、ペーパーレス化の遅れでした。とにかく紙資料が多い。これは税理士業界の人間ならば、誰もが感じている問題点だと思います。私の場合、資料を電子化するなど効率が良くなるように工夫して働いていました。でも税理士事務所って、お客さんもスタッフも高齢者が多いんです。結局、自分一人で業務効率化を進めても、お客さんも一緒に働く従業員も導入したITツールが使いこなせないので誰も幸せにならないんですよね。そして、そんな環境の中で働くことで、自分も世の中の流れに置いていかれるのではないかという危機感がありました。

――前職では、どんな仕事をしていましたか?

ごくベーシックな税理士業務で、担当件数は30件ほど。お客様は、意思決定権限がある社長なので、これまで触れたことがなかった会社経営の話をできるのは楽しかったですね。そういう点では、自分の視野や、物の考え方が広がったような気がしています。

福利厚生の面でも充実していて、定時には帰宅していました。在職の5年の間に税理士の資格試験のうち、1科目を受験する余裕もあり、こちらも無事に合格できました。結婚し、子どもが生まれたのですが、育休から復帰する妻とバトンタッチする形で6か月間の育休も取得できましたね。所長が税理士会の支部長だったので、ワークライフバランスに対する理解があったことも大きく、1歳前後の育児という最高の経験ができ、今となっては本当に感謝しています。コロナ禍の一番大変な時は、リモートワークを柔軟に取り入れたりと、働きやすい環境ではあったと思います。

――それでも転職を考えた理由はなぜですか?

事務所への不満は特になかったんです。ただ、「IT化の遅れ」という業界全体の風潮に対して焦りを感じ続けていたのが、一番大きな理由です。そんな折に、転職サイトの広告を見かけて、「登録してみようかな」と、一歩踏み出してみました。

――スタンダード税理士法人の採用が決まるまでに、他の会社も考えましたか?

弊社を含めて3社ほど選考に進んだのですが、他の2社は採用タイミングが合わなくて。話が順調に進んだのが、スタンダート税理士法人でした。志望の動機はIT化を徹底し、効率を求めた施策や柔軟性がある税理士事務所であること。それから、妻の勤務先が遠方で通勤に時間がかかるため、子どもの送り迎えは私が担当しているので、リモートワーク中心という働き方を認めている点も、今の私の生活にぴったりだと思いました。

クラウド会計からオンライン打ち合わせ、チャットまで。効率化が徹底された労働環境だからこそ実現できる担当数。


――今はどんな業務を担当されていますか?

まだ引継ぎがメインなものの、30件ほどの案件を受け持っています。税理士業界の中で一人30件というと多く感じる人もいそうですが、ITツール中心のリモートワークになると、それほど大変ではないんです。お客様への訪問はないですし、クラウド会計を活用した会計処理の自動化を行っているため領収書の手入力もほとんどありません。決算書を印刷・製本してインデックスを貼る、お客様の資料をファイリングするといった作業もないです。雑務については普通の税理士事務所の10分の1ぐらいの時間で済みます。

――前職との違いは何でしょうか?

専門職のため、業務自体は大きく変わりませんが、お客様のITリテラシーの高さは違いますね。弊社で導入しているのは、一定のITリテラシーがあれば使いこなせるソフトで、そう難しいものではないんです。

それでも前職では、スタッフの平均年齢が高く、ITスキルに幅があり、ITツールを事務所全体として使いこなすにはハードルがありました。弊社では、お客様・スタッフともに、ITツールを無理なく使いながら仕事を進めていけるのはありがたいですね。

――お客様から刺激を受けることも?

はい。自分と同世代のお客様が多く、その中でもIPOを視野にいれたスタートアップの社長がいることにも驚きました。「これから大きなチャレンジをしよう」という起業家の伴走者になれるので、そういう意味では新たなやりがいを感じていますね。

――現在はどのような働き方をしていますか?

私は育児の関係でリモートワークを希望しており、出社は1か月に1~2日ほどです。お客様の会計税務に関する判断で迷ったら、代表の山田に、電話・チャットで相談。新しいシステムを使う場合も、オンライン会議の画面共有で教えてもらっています。ほとんどの業務が電話、オンライン会議、チャットで完結しています。

代表の山田は、最初はすごい経歴の持ち主がいるものだ、と驚きました(笑)。とはいえ偉ぶる感じは全くありませんし、言葉や行動の端々に、優しい人柄がにじみ出ています。時にはチャーミングだなとすら思える、魅力のある人物です。

【代表インタビュー】任天堂やBIG4を経て創業。「生産性の高い働き方」を実現する、異常なまでにこだわり抜いたスタンスとは | スタンダード税理士法人
平均年齢65歳の税理士業界の世界の中で、20~30代中心の若手が活躍するスタンダード税理士法人。世の中で様々な技術革新が起こっているのと同様に、近年、会計税務の世界でもクラウド会計ソフトの登場や電子帳簿保存法の改正といった変化が起こっています。重い腰を上げ、レガシー産業のDX推進も進み始めている一方で、"浸透している"とはまだまだ言えないのではないでしょうか。 ...
https://www.wantedly.com/companies/company_6257761/post_articles/407541
代表の山田のインタビュー記事はこちら!

プライベートの部分で言えば、リモートワークで通勤時間がなくなった快適さは大きいです。何しろ子育て中の身ですので、私生活でも、少しでも時間を有効活用したくて。前職よりもさらにワークライフバランスが向上した気がします。

――スタンダード税理士法人には、どんな方が向いていると思いますか?

今働いている職場で「自分って、時代の波に乗り遅れているかも」という感覚がある方。税理士業界のペーパーレス化やIT化の遅れは、分かり切っているはずなので、そこから一歩踏み出す勇気のある人でしょうか。また、お客様の中には上場を目指すスタートアップや仮想通貨・NFT関連事業に取り組む会社もあるので、そういった新しいビジネスに興味があり、クライアント企業をサポートしたいという気持ちがあれば、より楽しく仕事ができると思います。

フルリモートワークを希望する場合は、何か問題が起きた時にある程度自分で問題解決できることも必要です。働き方の自由度は高く、マネーフォワードクラウドシリーズの使い方を含めた当社独自の仕事の進め方は体系的な文書が整備されており、それらを参照することで短期間でのキャッチアップが可能です。一方で、全社員がリモートワークで働くことを前提としており、横に誰かがいて1から100まで教えてもらえる環境ではありません。また、ITによる業務効率化で作業時間を削減する代わりに通常の会計事務所よりも会計処理のクオリティを高めており、この意味では厳しい会計事務所です。そのため、通常の会計税務業務については担当者として自己完結できる方だけを採用しています。入社時に全ての業務を100%できる必要はありませんが、積極的に知識を吸収して、自力で問題解決する力を身につける意欲のある方がベストなのかなと思います。

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