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サンタクロースの正体について話します。

えー、すいません今回はもういきなり仕事の話からだいぶ外れまして、厨二な西野全開なんですけども「自分はいい大人になった今でもサンタクロースの存在を信じている」という話をしたいと思います。

去年の12月、僕が4歳の頃からずっと親しかった仲間が亡くなりしました。
告別式は、クリスマスイブでした。

誕生日が2日しか違わない上に、何十年もつるんできた男です。
そんな境遇だと、「なんで亡くなったのが彼で、なんで生き残っているのが自分なのか?」といったことまでが不思議で疑問に思えてくるほどなのです。
僕らの周り連中でも本当に衝撃が大きかったのですが、残されたご家族のために少しでも何か行動をしたい、と思う有志でクリスマスプレゼントを届けることになりました。
残された子どもはそのとき、9歳と2歳でした。

うちは子どもに、プレゼントはサンタが持ってくるんだよと教えるわけでもないですが、幼稚園で友達と話したり、テレビを見たりして、勝手に想像して、勝手に期待してます。
子どもはそういうもんだと思います。

だがもしある年突然、サンタが来なくなったら、子どもたちの夢はそこで終わってしまう。
それがもし、パパが亡くなってしまったからだ、と気づいたら、子どもだったら大きく傷付くんじゃないか。
大きくなった時に、「うちは父親が亡くなった年から突然サンタが来なくなった」となってしまったら・・・と想像すると、そんなクリスマスイブは一晩中悶々と気持ちが収まりません。

子どもたちの夢は、大人たちみんなで繋がなくてはいけない。
仲間を失ったショックの中、そんな世話焼きな気持ちが、別れを告げた翌日の行動になりました。

そしてもう1つの背景は、想像するに、小学生とか小さい子どもには、父親がいなくなるっていうのは理解できないんじゃないか、とても受け止められる事実ではないんじゃないか、と思ったこと。
パパはどこかにまだいるんだよ、いつも心の中にいるんだよ、それがいつも子どもたちの心の支えになってほしい。という願いです。
自分たち家族でもない人間たちが、少しでも心の支えになりたい、と思ったとしてもそれはあまりに非力なもの。
でも、パパはいつもどっかで見てるんだ、と信じてくれたら、子どもたちの心の支えになるんじゃないだろうか。

そう考えて、プレゼントに手紙を書いて添えて渡しました。

ことしはサンタさんにおねがいして、パパがサンタさんの代わりにクリスマスプレゼントをとどけにくることになりました。まだちょっとバタバタしているので、クリスマスイブの夜より1日おくれてしまったけどね。

パパがいなくなってびっくりしてると思うけど、パパはいなくなってないんだよ。パパはいつもみんなの中にいます。パパがつらいときにいつもふたりがたすけてくれたように、君たちがこまったときはいつもパパがたすけます。 
だからいつもいっしょだということをわすれないでね。ママをこまらせないように、近くにいてあげてね。 パパ

・・・
去年、なぜ自分はそういう行動をとったのか、自分でもよくわかりませんでした。
自己満足のためなのか? 美談作りの偽善なのか?
でも行動しているうちに気づいたのは、いや、そうさせたのは、亡くなった友、あいつ自身だ。奴がまだ生きている僕を借りて、動かしてるんだ。
と理解するようになりました。

海外では、目に見えない神様がいて日々の行いを見ているから、という信心があって自分を律します。
日本は無宗教と言われるけど、
「いい子にしてればサンタさんが来てプレゼントをくれるから」
「悪い子にしてるとナマハゲが来て襲われるから」
子どもたちはそう信じて、日々の行いを自律します。
パパがどこかにいるから、と信じることはきっと心の支えになると信じます。

以前、yahoo知恵袋で「サンタは本当にいるんでしょうか?」という小学生の質問に、「サンタが一人では全部できないから、世の中の企業や大人たちがサンタの代わりにプレゼントを作ったり届けたり枕元に置いたりしています」というような回答がありました。
見事な回答だと思いました。

きっと、子どもにプレゼントが届くまでの社会全体が「サンタ」という概念なんだということを言いたかったんでしょう。
でももし本当にそういう風に思うことができたら、他人に対して少しでも優しい気持ちになれたり、幸せな気持ちを贈ることができると思います。

去年の出来事以来、僕は「人のことを思って、幸せを贈ろうと思うこと」
それ自体がサンタクロースの正体なんだと思うようになりました。
だから、サンタもいるし、亡くなった友も、いる。
そう考えると、不思議とすべての辻褄が合うのです。

今年もサンタと亡き友の力を借りて、ご家族にプレゼントを贈りました。
そこには、います。 サンタも、パパも。

あなたには、見えますか?


子どもの頃、サンタさんを信じてプレゼントを待っていました。それがすごく楽しみでした。
ちょっと大人に成長したら、今年は恋人と過ごせるかどうか? が自分の周りでのクリスマスの意味になりました。
そして今は、プレゼントを枕元に置く側の人間になり、また違った特別な意味を持つようになりました。
(写真は去年のクリスマスの朝、ご家族から届いたものをアップさせてもらいました)


【このような記事を、noteで連載しています】
https://note.com/fandp_jp/m/mca649bdd5409

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